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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第四章 恋と罠のインカローズ
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スタート時間には25名全員が揃い、冬真のセミナーが始まった。



「初めまして。吉野冬真です。


今日は土曜日のこのような時間から集まって下さりありがとうございます。


きっと皆さんは恋の石、インカローズを身につけ、素敵な恋をしたいと思っていると思います。


でもせっかくそのインカローズを選んだのです、そのインカローズも自分を知ってもらえば、石ももっと皆さんに答えてくれるかもしれません。


そんな石のお話し、そしてその後はミニ占星術もあります、お楽しみに」



ふわりと笑いかければ、学生達はじっと冬真を見たままこくこくと頷いている。


朱音はそんな学生達を見て、今頭の中は好きな人じゃ無くて冬真で一杯なのでは、と苦笑いし、静かにレクチャールームを離れた。



冬真はそれを見て話を始めた。



「皆さんは『ロードクロサイト』という石をご存じですか?」



冬真の質問に、生徒達は顔を見合わせたり首を振ったりしている。



「それが皆さんの大切にしているインカローズの事です」



学生達が一応に驚いた表情になった。



「順番に話しましょう。少し難しいと思うことや、勉強のようだと思うこともあるかもしれません。


でも好きな人を知るには少しくらい苦労があるほうが楽しいものです。


ちょっと物知りになれる、と思って軽い気持ちで聞いて下さいね」



冬真が優しく言うと、学生達がホッとしたような顔をしたり、軽い笑い声が上がった。



「まず『鉱物名』というものがあります。


地球上には約5000種の鉱物が存在しますが、その中で宝石と呼べるものはほんのごくわずかです。


『ベリル』というのも鉱物名ですが、それで何の宝石が思いつきますか?


エメラルドとアクアマリンが代表される鉱物です。


そうやって大きなくくりが『鉱物名』になります。


鉱物名、ロードクロサイトが正しい名称なのですが、インカローズという名前の方が有名になってしまい、一般の人ではロードクロサイトと言われても何の石かわからないでしょう」



冬真は後ろに置いたホワイトボードにさっき書いたロードクロサイトという文字の横に線を引きインカローズと綺麗な字で書く。




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