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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第三章 君を守る檻とルビー
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「幸運の黒い犬?」



「お前もいつか見つけたときは目一杯抱きしめると幸せが来るぞ?」



わぁ!と楽しみだといわんばかりの笑顔で再度絵を見ている朱音を前に、健人に向けるアレクの目は、コロスと言わんばかりに殺気立っていた。



「ありがとうございます!大切します!」



絵を抱きしめ幸せそうに笑う朱音を見て、健人はそりゃー良かったと白い歯を見せてわらった。



「さて次は僕ですね」



そう言うと、手のひらに収まるくらいのリボンがかけられラッピングされた正方形の箱を差し出した。



「気に入っていただけると良いのですが」



開けるように促せば、朱音は緊張したように綺麗に包装を剥がし、箱をぱかりと開けると、飛び込んできたのはえも言われぬ赤。


小指の爪より小さいサイズの赤い石が金色の台に一粒留めてある、とてもシンプルなネックレスだった。


深みのある赤なのに暗さが無い。


上品な濃さというのだろうか、 引き込まれるような赤に、朱音は食い入るように見つめてしまう。



「朱音さんの誕生石なのでルビーを。


既にお持ちかもしれませんが、良い品ですので」



「いえ!宝石はあのラブラドライトだけしかもってません。


いつかルビーは欲しいなって思ってたんです」



「それは良かった」



「おい、あのルビー、ただのルビーじゃないだろ」



健人がテーブルに肘をついて手に顔をのせながら嫌そうな顔でにこにことしている冬真に突っ込んだ。



「ルビーはルビーです」



「お前のおかげで少しは宝石見てるし、こっちは色を扱うプロなんだ。


あのルビーはその辺のルビーの色と段違いだろうが」



「どういうことですか?」



あー嫌だ嫌だ、と手を振りながら健人が言うと、朱音が戸惑ったように冬真を見る。


確かに素敵な赤だなぁという印象は抱いていたが、ルビーに詳しいわけでも無い朱音には、これがいくらするのか、どういうものかなんてさっぱりわからない。




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