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猫耳少女が歩く異世界  作者: 七氏
第2章 学園編 初等部
36/67

036 記憶と課外授業準備 おまけ付き

 ・・・・・

 ・・・・・・・

 ・・・・・・・・・


 懐かしい日本の風景。

 通っていた学校に自分の家。

 会うことは出来ないだろう両親の顔。

 気づくと教室に居た。

 自分の席には花瓶に生けられた花が置かれている。


 不意に気づく。これは夢だな。

 ボクが前世で死ぬ直前の夢。

 歯抜けの記憶では死んだ理由は思い出せない。

 でも、この光景は死ぬ前に見た光景だ。

 机には罵詈雑言の落書き。


 どうしてこうなったんだっけ?

 ボクは何を間違えてしまったんだろう?

 振り返ると一年生の時のクラスメイトと話をしているボクが居た。


 最初は上手くやれていたと思った。

 当たり障りのない受け答え、対立しないよう、波風を立てないよう。

 ある日いつものように教室に入ろうとしたらクラスメイトがボクの悪口を言っているのを聞いてしまった。


 それからどんな風に話をすればいいのか、どんな風に笑えばいいのか分からなくなった。

 そこからは転がり落ちるようにクラスで孤立していった。


 クラスメイトからの視線は、理解出来ないものを見るような目だ。

 自分とは違うものを見る目。

 コミュニティで孤立してしまえばあっという間に独りになる。

 はみ出てしまえば戻ることは難しい。

 一度イジメの対象になると抜け出すのは容易ではない。


「やめてよ…ボクが何をしたの…?」


 そこで目が覚めた。

 いつもなら散歩に出ているような時間でいつまでも起きないボクをカンナが心配そうに顔を覗かせた。


「おはよう。」


「ねえ、魘されてたけど大丈夫?」


「うん。ちょっと嫌な夢見ちゃっただけ。」


「そっか。」


 ベッドから降りると、カンナが頭を撫でてくる。


「大丈夫。私達は友達だから。」


 何かを見透かしたようなカンナに言葉が詰まって出てこなかった。


 ボクは思い出してしまった。

 前世で孤独だったことを、人が怖かったことを、孤立してしまうことが恐ろしい事だと。


 カンナの手はとても暖かくて、安心した。

 近くにいることを確かめるようにボクはカンナにしがみついた。

 カンナは身長が高く、僕の隣に立つと頭のてっぺんでも肩より低い。

 何も言わず、優しく肩を抱いてくれた。


「大丈夫。リリィは独りじゃないよ。」


 言われて思わず涙がこぼれた。

 この世界に来てすぐにエレナさんに拾われたけど、ここに来てからはエレナさんほど心を許せる、安心出来る相手は居なかった。


 嫌われないように、独りにならないように必死だった。


 少し泣いて落ち着くと、急に恥ずかしくなった。

 見た目は確かに子供だけど、中身はもう大人のつもりだったし、中身的にはかなり年下の女の子の前でガチ泣きしてしまった…。


 恥ずかしくて慌てて離れ、顔を洗う。


「ごめんね、急に泣いたりして」


「リリィも泣くんだなって安心したよ。」


 と、少し笑われた。


「取り敢えず、朝食食べなきゃ。

 二人も待ってるだろうし」


「そだね。行こうか。」


 *************


 「さて、3日後に課外授業があるわけだが、基本的にやる事は野営の実地訓練みたいなもんだ。

 各班それぞれ自分たちで指定された範囲の中で一晩野営を行ってもらう。

 道具類は持ち込みも可能だが、無い場合は貸出もあるから遠慮なく言え。

 実施場所の情報は出現するモンスターや魔獣については答えるが細かい場所の特定につながる内容は答えない。

 ここまではいいか?」


 特に質問などは出ないので説明が続く。


 「食料類の持ち込みは保存食のみ。

 調理器具は野営設備として持ち込みも許そう。

 武器、魔術については大規模ではない限り制限は無い。

 以上だ。

 質問が無ければ各班配布した資料に目を通して必要なものなどを相談しろ。」


 うーん、モンスターや魔獣については冒険者経験のあるボクとシンシアで問題無いし、必要なものも二人で揃うからそれも話す必要は無い。

 結局これと言って相談することもなく雑談になった。


 「それでさ、野営の時の組み合わせとかどうする?

 基本的に私とリリィは分かれるとして、シンシアとミア次第になるけど。」


 「その時に話し合えばいいんじゃない?

 ボクも実際に皆と行ってみないと安全の確保に必要なも労力も変わるし。」


 「それもそっか。」


 こんな感じ。

 それにしてもカンナはいつも思い切りが良くて話が早い。

 ミアはみんなの意見を聞いて一番良さそうな手段を考えるタイプだし、ボクは完全に大雑把だ。

 シンシアはカンナに同調しやすいけど、やっぱり自分なりに考えて話をしてる時が多い。


 やっぱりこの4人はバランスが取れてると思う。

 まぁ一番のトラブルメーカーはボクなんだけとね。


 課外授業の話が終わればお昼から実技の授業だ。

 今日は久しぶりにリットと組むことになる。

 宿題ちゃんと考えたかな?


 「リット、今日もよろしく。」


 「あぁ、こっちこそよろしくな。」


 「それで、宿題の答えはわかった?」


 「多分な。これでいいんじゃないかってのは考えた。

 つまりさ、出る場所を狭くすれば範囲は狭くなるけど威力は上がるんじゃないかと思う。」


 「うん。正解。

 水を撒く時と同じだね。

 流れる量が一定で出口を狭くすれば遠くまで飛ぶのと同じ。」


 「だよな。でもこの考え方って他の魔術でも応用できるよな?」


 「そうだね。それを考えつくのが難しいんだけとね。」


 「たしかに。ヒント貰わなきゃ絶対考えつかなかった自信がある」


 その自信はどうなんだろう?

 本人は笑ってるしいいのかな?


 「それじゃあ成果を見せてもらってもいい?」


 「おう、任せとけ。」


 ~〜~噂好きの生徒~~~


 「ねえねえ、最近学園内を綺麗な猫が歩いてるって噂知ってる?」


 「噂っていうか普通に見かけるよね。」


 「そうなんだけどさ、その猫に触ると幸運が訪れる、とか触った後に告白すると上手くいくって話なんだよね~」


 「でも実際にあの猫触った人なんて居るの?

 めちゃくちゃ警戒心強いみたいだよ?」


 「そうなの?まぁ噂だしそんなもんなんじゃない?」


 「でもあの猫誰が飼ってるのかな?」


 「見かけるようになったのが入学試験以降らしいし、今年の新入生の誰かじゃない?」


 「あ、今年の新入生と言えば、カワイイ子が入ったらしいよ?」


 「それ知ってる!猫耳の子でしょ?」


 「そうそう!獣人なのに魔術が凄いらしいよ?」


 「へぇ~、私が聞いたのはAクラスの金髪の子だって話よ?」


 「あ~、なんか図書室によく居るらしいね?その猫の子も一緒らしいし、今度見に行ってみる?」


 「初等部でしょ?そんなに可愛いの?」


 「かなり。特に猫の子は小さくてそのまま部屋で飼いたいくらい!」


 「あんた、その発言かなりやばいわよ?」


 「あ、やっぱり?

 でも可愛い生き物は見てて和むよねー。」


 「わかるわかる!」


 この後話は全然関係ない方向へ流れる。

次回は課外授業開始。

これからもちょくちょくおまけ付き投稿していきます。


ブックマーク下さった方々、ありがとうございます。

感想、ご意見などあれば是非ともお願いしますm(*_ _)m

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