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猫耳少女が歩く異世界  作者: 七氏
第2章 学園編 初等部
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057 学園祭一日目3

 午後からの本戦に向けて改めて服を着替えようとして手が止まる。

 またこの服装で行ってもしまたスカートが捲れたら…もう恥ずかしくて学園祭どころじゃない…。

 なんて考えたところで、武装登録されていない装備には変更出来ないからさっきの服を着るしかないんだよね…もうやだ。


 無駄な抵抗とも言う思考を放棄してさっさと控え室に向かおう。

 初戦くらいなら今の武装で対処出来るだろう。

 登録してる切り札は後半まで温存だ。

 傘とダガーも忘れてきたけどさっき届けられたし。


 控え室に向かう途中、誰かに呼ばれた気がしたけど振り返ったら誰も居なかった。気の所為かな。

 ドアをくぐり部屋に入ると既にボク以外の人は集まってたようで、いっせいに視線が集まる。


 ちょっと気まずくて部屋の隅っこに移動して装備をチェックする。

 傘は大丈夫。内側に仕込んだ魔術式も問題は無い。

 ダガーも特に破損は見られない。

 刃毀れとかもしてないし大丈夫そうだ。


 途中小声で他の人が話してる声が聞こえたけど気にしない。

 パンツがどうとかスカートがどうとか聞こえない。

 聞こえないったら聞こえない。


 ふと目線を上げるといつの間にかミアが目の前に立ってた。


「あ、ミア。ごめんね全然気づかなかったよ…。」


「気にしないで。

 それより予選は大変だったみたいね。」


「うん、勝ち負けは問題無かったけど…。」


 ミアが苦笑する。

 ちなみにミアは予選抜け、カンナとシンシアは相手が悪かったようで本戦には出ない。

 つまり負けた。


 大丈夫、仇はとるよ。

 隣に座ったミアが傘を興味深そうに見てるので渡してみる。

 一瞬、いいの?って顔したけど興味の方が勝ったようだ。


 かなり細かく見てるので、小声でちょっとだけ解説してたら朝も見かけた運営委員会の人が入ってきた。


「ではこれからシード選手以外の抽選を行います。

 シード選手は既に抽選を終えていますので、こちらの抽選が終わり次第本戦を開始します。」


 朝も見た箱を持ってるので、また呼ばれた順に引くようだ。

 先にミアが呼ばれて引いたけど、やっぱり全員引くまで何も書いてないらしい。


 次にボクが呼ばれて引いたけど、何も書いてない。

 最後の人まで引き終わったけどまだ文字は現れない。

 不思議に思ってたら委員会の人が


 「今回は直前まで組み合わせを発表しません。

 直前に現れるのでその時に確認してください。」


 らしい。

 どっちにしても知らな人ばっかりだから聞いてもわからないんだけどね。


 本戦は一試合ずつ行われるのでエリアの区切りはなくなっている。

 それぞれが対角の入口から入り、中央に居る審判役の先生の所まで近づいてから開始になるらしい。


 会場に到着すると一角に選手の待機場所が設けられていて、全員そこに誘導される。

 まだシード選手は一人も見かけてないけど、多分初日には試合がないから来ないんだろう。


 全員が座ったのを確認すると審判役の先生が会場に来ている観客に向かって話し始めた。


 「それでは只今より武術大会本戦を開始します!

 まずは第一試合、くじを確認して1の数字が現れた人は係に申し出て会場へどうぞ!」


 手元のくじを見ると1の数字が現れていた。

 どうやらボクはまた一試合目になったようだ。

 係の人にくじを見せて案内に従う。


 〜〜〜ミア視点〜〜〜


 くじを確認したリリィが立ち上がって案内されていく。

 どうやら一試合目になったようだ。

 一試合目なんて緊張して自分には無理そうだ、と思ったけどリリィは緊張した素振りもなくいつも通りのちょっと眠そうな顔だった。


 少し時間を置いて審判役先生がまたマイクで話し始める。


 「第一試合の準備が整いました。

 では選手の入場です!

