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猫耳少女が歩く異世界  作者: 七氏
第一章 猫耳少女
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005 出会い(保護とも言う) 2

\( 'ω')/ヒャッハアアアアアア間に合ったぜー!


本日2話目の更新!

保護されてから傷が癒えるまでの数日は、起きては用意された食事を食べてまた寝るだけの繰り返しだった。


その間も女性は色々と話しかけてくれたものの、猫の身ではまともに返事をすることも出来ず、静かに耳を傾けるだけだった。


その中でもいくつか分かった事がある。

この女性の名前が『エレナ』という事、森の中にあるこの家に1人で暮らしていること、この世界には魔法がある事、だ。


他にも耳慣れない固有名詞がいくつかあったが、重要そうなのはこれくらいだろう。


「そろそろ傷の方も良さそうね。

それにしてもあなた、綺麗な毛並みをしてるわね。」


目を細め、背中を撫でながら語りかけてくるエレナさん。

どうもひとりで生活を始めてから結構経つようだ。


時折早朝から家を空け、夕刻辺りまで帰ってこないことがある。

そういう時は毎回、小さな袋からどう考えても入り切らない量の紙袋に食料などを取り出していた。


(RPGで言うところのアイテムバックみたいなものかな?)


と、今日もその光景を眺めていると、エレナさんが微笑みながら


「あなたの好みがわからないから色々な買ってきちゃった」


と、いたずらっぽく笑っていた。


傷の痛みは完全になくなっていたので、ソファーから降りてエレナさんの足元に行くと、そっと抱き上げて腕に抱いてくれた。


前世の記憶の欠片では、ボクにも母親はいたものの、こんな風に優しく抱かれた記憶はなかった。


それはさて置き、助けてくれた感謝を伝えたいものの、今のボクではエレナさんに伝わる言葉を喋ることが出来ない。


何とか伝えられないかな、と思いエレナさんをじっと見ていると


「どうしたの?

お腹減った?」


うむ、頭で考えただけじゃ伝わらないのは分かっていたけど、そうじゃない、と思って首を振る。


「にゃ〜《違うよ》」


と言うって改めてエレナさんの顔を見ると、有り得ないものでも見たように目を見開いていた。


「え…?言ってること伝わったの…?」


「にゃっ《はい》」


ダメ元で頷いてみると、抱き抱えていた手が少し震えているのに気付き、後悔した。


考えてみれば猫が人の言葉を理解して返事する、なんて普通なら気持ち悪いと思うだろう。


そう思って恐る恐るエレナさんの顔を見ると。

きっと気味の悪いものを見るような目をしているだろう、と思っていたら呆気にとられた。


まるで子供が欲しがっていたおもちゃをプレゼントされた瞬間、と言うような表情をしていた。


その顔を見た瞬間視界が回る。

たかいたかいをするような体制で上に持ち上げられたままエレナさんがクルクル回っていた。


「すごい!人の言葉がわかるなんてあなたお利口さんなのね!」


「それじゃあ私の名前とかもわかるのかしら!」


「あ、名前と言えばあなたの名前も決めなくちゃ!」



大興奮である。

あの…目が回るのでそろそろ降ろして…。


グッタリしているとエレナさんが慌てて


「あぁ!ごめんね!」


やっと開放された。

でも、これで言葉が伝わっていることは分かってもらえたっぽいので、よしとしよう。


エレナさんの足元にちょこん、と座り頭を下げながら


「にゃにゃっにゃ〜《助けてくれてありがとうございます》」


うん。伝わるかは分からないけど言わないよりはいいだろう。

何かきちんと伝えれれば一番なんだけどな。


「ん?もしかしてお礼を言ってるのかな?」


あ、すごい。伝わった。


「にゃっ《はい》」


また頷くと頭をなでながら


「いいのよ。それにあなたの周りに風の加護があったから、私がしたのは傷の手当くらいなんだから。」


ん?風の加護?


「にゃ?《それなんですか》」


首をかしげてる。


「あら?あなたがやったんじゃないの?

うーん…もしかして無意識なのかな?」


何か考えながら呟き、撫で撫で。


と、撫でられているところに違和感を感じた。

見てみると撫でている手が少し光っている?

あぁ、もしかしてこれが魔法なのかな?


「にゃにゃっ?《魔法ですか》」


再び目を見開くエレナさん。


「あら?もしかして魔力が見えてる?

ねえ、どっちの手に魔力があるか分かる?」


左右の掌を並べて見せてくる。

右手がほんのり光っているたのでそちらにお手をする。


「驚いた…あなたただの猫じゃないのね」


あ、はい。元人間です…。

なんて伝わるわけもないのでとぼけて首を傾げる。


「いや、冷静に考えてみれば言葉が理解出来てる時点で普通の猫じゃないのは分かってたわよ?」


デスヨネー…。


「まぁ、いいわ。

でもいつまでもあなた、じゃかわいそうだし、名前考えないとね」


優しく微笑むエレナさん。

年齢はわからないけど可愛くて思わず見とれてしまった。


そんなエレナさんの口から


「あなた女の子みたいだし、かわいい名前にしないとね」



え?今なんと仰いましたか…?

女の子って聞こえたけど聞き間違いだよね…?

立ち上がったエレナさんがテーブルに紙とペンらしきものを持って向かって歩いていたのでそっと確認する。


あぁ…確かにない…。


猫になったと分かった時以上の衝撃の事実だった…。

次回、ついに名前が決まります!

5話目になっても主人公の名前が出てこないってどうなんでしょうね(^ω^;);););)


ブックマーク下さった方々、ありがとうございます。

感想、ご意見などあれば是非ともお願いしますm(*_ _)m

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