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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第三章 君を守る檻とルビー
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やっとアレクも座って一緒にケーキを堪能し、アレクが紅茶を準備し始めると健人が、



「さて、どちらが先に渡すか・・・・・・」



そう言いながら健人と冬真が向き合い、



「最初はぐー!じゃんけんぽん!」



と真剣な顔で突然じゃんけんを始め、朱音はぽかんと目の前の男二人の勝負を見ていた。


勝負はパーを出した健人が開いた手を悔しそうに掴んでうなり、チョキを出した冬真が不敵に笑っている。



「僕は後攻で」



「くそう、俺だって後攻が良かったが、まぁしゃーねぇ」



ごそごそと隣の椅子に置いていた大きな紙袋から出した物を、朱音に差し出した。



「誕生日おめでとう」



ありがとうございますと言って受け取れば、それはシンプルなシルバー色の額に入ったイラストだった。


この洋館を正面から描いてあって、洋館の前に小さく人が三人いる。


両腕を持ち上げ何かポーズをとっているTシャツ姿は健人、薔薇を一輪持っているスーツを着ている男は冬真だ。


その前で黒い大型犬と戯れている女性、それが自分なのだとわかった。



「誰が誰かわかったか?


ちなみにそれ水彩で描いた一点物な。


オークションに出すなよ?」



「こんな素敵なお宝、誰が出すって言うんですか!


でもその、凄く勝手なことなんですが出来ればアレクも入れて欲しかったなぁって」



「アレクは」



げし、と健人の隣で紅茶を差し出したアレクが健人の足を容赦なく踏みつけ、思わず、ぎゃ、という声を出してしまったので朱音が健人を見た。



「あーアレクは、な、描かれるの苦手なんだよ」



「そうですか・・・・・・。


でもこの真っ黒なわんこは?」



「それはな、この洋館に伝わる幸運の黒い犬だ」



再度げし、と健人の足をアレクに踏まれ、おおぅ、と小さい声を出して健人が痛さで前のめりになる。




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