入学式は桜の季節
今日は『王立レインボー学園』の入学式。
『恋のどきどきイベント』なるものも終了し、いよいよ学園生活が始まる時期となった。
今は馬車に乗って、学園へと向かっているところだ。
王立レインボー学園は王都の中心部から少し外れたところにあり、一等地にある我がハイエロー辺境侯家の屋敷からは若干の距離がある。
距離があると言っても大したものではないのだが、それでも俺は10名の護衛付きでの馬車通学をせねばならないという立場だったりする。
正直、こんな厳重にはしてほしくない。
これでは学園帰りに寄り道して、買い食いとかもできぬ。
買い食いと言えば、実はこっちの世界に来てからお金というものを見たことが無い。
外に出る時は必ず護衛とお付きのメイドが一緒で、俺が何かを欲しいと言えば、ツケ払いにするか見えないところで清算するかしてすぐに持ってきてくれるのだ。
そんな訳だから、買い食いなどは夢のまた夢――こればっかりは困ったものである。
あー、屋台の肉串とか食いてー。
ため息をつきながら車内に目を向ける。
一緒に乗っているのは、取り巻き令嬢のアンとガーリだ。
王立レインボー学園は、伯爵以上の爵位を持つ家の子のみに馬車での通学が認められている。
貴族の爵位は王族から分かれた貴族である公爵を筆頭に以下、侯爵>伯爵>子爵>男爵となっていて、我がハイエロー家は辺境侯爵。
爵位にくっついている『辺境』というのは文字通り、未開発の領地を多く持つ者に付く称号だ。
『辺境』という称号は、別に田舎貴族だからとかいう意味の蔑称とかでは無い。
むしろ豊富な資源を持つ、大貴族を指し示す言葉なのである。
それに辺境というのは他国と国境を接しているので、外交もそれなりに出来なければいけないし、何より戦争の時には真っ先に戦わねばならないので、強力な軍事力も当然持っている。
ちなみに『辺境侯爵』などという貴族は、この『アッカールド王国』には我がハイエロー家しか存在しない。
他に辺境が付くのは『辺境伯爵』で、この国には2家ほど存在するが、いずれもアッカールド王家の信頼が厚い者たちばかりだ。
ちなみに爵位には他に騎士爵というのもあるのだが、これは貴族ではなく士族として分類される。
騎士爵は王家のみならず貴族も任命することができるので、騎士爵という爵位を持つ者はそこら中にゴロゴロ転がっているのだそうだ。
この馬車の護衛隊長をレベル上げから引き続き務めてくれている『クレシア』さんも、もちろん騎士爵だ。
どうやら彼女は、俺の専属の護衛隊長になったらしい。
なんかごめんね。
2人の子供をハイエロー家の領地に残して、俺の護衛のために単身赴任させちゃって。
――話が逸れた。
説明が長くなってしまったが、そんな訳で子爵令嬢のアンは本来は馬車通学ができないし、伯爵令嬢のガーリは自家の馬車で通学するべきなのであろうが、何でか2人とも我がハイエロー家の馬車に乗っての通学となっている。
これはもちろん俺が言い出したことでは無く、ノットール・ハイエロー父上さんが勝手に決めたことだ。
親心なのだろうが、1人で馬車通学するのは寂しかろうと余計な気を回した結果である。
もちろんこれは権力を使った特例だ。
おかげで相変わらず話の弾まない車内が、やはり少々微妙な空気となっている。
イヤ、だからさ――中身おっさんの俺には、この年頃の女の子との会話とか難易度高いんだってば。
レベル上げの時もそうだったけど、話題がかみ合わんのですよ。
あの時のレベル上げでエリスのレベルは21上がってちょうど30に、俺のレベルも1上がって64になっていた。
どうやら経験値はエリスだけでなく俺にも入ってくるらしい――まぁ、今更俺のレベルとか上がっても意味があるとは思えんのだけどさ。
う~む、やはり馬車内の会話が弾まぬ。
どうすればいいのかねこれ? 学園が始まれば、授業とかの話題でなんとか普通に会話できるようになるだろうか?
ちなみに、会話は弾んでいないのだがアンとガーリの俺を見る目は、以前よりも輝いている。
どうやらレベル上げの時の俺Tueeeが、2人にとっては尊敬に値するような出来事として映ったらしい。
そうそう、アンとガーリの2人は今日から放課後に、身体の鍛錬と勉強を一緒にすることにした。
これは俺自身が身体を鍛え勉強せねばと思っていたのと、この2人も明らかに運動不足なので健康のために一緒に運動させようと思った結果だ。
俺が憑り付いている間に、少々病弱なエリスの身体を鍛えておきたい。
それに『悪役令嬢』として学園で落ちこぼれる訳にはいかない。
これは俺がサボらないようにするための、策でもあるのだ!
