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猫耳少女が歩く異世界  作者: 七氏
第一章 猫耳少女
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004 出会い(保護とも言う)1

猫耳少女が転生した直後のお話。

カールさん達のターンはしばらくお休み。

『あの人』元気かなぁ、なんて考えてると、この世界で目覚めたばかりの時の事を思い出す。


**************************


真っ暗な森の中、月の光もほとんど届かないはずなのに不思議と視界は悪くなかった。


今思えば猫目だったからなんだけどね。


でも普通に考えたら人間だった自分が比喩でも何でもなく猫になってる、なんて思わないよね…。


暗い森を特に不自由なく歩き回っていたら、明らかに肉食獣が捕食目的で襲ってきた。


(え…ちょ…狼?にしてはデカイ…)


慌てて逃げようと前足を踏み出した……ん?…前足・・? 半ば思考停止しそうになったものの現在進行形で襲ってくる命の危機に逃げることを本能が優先した。


4本の足で追いかけてくる狼から必死で逃げる。

襲ってくる前肢を脇にあった木に飛びついて避ける。

そのまま爪を立てて木に登ろうとした瞬間横からの衝撃で弾き落とされる。


どうやら狼の前足で叩き落とされたらしい。

地面に落ちた瞬間衝撃で息が止まる。

何とか立ち上がろうとしたところでまた弾き飛ばされた。


2度目の激突で意識が朦朧とする。

このままだと狼の胃の中に一直線だ。

どうにか気合で立ち上がろうにも力が入らず倒れ込んでしまった。


(誰か…助けて…)


なんて思っても夜の森の中。人どころか他に獣の気配もない。


(あぁ、このまま食べられて死ぬのか。

せっかく生まれ変わったみたいだけど、結局なんの意味もなかったのかな…)


と、もう諦めかけていたら、獲物の抵抗がなくなったからか悠然と歩いてくる狼と自分の鼻先の間に一匹の蝶のようなものが飛んでいるのが見えた。


と、余裕を浮かべていた狼の表情に緊張が走ったように見えた。

さっきまで獲物にとどめを刺そうと進めていた足が止まっている。


気絶寸前の意識の中で、ひときわ強い風が吹いたような気がした。

次の瞬間にボクは意識を失ってしまった。


・・・

・・・・・

・・・・・・・


何だか鼻先がムズムズする…。

一瞬二度寝しそうになって、慌てて起き上がろうとした瞬間激痛でまたうずくまってしまう。


痛みを堪えて周りを見渡すと知らない家のソファーの上にいた。


「あら?目が覚めたかしら?」


と、声の方に目を向けると、髪は黒色、肌は褐色で年齢は多分20代後半くらい?の女性が顔を覗かせていた。


慌てて起き上がろうとしてまた痛みでうずくまってしまう。学習しようよ…ボク…。


その様子を見て慌てたその人が


「怪我してるんだから無理しちゃダメよ!?

なんて言っても言葉は分からないか…」


いや、全部聞こえてますよ?

怪我って…と考えた瞬間狼に襲われていたことを思い出した。


「にゃっ!?《狼は!?》」


「落ち着いて、ここにあなたを傷つけるような相手はいないわよ?」


と、いつの間にか側にいたその女性が優しく撫でてくる。


「癒しのライトヒール


小さな声で囁きながら撫でられていると、触れられた部分がふんわりと温かく感じた。


「あなた、狼に襲われていたのよ?

怪我もひどいし、治るまで安静にしててね?」


言いながら女性は静かに離れていく。

どうやらボクはこの人に助けられて命拾いしたらしい。


少し落ち着いたので改めて自分の体を観察してみると、どう見ても人間ではない。

全身を緑がかった銀色の毛並みが覆っている。


傷が痛まないように手を見てみる。


(肉球…)


どう見ても肉球だ。

お尻の方に首を向けてみる。

ゆらゆらと揺れる尻尾が見えた。


(うん、どう見ても猫の尻尾だ…)


どうやら生まれ変わったはいいものの、猫になってしまったらしい。


意外にも落ち着いてる自分自身に驚きながらも、危険がないと理解した瞬間気が抜けたのか、ボクは意識を手放していた。


思いの外早く書けたので投稿。

しばらく猫耳少女の過去のお話になります。

と言っても現在はただの猫。名前はまだない。状態←


早速ブックマーク下さった方々、ありがとうございます。

せっかく早くかけたので、予定通り日付が変わるあたりにもう1話気合で投稿できたらいいなぁ…(*´﹃`*)


感想、ご意見などあれば是非ともお願いしますm(*_ _)m

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