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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第四章 恋と罠のインカローズ
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「私が買った後に、この学生さん達は確実に買えるんですよね?それも半額で」



朱音が奥の部屋に案内しようとした女にそう確認すると、もちろんです、と笑みを返してきた。


振り返ると、二人が入り口近くのパイプ椅子に座らず立ったまま不安そうに朱音を見ている。



「ちょっと待っててね」



朱音の言葉に二人はホッとしたような顔をして朱音は笑顔を浮かべると、女がドアを開け、その中に朱音は足を踏み入れた。



何重にも天井から透明なシフォン生地のようなものがかけられ、それを手で横に寄せながら奥に進めば、いかにも占いである小さなテーブルとその奥に女が一人座っていた。


真後ろの壁には曼荼羅のような大きなタペストリー、目の前の女はウェーブがかかった茶色い髪が肩上くらいでハイネックの服に大きな紫色の石のついたネックレス、両腕に沢山の石のついたブレスレットをつけ、頬にはそばかす、人の良さそうな笑みを浮かべていた。



「どうぞ」



突っ立っていた朱音に女は笑みを浮かべて目の前の席を勧め、朱音は慌ててその椅子に座る。



「私は少々霊感が強くて、学生さんの恋のサポートになればと私の力を込めた特別なインカローズのブレスレットをお渡ししているんです。


思ったより力を使って疲れてしまうので、数も作れないし時々しか出来ないので学生さん達にはお待たせして申し訳ないのですが」



困ったように笑うその女を見て、朱音は何も悪い印象を抱かなかった。



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