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猫耳少女が歩く異世界  作者: 七氏
第一章 猫耳少女
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018 ボクと初めての町2

 宿の部屋は二人部屋だった。

 最近はエレナさんと一つのベッドで寝ていたから、狭くなって申し訳ないと思っていた分気持ちが楽だった。

 部屋にはベッドの他に、クローゼットとテーブル、椅子が2脚置いてある。

 部屋で食事したりする人の為に置いているのだろう。


 手早く荷物を降ろして一階の食堂みたいな場所に移動する。

 既に席の半分位が埋まっていて、殆どが冒険者風の人で、男女比7:3くらいだった。


 空いている席に座りメニューを選んでいると、ウェイトレスさんが注文を聞きに来る。

 ボクはどんな料理があるのかも分からなかったので、エレナさんと同じものを頼もうとすると


「折角なんだから、別のものにしましょうよ。

 このウルフシチューはなかなか美味しいわよ?」


「それじゃあ、ウルフシチューとパンをお願いします。」


 せっかくのおすすめなのでそのまま注文する。

 この世界の食べ物は前の世界の食べ物に結構似てたりする。

 パンも小説で読んだような硬い黒パンもあれば、白いパンもあるし、牛乳や卵なんかもこの町では普通に売っていた。


 しばらくすると頼んだ料理がテーブルに運ばれてくる。

 シチューは白いホワイトシチューっぽい。

 お昼が軽くしか食べていなかったので結構お腹がすいていたみたいだ。

 匂いを嗅いだ瞬間お腹が鳴る。


 慌てず少し冷ましてから食べると、狼のお肉は牛とかに比べて少し筋っぽいけど美味しかった。


 エレナさんは野菜多めのスープとパンを食べている。

 家での食事でもエレナさんはあまりお肉を食べない。

 野菜多めの食事がメインだった。

 あんまりお肉好きじゃないのかな?


 「どう?美味しい?」


 「美味しいれふ」


 ちょっと噛んで恥ずかしい…。


 食べ終わる少し前くらいにエレナさんは追加で何か頼んでいた。

 どうもお酒っぽい。


 「そう言えば、ギルドの登録って子供でも出来るものなんですか?」


 そう、見た目明らかに子供なのに、登録出来たのが不思議で仕方なかったのだ。


 「登録だけならね。

 依頼を受けるのは基本的に10歳からね。

 内容も町の中で出来るものが殆どで、外に出れるのは最低でも8級からで、上位者の引率があれば給は関係なくなるわね。」


 「エレナさんって何級なんですか?」


 「私は4級よ」


 思ったより高かった。

 家での話でも色々依頼を受けてるのは聞いてたけど、若い女性で4級はかなり高い方なんだと思う。


 「ごちそうさま。

 今日は結構歩いたから疲れてるでしょ?

 部屋に帰って休みましょう。」


 「そうですね。

 ちょっと疲れました。」


 怪我が治ってから初めての外出が結構な遠出で、実はかなり疲れてたので素直に従う。


 部屋に戻ると


 「ねぇ、リリィ。

 貴女これからどうしたい?」


 「どうしたい、と言うと?」


 「そうね、ちょっと漠然としすぎてたわね。

 冒険者として生活したり、貴女魔術の才能は凄くあるから魔術を勉強したい、とか。」


 「確かに魔術はもっと勉強したいですけど、お世話になったお返しもしたいです。」


 「それじゃあ、一つ提案なんだけど」


 ちょっと言いにくそうにするエレナさん。

 その様子を不思議に思うものの黙って続きの言葉を待つ。


 「貴女、学園に通わない?

 そこでこの先の身の振り方を決めるのもいいと思うのよ。」


 異世界転生定番の学園イベントだったようです。


 「当然お金も必要だから、これから1年私が付き添って色々依頼を受けて、学園に通うためのお金を貯めるの。

 その後、1年くらい自力で冒険者として生活してみてほしいの。

 無理だと思ったらいつでも帰ってきていいから。」


 予想以上にハードでした。

 でも反面、当然と言えば当然だな、とも思う。

 いつまでも面倒を見てもらうわけにもいかないし、自分のことは自分で出来ないと冒険者になんてなれない。

 お礼を返すどころじゃないよね。


 「ちょっと…いえ、かなり不安ですけどやってみます。」


 「何度でも言うけど、無理だと思ったら帰ってきていいのよ。」


 「はい。早く一人前になれるように頑張ります!」


 こうしてボクの冒険者としての生活が始まった。

回想は一旦終わりです。

次回から2話目の続き、学園編に入ります。


ブックマーク下さった方々、ありがとうございます。

感想、ご意見などあれば是非ともお願いしますm(*_ _)m

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