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猫耳少女が歩く異世界  作者: 七氏
第一章 猫耳少女
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023 ボクと入学試験5

 翌朝、少し早めに目が覚めたのでミアと買い物に出かけるための服装を選ぶ。

 エレナさんに最初に買ってもらった服はどれもいつの間にか魔術式を編み込まれているので、安全面で言えばその中で選ぶのが一番いいだろう。


 中でも黒のゴスロリは一番魔術式の量が多いらしく、肉体強化はもちろん、不意打ちに対する防御術式に防御力も並の金属より下手したら高いくらいだ。


 ボク自身、力が強くないので必要以上に防具を身につける必要が無いのは助かる。

 おそらく一番よく着ているだろう。

 好みは別として。


 しかもこのゴスロリにはセットで仕込み杖になった日傘まで作られている。

 少し長めの持ち手に、二本のダガーが仕込まれている。

 あとは袖の中に隠して装備出来るダガーが二本あるので、これで万が一変な輩に絡まれても問題ないだろう。


 一通り準備を終えるとまだ時間に余裕があるので、一度ギルドに顔を出して移動通知をお願いするのもいいだろう。

 当面はここが拠点になるから、手紙なんかを受け取るのも楽になる。


 移動通知とは、拠点を1箇所に設定している冒険者が拠点を移動した際、他のギルドへ移動先を伝えてくれるサービスだ。

 拠点を設定することで、一定期間生存が確認出来ない時に搜索依頼が出されればスムーズに情報共有出来るように作られたシステムらしい。

 特に女性冒険者はこのサービスをよく利用するとのこと。


 宿からギルドまでは半刻(30分)くらいで着くので、往復でも移動に一刻(1時間)あれば事足りる。

 今の時間が大体10刻(10時)くらいなので、適当に依頼の傾向なんか確認したりすればちょうどいい時間だろう。


 なんて言ってる間にギルドに到着する。

 どこのギルドも入口に盾の前に杖と剣が交差したレリーフを飾っているので間違えることはない。


 早朝なら割のいい仕事を求める冒険者で混雑するけど、このくらいの時間になると結構すいてる。

 とは言え、この街を拠点にしている冒険者や、依頼を受けていない人、待ち合わせなんかでそこそこ人は居るんだよね。


 ボクの方はその人達に用事はないので真っ直ぐカウンターに向かい、受付さんに移動通知の手続きをお願いする。


 「拠点移動の通知をお願いします。」


 「え?あ、はい。

 えっと、ギルドカードをお願いします?」


 なんか挙動不審な受付さんだ。

 言われた通りカードを提示する。


 「…六級…。

 あ、では手続きしますので少しお待ちください。」


 待つ間、受付近くの椅子に座ってようかと思ったら


 「こんなガキが冒険者とはな!

 いつの間に冒険者はガキのお遊びになったんだ!?」


 「おいおい、あんまりいじめてやんなよww

 いいとこのお嬢様がお遊びで登録でもしたんだろ?」


 「冒険者は命懸けの仕事なんだよ!

 お遊びなら他所でやんな!」


 なんと、ここに来てまさかのテンプレイベントが発生です。

 遊びのつもりもないし、命と生活が懸かってるのはこっちも同じだ。

 言い返して揉め事になるのも嫌だけど、言われっぱなしも腹が立つ。


 「おじさん、子供に絡んでる暇があるならその命懸けのお仕事とやらに精を出すべきじゃない?」


 間違ったこと言ってないよね?


 「な!?ガキが生意気言いやがって!」


 「おいおい、ガキに舐められてんぞ?ww」


 顔を真っ赤にして怒るおじさんと煽るその他大勢。


 「ボクが冒険者でおじさんに何の迷惑があるの?

 ボクが弱ければ勝手に野垂れ死にするだけだよね。」


 「お遊びで依頼失敗されりゃ冒険者全体の評価が下がるんだよ!」


 そこは同意するよ。

 でも達成出来ない依頼を受けるつもりは無い。


 「そうならない為の等級制でしょ。

 そんなの子供でも知ってることだよ?」


 「このガキ…痛い目に遭わなきゃその減らず口は治らねぇみてえだな!」


 「おじさんこそたかが子供にムキになりすぎ。

 暇つぶし程度で絡まれたらこっちも迷惑だよ。」


 「嬢ちゃん、今謝りゃ許してやる。でなきゃどうなっても知らねえぞ?」


 「謝る理由がない。

 勝手に絡んできて勝手に怒ってるのはおじさんでしょ。」


 「上等だ。表に出な!」


 「口で勝てないから暴力?

