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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第一章 ラブラドライトの紡ぐ出逢い
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「星座占いで皆さんがご存じの星座は、太陽を基準にしているんです。


占星術はその人が生まれたとき太陽を含めた恒星と惑星がどの位置にあったかホロスコープを作ることでその人の本質、過去、未来までを読み解きます。


月星座というのは、太陽星座の裏を読み解く、いわばその人の中にあるものを探し出すのに必要なのです。


人間は本人が気がつかない内面に秘めたものがあります。


それを読み解くための一つが月星座です」



冬子の落ち着いた声がゆっくりと朱音の耳に届く。


ハスキーというほどでもないが女性にしては低めのその声は、何だかとても魅惑的だ。


目の前の女神のように美しい女性が、不思議な洋館の一室で自分に話しかけていることが、冬子の声を聞きながら朱音を異世界にいる気分に浸らせた。



「基本は優しく、思いやりがあり、困っている人を見過ごせない正義感のある性格ですね。


協調性もあるので人をつなぐことも上手いでしょう。


でも月星座が獅子座ということもあり、心の中では目立ちたい、活躍したいという野心も持ってます。


獅子座の熱い気持ちをうまく消化できないと、フラストレーションがたまるので要注意ですね。


あなたはもっと自分の心に正直に、思いのままに動いても良いと思いますよ」



その言葉を聞いて朱音は胸がぐっと締め付けられる。


彼女は知らない、私の状況を。


悪意の無い優しさが、とてつもない重しとなって自分にのしかかっていることも。


それを外に吐き出したことはほとんど無い。


吐き出したって、何の解決も生まないことを知っているからだ。


だけど。ここでなら、彼女になら少しくらい話しても良いのでは無いだろうか。


きっともう会うことも無い相手。


そう思っていたら言葉を出してしまっていた。




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