表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
〔GIGA〕  作者: 藤宮 創
18/20

ANOTHER――分岐――

 「そうですか……マグダネルが……」

 ――静かな声が響いた。

 冗談の様に広い室内。柔らかな絨毯の上――重厚なソファが二つ、斜向かいに鎮座している。

 その右側:座る人物――カーキ色のコートに身を包んだ男。大柄。

 深いバリトンの声を発する。

 「所詮……その程度の小物だった、という事ですよ……司祭殿」

 その言葉に――左側:派手な刺繍の施された長衣(ローブ)の男が、小さく舌打ちした。

 「せっかく、目を掛けてやったというのに……あの役立たずが」

 痩せぎすの身体が、苛立ちに震える。

 「今は意識不明らしいですが……まあ、どの道死んだも同然でしょう」

 コートの男:にやりと冷たい笑みを浮かべた。

 「それで――今後の事ですが」

 長衣(ローブ)の男――司祭:険しい顔で俯いている。

 その姿を楽しそうに眺めながら――コートの男は続けた。

 「もうあの刑務所の中には……我々の使えるカードは一つしか残っていません」

 「――“brute”……あの獣ですか」

 苦々しげに、司祭が吐き捨てる。

 両腕を飾る黄金の腕環リングが、しゃん、と微かな音を立てた。

 「……果たして、まともに我々の言う事を聞くかどうか……」

 「御心配には及びません」

 コートの男:おどけた調子で人差し指を立て――首を傾げた。

 この仕草は、どこかで――。

 「我らが“取引相手”が――きっと、良く計らってくれるでしょう」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