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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第四章 恋と罠のインカローズ
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「確かに日本でパワーストーンというのは老若男女関係なく普通に浸透しています。


ですが今回の共通点はとあるインカローズのブレスレットで、恋が叶うという評判の元、学生達だけの情報網で購入したものなんです。


どうやら登録している学生にだけ不定期に情報を流してそのブレスレットを限定で売るらしく、それもその場に行かないと購入できないそうなのですが、買った学生達の多くが片思いが叶った、という噂が瞬く間に広がってかなりの生徒が購入しているようです。


中にはそれに便乗してまがい物を売っていたり、そこで買えなくても身につけたいとインカローズのブレスレット自体が学生達で流行ってしまい、どれがその問題のものか判別しにくい状態になっています」



目の前のローテーブルに置かれた白磁に小花柄のティーカップを持つと、口に運べば水分で冬真の唇が濡れ不思議な妖艶さを醸し出している。


今ここで話しているのは宝石を一般人に売る冬真では無く、魔術師としての冬真だと言うことを感じさせた。



「そこで女子生徒達から情報を聞き出すために、インカローズのセミナーと占いを同時にして学生達を集めたいと思っています。


その手伝いをお願いしたいのです」



「具体的には何をすればいいんでしょう」



以前イギリス館でスタッフのお手伝いをしたのでそういうことだろうかと朱音は思う。



「まずは申し訳ないのですが学校の前でビラ配りを。


僕たちが女子学校の前でやるのはさすがに厳しいものがありますので」



アレクがやれば誰も怖がって受け取らず、冬真が配れば途端に囲まれ配るどころでは無いだろうし、健人は締め切りが集中しているらしくとてもそんな余裕は無い。



「そして当日は、スタッフをしながら学生達とおしゃべりをして情報を聞き出して欲しいのです。


年齢の近い朱音さんなら彼女たちも警戒しませんし。


そして危険に感じそうなことは一切しないで下さい。


情報を得ても僕にすぐ伝えて、何があっても一人で勝手に動いたりしてはいけません」



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