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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第四章 恋と罠のインカローズ
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朱音が周囲を見ればそんなにあの賑やかな場所から離れていないのに、会社も多いのか閉じている店が多く、人気もほとんど無い。



「ここの二階みたい」



絵里がそういうと、真央が、うん、と頷いた。



「あと5分!急いで上がるよ!」



突然ダッシュしてビルに入っていった二人を見て、朱音は鞄に入れていたスマートフォンを確認するが何も連絡は無い。


時間的にも冬真は占いをしているところだろう。


朱音はこのスリリングな状況に、自分が楽しんでしまっているのを感じながら二人の後を追って階段を上がった。




二階の薄暗いフロアにはドアが二つだけ。


細長い廊下の突き当たりのドアが開いて、絵里が朱音に向かって手招きした。


中は土足で入られるようカーペットが敷いてあり、入った途端何かお香のようなものが部屋に充満していて、その部屋はすぐ入った場所にパイプ椅子が数個壁に沿って配置され、そしてその部屋の奥にまたドアがあった。


置物も何も無く、窓には外の光が入らないようにか板で目張りした上に紺色のカーテンで隠され、ろうそく台のようなランプがいくつかあるものの部屋の中は思ったより暗い。


絵里と真央の横に笑顔の女性が一人いて、絵里は困惑したような顔をして朱音を見た。



「お姉さんが先なんですって」



「えっ?」



「はい。まずは確認を兼ねてご紹介の方を先に先生に視て頂いています」



真っ白な顔に真っ赤な口紅をしている黒髪ショートヘアの若い女が朱音に笑みを浮かべながら説明した。


朱音は最初購入しないつもりだったが、考えてみれば持ち帰った方が冬真に一番良いはずだ。


なんとなく、よく頑張りました、と冬真が褒めてくれそうで朱音は何としてでも手に入れて持ち帰ろうと決めた。



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