 それで負けたら目も当てられないね。」


 こういう輩は一度火がつくとそれこそ痛い目にあうまで収まらない。

 ならお望み通り痛い目に遭わせてあげるしかないよね?


 表に出ると野次馬で他の冒険者もついてくる。


 ギルドの裏には訓練用の施設がある。

 初心者向けの講習や、パーティーを組む時の実力を測ったりするのに使われるらしい。


 「で、表に出てどうするの?

 まさかルールも無しに殴り合いなんて野蛮なことはしないよね?

 そもそもギルド内での冒険者同士の喧嘩はご法度だし。」


 「これは喧嘩じゃねえよ!

 だが嬢ちゃんの言う通りでもあるな。

 決闘でどうだ?等級は4級だ」


 揉め事を解決する際、一般的な解決方法で話し合いが無理な場合に用いられる手段が決闘だ。

 等級は五段階に分かれてて、

 1級はどちらかが死ぬまで、賭けるものはその人の全て。

 地位や名誉、金銭、所有物など、その人の持ち得るすべてを賭ける。

 2級は立会人が止めるまで、もしくはどちらかが戦闘を継続出来ない程無力化された場合。

 賭けるものは金銭や物品が一般的で、あとは主張の取り下げなんかもある。

 3級以下は殺害禁止。殺してしまえばその時点で負け。

 賭けるものはこれも金銭や物品。相手を殺してしまったら立会人に賭けたものを支払う。

 4級は殺害禁止に、賭ける金銭に上限がある。

 さらに、時間制限付き、時間内に決まらなければ立会人が勝敗を決める。殺してしまった場合の処理は3級と同じだ。

 5級は刃引きした武器以外と魔術は使用禁止。

 賭けるものは主張のみ。金銭や物品を賭けたことがバレれば犯罪扱い。


 今回は4級なので、武器と魔法の使用は可能。

 制限時間内に決まらなければ立会人は向こう寄りの人なので時間内に決めなきゃいけない。


 「いいよ。で、賭けるものは?」


 「そうさな、金貨5枚だ。ガキには大金だろ?」


 5枚くらいなら普通に稼げるんだけどな…でも貯金が増えるのは有難い。


 「じゃあボクも金貨5枚で。

 ついでに生意気言ったお詫びもつけてあげるよ。」


 「このガキが…そのことは忘れんなよ!」


 負ける気は無いから問題ない。


 「おじさんこそね。」


 お互い向かい合う。

 4級を指定したってことは、この人、多少は魔術を使えるんだろう。

 でも、それは失敗だよ?


 「いつでもいいよ。」


 立会人が開始の合図のコインを上に投げる。


 チャリン


 コインが落ちた瞬間、術式を起動し身体能力を上げる。

 短縮詠唱で魔術を起動し、距離を詰める


『風の抜け道』


 相手の剣の射程に入る瞬間、左に体をスライドさせ、魔術で作った足場を踏む。

 相手が反応してこちらに体を向けた時にはボクは相手の頭上を飛んでいる。

 そこで更に短縮詠唱の術式を起動する。


『風断ち』


 一本の風の刃が相手の構えていた剣を鍔口から叩き折る。


 突然剣が折れて固まった相手の背後に着地し、首筋にタガーを当てる。


 「まだやる?」


 何が起こったのか理解出来ない、と言ったおじさんに聞くと持っていた剣の柄を捨てて両手を上げる。


 「じゃあ、ボクの勝ちで。」


 袖の鞘にダガーをしまう。


 「金貨5枚、忘れないでね?」


 言い捨ててからボクはギルドの扉をくぐる。


 「あ、移動通知の手続き終わりましたよ!」


 受付さんがカウンターに戻っていた。


 「ありがとうございます。」


 ギルドカードを受け取り料金を支払う。

 予定より時間がかかっちゃったので急いで帰らないとミアとの待ち合わせに間に合わない。


 ボクはギルドを出てすぐに宿に向かって走り出した。

試験開始どころか買い物にも行けないこの有様模様…(´;ω;`)ウッ…


今日中に試験開始まで気合で書きます(๑•̀ㅂ•́)و✧


ブックマーク下さった方々、ありがとうございます。

感想、ご意見などあれば是非ともお願いしますm(*_ _)m

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