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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第四章 恋と罠のインカローズ
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真面目な顔で冬真は言っているが、つい最近スーパーで子供からおばさん、と呼ばれ傷ついた朱音としては、そんなに年齢は近くないと思います、という突っ込みを飲み込んだ。



「あくまで動くのは僕です。


朱音さんは僕の仕事の秘書として周囲には紹介しますので。


もちろん朱音さんは僕が守ります」



冬真は真面目に話している、それがわかっているのに冬真の最後の言葉がとても嬉しい。


こんな私を頼ってくれる、ずっと助けてもらってばかりの自分が少しでも冬真さんの助けになれる。


朱音は嬉しいです!という言葉と表情を出さないように顔を引き締めた。



「頑張ります」



そうやって朱音の本当の魔術師秘書としての仕事が始まった。


冬真は健人にも事情を話し、健人は最初は朱音が関わることを反対していたが、ちらしのイラストを描くから俺もサポートメンバーとして情報を流せ、と言ってきて冬真は苦笑いしながらそれを承諾した。




*********




9月中旬の土曜日、『山手234番館』前には開始の30分前だというのに女子学生達が集まっていた。


横浜山手洋館地域にある洋館の一つ『山手234番館』は、山手聖公会やエリスマン邸の斜め前にある。


関東大震災により横浜を離れた外国人に戻ってもらうための復興事業の一つとして、1927年頃外国人向けの共同住宅として建築された。


当時は4つの同一形式の住戸が、中央部分の玄関ポーチを挟んで向かい合い、上下に重なる構成をもっていた。


昭和50年代頃まで外国人や日本人などの住むアパートメントとして使用されていたが、1989年に横浜市が歴史的景観の保全を目的に取得、保全改修の後、1999年から一般公開し、二階は貸し出しスペース、一階は歴史パネルや改修前のほんのわずかだけ残った床板を使ってある居間などをみることが出来る。



冬真は『山手234番館』二階のレクチャールームと会議室を一日押さえてあり、セミナーは35名入れるレクチャールーム、そして占いは同じ二階にある小さな会議室で行うことになっていた。




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