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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第三章 君を守る檻とルビー
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「テーブルマナーは大切ではありますが、この方法じゃなければ駄目だ、なんて考えを持つ人を僕は賛成しませんね。


人を不快にしない、食べるものに失礼じゃなければフレンチも箸で問題ありません」



「ステーキ出てきたら箸は食いにくいんじゃね?」



「客が箸を使っていたのなら普通切って出しますよ。


そういう気遣いの出来ない店など、二度と行かなければ良いんです」



健人の突っ込みに、さも当然のように冬真が返すので朱音はぽかんとする。


冬真はいつも上品でイギリス紳士というイメージがあるので、朱音は冬真の前で食事をするときは気をつけるようにしていたが、まさかそんな風に柔軟に考えているとは思わなかった。


そしてなにげに厳しいところは冬真らしいが。


知らない面がまだ沢山あると、朱音は未だに箸は万能と褒める冬真を見ながら不思議と嬉しい気持ちになっていた。


食事が進んで、テーブルの上がほとんど片付けられたのを見て、これからケーキかと思うと何故か朱音が緊張している。


パッとダイニングが暗くなり、キッチンからカラフルなキャンドルが所々に灯り、真っ赤なイチゴがふんだんに乗った誕生日ケーキ定番とも思えるショートケーキをアレクが運んできた。


テーブルの上へ慎重にケーキの乗った皿が置かれると、



「さすがに歌は勘弁として」



その健人の言葉に合わせるように、冬真と健人が笑顔で誕生日おめでとうと朱音に言えば、朱音は三人を見てぎゅっと胸が一杯になって、今もの凄く自分は変な顔をしていそうで暗くて良かったと思った。



「朱音さん、火を吹き消して下さい」



冬真に声をかけられ朱音が慌てるように大きく息を吸い込んだ後キャンドルの火を吹き消せば、二人が拍手をしてアレクが部屋の電気をつける。



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