マジで勉強は頑張らないとなー。
『状態異常:老化』が停止してるから、なんとかなると良いのだが……。
――おっ、馬車が停まった。
どうやら学園に到着したらしい。
馬車の扉を開けると、足元にはレッドカーペット。
イヤ、大袈裟だし――あと長いし!
10mくらいあるぞ、このカーペットの道……。
まぁ嫌とも言えないので、仕方なくレッドカーペットを歩く。
さすがに周囲の目が気になるのだけれども――つーか、おや? なんだ?
なんか生徒の皆さんの制服の色が、統一されているぞ?
俺たちと違うくね?
俺の制服の色は、パステルイエロー。
アンとガーリの制服の色は、それぞれパステルブルーとパステルグリーン。
そして目の前をゾロゾロと歩いている他の生徒たちの制服の色は、エンジ色。
これは……どういうこと?
もしかして何かの手違いかと、俺の左右に立っているアンとガーリを見やるが、2人とも当たり前のように堂々としている。
「どうかなさいまして、エリス様?」
急にキョロキョロと周りを見始めた俺を見て、アンが不思議そうに尋ねてきた。
「皆さまがアタクシたちとは違い、同じ色の制服を着ておられるので、つい気になって……」
理由、知ってる?
「そうですわね。 校則では制服の色は自由ですのに、どうして皆さま同じ色なのでしょう?」
「確かに。 不思議ですわね」
どうやらアンもガーリも知らないようだ。
つーか、制服の色って自由だったんだね。
イヤ、全然知らんかったさ。
制服の色に関しては考えても仕方なさそうなので、そろそろ学園の建物へと入ろう。
レンガ造りに見える校舎は真っ白に塗られており、華やかというよりは『頑丈』という印象を受ける。
これならいざという時には、避難所とかに使えそうだけど――。
ちょっと予想が外れたな。
乙女ゲームの世界の学園なんだから、もっときらびやかな校舎を想像してたんだがなー。
思ったより質実剛健だったよ。
護衛の騎士たちと別れて、校舎へ。
騎士たちは引き続き学園の警備をすることになっていて、校舎内へは入れない。
実はこの『王立レインボー学園』は、主に生徒たちの護衛の騎士たちによって警備されていたりする。
国の経費節減と、各貴族の護衛がいちいち送迎のためにゾロゾロと動かなくとも済むようにとのことらしい。
なかなか良い工夫だ。
駐車場は正門の右側に広がっているので、俺たちはちょっと歩いて校舎の中へと入る。
普通に土足で入る仕様なので、下駄箱とかは無い。
これはこれでつまんないよね。
下駄箱にラブレターとかのイベントは、無いってことだもんね。
あと下駄箱に果たし状とかのイベント――。
は、さすがに無いか――乙女ゲームの世界だし。
校舎の中に入ると、何やらキャアキャアと黄色い声がした。
何事かとそちらを見ると――。
「やぁ、おはようエリス!」
第1王子であるマルオースくんが、そこにはいた。
なにげにこいつはレベル上げイベントの後、俺のことを『エリス』と呼び捨てにするようになっている。
ちょっと前まで『エリス嬢』とか、よそよそしく呼んでたくせに……。
好感度が上がると、こうも分かりやすく違うもんなんですねー。
「ごきげんよう、マルオース様」
「マルオでいいと言ったろう? 親しい者はみな私のことをそう呼ぶのだから、エリスもそうしてくれ」
どうだろう、この急に近くなった距離感。
まぁいいさ、本人がそう呼んでほしいなら呼んでやろう。
つーか、それよりもさっきから気になることがある。
それはマルオくんの制服の色。
マルオくんの制服の色は、真っ赤だったのだ。
これは聞かねばなるまい。
「分かりました、それではマルオ様で」
「いや、できればマルオと――」
「ところで、マルオ様は制服の色を赤になされたのですね。 お似合いですわ」
マルオ呼びはさすがに距離感が近くなりすぎな気がするので、まだやらんぞ。
あんまし距離感を縮めすぎると、そのうちキスとかされそうだからな。
俺はおっさんだしショタ趣味も無いので、そういうイベントはできれば遠ざけたい。
「うむ、やはり赤は王家の色だからな、制服は赤にしたのだ。 そうか似合うか、良かった赤にして……」
なんかマルオくんの頬が赤い。
イヤ、ちょっと待て。
マルオくんてば、もう攻略済みたいな反応しているんだが……。
まだ入学したばかりで序盤なんすけど? 墜ちるの早くない?
「あー、ゴホン! おはよう、エリス嬢。 オレもいるって気づいてたか?」
「あらコレス殿、ごきげんよう。 もちろん、ちゃんと視界に入ってましたわよ」
そう、ちゃんとコレスも視界には入っていた。
こいつが着ている、真っ黒な制服の色も。
「コレス殿の制服は、黒ですのね」
「ゼクロード家の色は黒だからな」
ふーん、家によって色が決まっているのか……。
あれ? そうなるとハイエロー家の色ってば、パステルイエローなのか?
