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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第三章 君を守る檻とルビー
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「アレクって凄いよね、何でも出来るし。


お嫁さんに来て欲しい」



しみじみ朱音がそういうと、前からぶはっ!という健人の笑い声と、冬真が横を向いて笑いをこらえていて、朱音の皿を片付けようとしたアレクの眉間に皺が寄った。



「ねぇ、私も手伝うからアレクも一緒に食べようよ」



「・・・・・・今日の主役が手伝っては本末転倒です」



そう言ってスタスタとキッチンに行ってしまった。



「アレクとしては朱音さんに喜んでもらうため色々頑張っていたんですよ。


せめてケーキを食べるときは一緒に食べましょう」



「これがアレクからのプレゼントなんだから、朱音はまず受け取ることに専念すりゃいーの」



寂しそうにした朱音に、冬真と健人がフォローする。


朱音は次に来たカラフルなムースが目の前に出されると、



「ありがとう、後で一緒に食べてね」



アレクはちらりと朱音を見て、はい、と答え冬真達の方へ料理を出していると、健人がニヤニヤと何か小声で言ってアレクに睨まれていた。



どの料理も見た目も素敵で美味しく、朱音はこんなに美味しいフレンチを食べるのは初めてでスマートフォンを持ってきて写真を撮れば良かったと心から後悔した。


目の前の朱音が驚いた顔をしてこちらを見ているのに気が付いた冬真が、朱音に声をかける。



「どうしました?」



「箸を使ってるので驚いて。


フレンチなんて絶対ナイフとフォークしか使わないと思ってました」



「僕はハーフですし、それなりに日本にも住んでいるので箸の素晴らしさを理解しています。


考えてみて下さい、沢山のフォークやナイフ、テーブルの場所も取れば洗い物も増える。


箸は万能ですよ、これで大抵のことは事足りる。


フレンチだから箸は駄目だなんてナンセンスです」



真顔で力説した冬真に朱音が驚いていたが、思わずぶふっ、と声が出て慌てるように口を覆う。



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