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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第四章 恋と罠のインカローズ
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後部座席のドアをあけアレクが降りるように促せば、朱音はやっと振り返って二人を見ると不安そうな顔をしている。


朱音はその二人にかける言葉が出てこなかった。


絵里と真央もそうなのか、何も言わずに車から降りると、女性二人が二人の背中に手をかけて明るい建物の中に入らせ、アレクは年配の女性と少し話していたが、その女性が深々とアレクに頭を下げるとアレクが車に戻る。


そしてすぐに車は動き出し、最後まで残っていた年配の女性も建物に入っていくのを朱音は見ると、今度は無表情で運転するアレクに声をかけた。



「冬真さんに伝えたいことがあるの」



「洋館に戻ります」



「冬真さんがいるの?」



その質問にアレクは答えず、そんなに時間もかからずに見慣れた駐車場に着くと、アレクはエンジンを止め車を降りると朱音もすぐに車を降りた。


アレクが洋館の方に視線を向けたので冬真が来たのかと朱音が見れば、健人が急いだように洋館から出てきて朱音の隣に来る。



「では」



「あぁ」



アレクは健人に向かってそう言うと健人もわかったようにそれだけ答え、アレクは洋館に入るわけでも歩道に行くわけでも無く、何故か駐車場から暗い裏庭の方に走ってそのまま見えなくなった。


裏庭の先は何も無く、朱音は何故そこにアレクが走って行ったのかわからず困惑する。



「朱音」



聞いたこともないかたい声に朱音は驚いたように顔を上げれば、健人が真面目な顔で朱音を見ている。



「家に入れ」



「あの」



「まずは入れ」



有無も言わせない健人の声に朱音は戸惑った後洋館に入れば、まるで逃げないように後ろをついていた健人が洋館のドアを閉め鍵をかけるが、朱音は玄関から上がらず健人を見上げた。




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