屋敷にパステルイエローの物とか、そんなに無かったと思ったのだが。
どっちかっつーと、金ぴかキラキラだらけだし。
つーか、制服の色が俺たちだけ違う理由が、なんとなく分かったぞ。
制服の色がエンジ色ではない生徒たちは、たぶんこの乙女ゲームの世界での主要キャラだ。
マルオくんは『赤』、コレスは『黒』、俺とかアンやガーリがパステルカラーなのは女性キャラだからなのかもしれない。
だとすると他の主要キャラを見分けるのは簡単だ。
制服の色が違う生徒を見つければ良いのだ。
まぁ、嫌でも目立つから見つける必要も無さそうだが。
もしかして、主人公もパステルカラーかな?
俺とアンとガーリがそれぞれ、パステルイエロー・パステルブルー・パステルグリーンときているから、パステルピンクかな?
ふと、コレスの真っ黒な制服に花びらが1枚くっついているのが見えた。
小さなパステルピンクの花びら。
どこでこんなもん付けてきたのだろう?
「失礼」
コレスの制服の右肩にあった花びらを、ちょいとつまんでしげしげと見る。
これは――。
「桜の花びら?」
「あぁ、さっき中庭にマルオを起こしに行った時のだな。 信じられるか? マルオの奴、さっきまで桜の木の下で寝てたんだぜ?」
「それは――ちょっと早く来過ぎたから、中庭で時間を潰していて――その、ついウトウトと……」
「危うく、桜の花びらに埋もれるところだったんだぞ?」
「嘘つけよ! ていうか、もうその話はやめろ!」
おっ! マルオくんの後頭部にも、桜の花びらを発見!
なんか、ぴったり張り付いてるし。
仕方ない、花びらを取ってやるとするか。
「――え?」
「はい、頭の後ろにくっついてましたわよ。 クスクス……本当に寝ていらしたのですね」
俺が頭に手を伸ばしたことに驚いてこっちを振り向き、本当に寝ていたのだと指摘するとまた顔を赤らめるマルオくん。
笑ってごめんよ、ついね。
それにしても、桜か――。
「綺麗なのでしょうね、桜。 後で観にいこうかしら……」
やはり日本人としては、桜の花は愛でたい。
桜の木の下で弁当でも食いながら、ちょいと一杯とかやりたいよねー。
だが12歳のしかも学生という身分では、弁当はともかく酒はさすがに飲めんだろう。
元気で『状態異常:老化』などと無関係な、肝機能に何の問題も無い身体なのに、酒が飲めないとはこれ如何に。
こどもはつらいよ。
などとおっさん臭いことを考えていたら、左腕をガシッと掴まれた。
掴んでいるのは、マルオくん。
「なら、観に行こうエリス! 入学式にはまだ時間があるし!」
と言って俺を引っぱり、どこかへ行こうとするマルオくんなのだが――。
いかんせんエリスの肉体ステータスの数値には、俺のステータスの数値がガッツリと加算されており、マルオくん程度の力では引っぱってもビクともしない。
なんかごめんね。
桜を観たいという女の子を強引に引っ張って連れていこうという、イケメンな行動を取ろうとしたのに……。
フォローしてあげよう。
俺も桜が観たいし。
「そうですわね、行きましょう! マルオ様!」
「あ、あぁ!」
俺が引っ張られてあげると、マルオくんがどこやら目掛けて走り出した。
アンとガーリ、コレスは置いてけぼりだ。
後ろのほうから『廊下は走るなー』とか聞こえてきたが、お構いなしに走る。
ほどなく中庭へと出た。
学園の校舎の中なのだから、時間的にはあっという間。
広々とした中庭には――。
大きな満開の桜の木が厳かに、だが盛大に咲き誇っていた。
「綺麗……」
ここまで堂々と咲き誇る桜を観るのは、いつ以来だろう?
イヤ、そんなことを考えるのも勿体無いな。
せっかくの桜だ、何もかも忘れて景色に包まれよう。
浮世を忘れて、いざ花見だ。
――ギュッ
ぽけーっと桜を観ていたら、マルオくんが手を握ってきた。
イヤ、そういうのいらないから、ぶっちゃけそういうの今は邪魔だから。
正直、握られた手を振りほどきたいのだけれど――。
マルオくんはエリスの思い人だからな。
体を乗っ取らせてもらっている身としては、ここは我慢してやるとするか。
さっきから俺の中のエリスの、どきどきが伝わってもきているしね。
だが手を握り返したりはしないぞ。
何度も言うが、俺にショタ趣味は無いのだ。
ピロリロリーン♪
《マルオースの好感度が上昇しました》
頭の中に効果音とアナウンスが響いた。
は? こんな特にイベントでもないところでも、好感度って上がるの?