 まずは新入生のリリィ選手です!」


 待機場所から見て左手にリリィの姿が見えた。

 なんとか見たことのある黒地に白のフリルがあしらわれたゴスロリ衣装と傘を持っている。

 さっき見せてもらったけど、裏側にびっしりと魔術式が書かれていた上にかなり軽くて丈夫そうだった。

 持ち手にはダガーが仕込まれてると言ってたけど、そんな風には思えないほど細身だ。


 「対するは騎士科の3年生、今年が最後の武術大会になるガンドルフ選手!」


 反対側の入口から入ってきたのはいかにも騎士、と言った重装備に身を包んでいるにも関わらず軽い足取りで歩いてくる男子生徒。


 兜から覗く髪は金髪で顔つきは精悍と言っていい程引き締まっていた。

 得物は長槍と腰に履いた両手剣のようだ。

 足取りは軽いと言ってもやはり重装備、防御力はかなり高そうだけどリリィは素早い上に様々な魔術を扱うので不利ではないだろう。


 なんて考察してたら2人が中央で向かい合う。

 遠目に見ても長身の騎士とリリィ、大人と子供位の身長差がある。


 「それでは第一試合を開始します。

 両者構えて!」


 合図を受けて騎士は槍を両手で構えて腰を落とす。

 対してリリィは傘を開いて肩に乗せている。

 これから散歩にでも行くようなその様に、遠目でも騎士の表情が歪んだのが見える。


 「始め!!」


 開始とともに5m程の距離を騎士が一気に詰め寄る。

 自分が相対していればとても回避できそうにない速度だ。

 当然身体強化の魔術くらいは使っているだろう。


 穂先がリリィに迫るけど、リリィは身構えることなくその場に立っている。

 槍が勢い良くリリィを貫こうと突き出される。


 危ない!っと思ったけど槍はリリィに刺さることなく空を切る。

 全く目を離していなかったのに槍が接触する瞬間まで動いていなかったリリィの姿が消えたように見えた。



 〜〜〜リリィ視点〜〜〜


 合図の瞬間に一直線に駆け寄ってきたけど、そんな直線の動きで当たると思われてるなんて心外だ。

 ボクは傘に仕込んだ魔術を起動して相手が攻めて来るのを待ち構えた。


 予想通り真っ直ぐに槍が突き出される。

 起動した魔術でボクは勢い良く真上に飛ぶ。

 それこそ動体視力が人並なら消えたと思うくらいの勢いで。


『風の抜け道』


 相手は当たると確信していたらしく完全にボクを見失ってた。

 相手の頭上を飛び越えて下向きに空を蹴る。

 飛び上がった時より幾分勢いは落ちるけど、それでも結構な勢いで着地する。


 着地の音に反応して振り返ろうとするけど手遅れだ。

 槍を突き出した時に体重を乗せていた左脚の膝を後ろから軽く蹴る。

 振り返ろうとしていたこともあって簡単にバランスを崩して膝をつく。


 結構身長が高いから膝をついたら頭が丁度目の前に来る。

 兜を装備してるからか、鎧のせいか、振り返る動きが緩慢で隙だらけだった。

 即頭部に掌を当てて魔術を起動する。


『風の弾丸エアバレット


 兜の外側からだからちょっと強めの威力で叩き込むと、まるで大きなハンマーで殴られたような勢いで吹っ飛んだ。


 立ち上がってくるかな?と思ったけどそれきり動かなかった。

 どうやら気絶したらし。

 開始から10秒足らずの決着に審判役の先生含め、観客も唖然としたように静かになる。


 先生の前まで行って目の前で手をひらひらさせながら


 「先生?気絶したらしんですけどまだやります?」


 って聞いたら我に帰ったようで、


 「勝者、リリィ選手!」


 と勝ち名乗りを上げてくれた。

 そこで観客も歓声を上げてくれたので満足して入ってきた入口に戻る。


 後ろでガンドルフさん?を担架に載せて運ぼうとしてるようで、重っ!とか言ってるのが聞こえたけど気にしない。


 この後は特に予定もないからミアの試合見てから二人と合流しようかな。

次回、ミアの試合と解説の先生視点を書こうと思います。


ブックマーク下さった方々、ありがとうございます。

感想、ご意見などあれば是非ともお願いしますm(*_ _)m

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