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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第四章 恋と罠のインカローズ
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「ロードクロサイトは立派な宝石です。


木イチゴのような赤、ピンクが美しいのですが非常にもろく、ジュエリーとして扱うには本来不向きなものです。


皆さんもブレスレットにしていますが、割れたから不吉なんてことはありません。


もともともろい石ですので、クラック、いわゆるヒビが入っていたり、机などにぶつけてしまえばそのうち割れるのは当然です。


なので気にしなくても大丈夫ですよ」



ロードクロサイトはモース硬度3半~4半とされている。


モース硬度とは『あるもので引っかいた時の傷のつきにくさ』を10の基準宝石を使って相対的に判定している。


硬度10はダイヤモンド、人間の爪は硬度2半くらいとされ、宝石として身につけるのなら硬度7以上が出来れば良いとされていて、硬度7の標準鉱物は水晶である。



「そして今日の題名でもあるインカローズですが、実はロードクロサイトをインカローズと呼ぶのでは無く、ロードクロサイトの一部が本来インカローズなのですがお店では混同して使っているようです。


皆さんに二種類の石をお見せします。どうぞ見終わったらお隣に回して下さいね」



そういうと冬真はベルベットのトレイを一つを前列に、もう一つを後列の学生に渡した。


そのトレイの上には、小さな白いプラスチックケースが二個あり、中に綿に囲まれた丸い石が入っていて、学生達が見ながら話しつつ自分のブレスレットと比べている。


全員が見たのを確認し、冬真が二つのトレイを回収し、白いケースを学生達に見えるように持ち上げた。



「この淡いピンクの中に白い縞模様があるほうがインカローズです」



それを見た学生達は驚いたり友人と話している。



「この石はアルゼンチンのもっとも古い鉱山から産出されたことで、インカ帝国とからめてインカの薔薇、インカローズと呼ばれるようになりました。


そしてロードクロサイトの中でも宝石として扱われるのはほんのわずかなのですが、パワーストーンの最高級インカローズとして売られているのが、もう一つのこちらの石です」



もう一つのケースを持ち上げた中に入っているのは、透明な木イチゴのような赤、まるで食べられそうなほど甘そうな赤の石だ。



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