つーか、一緒に桜を観るだけで好感度上がるって――。
マルオくんってば、チョロくね?
「マルオ様、そろそろ教室へいきましょうか?」
なんか好感度も上がったし、もうこの場を去ってもいいだろう。
桜はまた時間が空いた時にでも、ゆっくり観よう。
「あ、あぁ、そうだね。 急がないと先生が来てしまう」
へー、王子様という立場でも先生とか気にするんだ……。
立場的に先生とか屁とも思わないのかと思ったら、案外ちゃんと生徒をやるつもりらしい。
けっこうちゃんとしたヤツじゃん、マルオくん。
俺の好感度が上がったぞ。
教室へ向かおうと振り向いたら、中庭を一陣の風が吹き抜けた。
風は花びらを巻き上げ、視界一面が桜吹雪に包まれる。
風が止んだあとには、桜の花びらにまみれた2人。
「ぷっ、くくく」
「クスクスクス」
俺とマルオくん、どちらからともなく笑いがこぼれる。
ひとしきり笑いながら、俺たちは制服に付いた花びらを払い落とした。
「こんな花びらまみれになった生徒なんて、アタクシたちだけでしょうね」
「あぁ、そうだね――いや、そうでもないか?」
ほう、どうやら他にも桜の花びらまみれになった生徒がいるらしい。
つーかマルオくん、こういうのは『2人だけだった』ってことにしとけよ。
そのほうが『2人だけの思い出』みたいな感じになって、女の子ウケはいいと思うぞ。
――たぶん。
本の知識だけど。
「さっき私が寝ていた時に、1人だけ中庭に入ってきた女子生徒がいたんだ。 その時も風が吹いて花びらが舞っていたから、きっとあの子も花びらまみれになっていたはずだよ」
あ、話続いてたんだ。
「あら、どんな子でしたの?」
なんの気無しに適当に話を合わせただけだったのだが、マルオくんの次の言葉に俺は驚くこととなる。
なぜなら――。
「この桜の花びらみたいな、淡いピンク色の制服を着た女子生徒だったよ」
などとマルオくんが言いやがったからだ。
淡いピンク――つまり、パステルピンクの制服を着た女子生徒。
まさか、主人公か!?
可能性は高い。
俺とアンとガーリの制服がパステルカラーだったこともあるし、パステルピンクというのはいかにも主人公っぽい感じがする。
それに攻略対象キャラとしては筆頭であろうマルオくんと、入学式前に桜の樹の下で出会うという、いかにもなイベント。
ものすごーく、そいつが主人公な気がする。
同じクラスということで教室へと2人で向かうが、ぶっちゃけ一緒にいるマルオくんとかは無視して、パステルピンクの制服を探して俺の視線はあっちこっちへと動き回る。
――が、結局見つからずに教室へと到着。
まぁ、しゃーないか。
とりあえず諦めて、教室へ入ろう。
確か入学式には、1年生全員が講堂に集まるはずだ。
ヒロインもたぶん1年生。
ならば入学式が始まれば、嫌でもパステルピンクの制服を着たヒロインが目に入るはず!
とか考えながら教室に入った。
教壇のある教室の前側から入ったのだが、教師はまだ来ていないらしく見えない。
教師は見えなかったのだが、別のものは見えた。
一番前の真ん中の席の、パステルピンクの制服を着た女子生徒。
――同じクラスだったのか!?
俺はそこに見つけた女子生徒を、まじまじと見る。
パステルピンクの制服を着た女子生徒は、髪の色も制服同様パステルピンクのおかっぱ頭で――。
かなりのぽっちゃり体型の、ビン底メガネの冴えない地味子さんだった。
おや?
これが主人公?
それにしては、さすがに魅力が無くね?
普通『悪役令嬢もの』の主人公キャラってば、派手さは無いけれど清楚で可愛い系とかじゃないの?
もしくは庶民的だけど美人だったりとかさ。
なんかこの主人公、そんな気配が一切しないんだけど?
嫌われるようなタイプとは言わないが、男子に好かれるようなタイプとも言えない感じ。
数値で言えば、プラマイ『0』みたいな――。
そこまで考えて俺は、はっと気づいた。
魅力の数値が『0』から始まるゲームの存在に……。
ここは『乙女ゲーム』の世界だ。
だがレベルとかステータスとかの『RPGゲーム』の要素もある。
となると、他にも別なゲーム要素があるのでは?
つーか、この『乙女ゲーム』ってば――。
主人公を育てる『育成ゲーム』なんじゃね?
これって『悪役令嬢』である俺にとって――。
主人公をどうするのが正解なのよ!?
魅力値のある育成ゲームの主人公って、最初の見た目はブサイクかダサダサになるはずですよね?




