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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第五章 偽りのラピスラズリ
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インカローズの事件があった翌日、リビングで冬真は朱音と健人に事件について今現在わかっている事を伝えた。


占い師の女はどこかの魔術師に操られていたがその魔術師を取り逃がしたこと、例のインカローズは多くの場合魔除けなどに使う為のジェムではなく、とある魔術儀式のインカローズで、その儀式に使える若い女を捜すためパワーストーンと称して広めていたのではないかと、何の儀式に使われるのかには触れず冬真はあくまで自分の考えだと言いながら話した。


健人はソファーの背にもたれかかったまま腕を組んで聞いているだけで、朱音は怒られることを覚悟で自分の身に起きたことを、そして一緒にいた女子高生達の事を必死に話したが、冬真はそれを聞いて怒ることも注意することも無くむしろ朱音に危険な目に遭わせたことを謝罪し、そんな冬真を前に昨日から興奮していた朱音の気持ちが一気に申し訳なさに変わる。


行方不明になった学生達を心配した朱音に、彼女たちを探すのは警察の仕事だからと冬真は言ったが、もうおそらく家族の元に戻ることの無いだろうという真実に近い推測をあえて口にはしなかった。




*********




朱音は、冬真がしばらくすればその後どうなったのか話してくれるかもしれない、何か自分に聞いてくれるかもしれないと期待していたが、冬真が一切この話題に触れなくなったことで朱音から問いかけることなど出来ず、むしろ実は呆れられていてここを出て行くよう言われないためには何も聞いてはいけないのだと朱音は気持ちを切り替え、十二月を迎えていた。


そんな十二月も慌ただしく過ぎて年末年始を各自別に過ごすことになり、冬真は二十三日からイギリスの親族の家に行き戻るのは年明け、朱音も年末年始を実家に戻って過ごすことにした。


健人は実家が同じ神奈川ということと、締め切りの関係で大晦日に実家に行き元旦には戻るというスケジュールで、洋館で全員が再会したのは年が明けて数日後だった。


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