夏の暑さと海水浴 作:アニオ
アニオ
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そもそもの始まりは、昔からの友人の誘いだった。
「なぁ…海行かねぇか…?」
「はぁ?海?面倒くせぇよ態々海行って涼まなくても、クーラー効いた部屋でチョコミント食ってた方が幸せだよ」
「チョコミントなんて好きなのかよ歯磨き粉食ってろよ」
「あぁ??チョコミントはチョコ食った後にする歯磨きみたいな味だし??一緒にすんなよ」
「どっちにしろ歯磨き粉じゃねぇか…………っとそうじゃない!海だよ海!!!!」
「はぁ…また何で海なんだよお前も俺と同じインドア派じゃねぇか」
「夏と言えばビーチ!!!そんでもって水着美女にきまってるじゃねかよ!!!」
「そうだなじゃあ俺は、家でpi○ivでも漁っとくわ」
「一人でビーチとか難易度たかすぎんだよぉぉお願いだからついてきてくれよ!!!!!!」
そんなわけでやってきた海水浴場。
照りつける日差し、波打ち際で戯れる美男美女、、、
「だめだもう帰りたい」
考えてもみてほしい、海水浴場すなわち『リア充の巣窟』そんな場所にインドア派オタクの、二人の肌は真っ白、、、色々と残念極まりない感じに、仕上がっている。
「確かに俺も厳しいぞこれは………」
この地獄に誘った張本人が何を言うか
「俺は人気のないところで涼んでくるからお前は頑張れ……」
ここは俺には無理だ。難易度が高すぎる……
安息の地を求め、岩陰へと向かう。
「ゆうくんだめだよこんなところで……」
「でもほらもうこんなんじゃん(笑)」
「もうっしかたないなぁ今回だけだよ?」
リア獣死すべし、、、
もっと、もっと奥地へといかねば………
ふぅ、、、ここら辺でいいだろう、、、誰もいないしな!
俺は、水面よりもなかなかの高さのある崖のようなところに来ていた。
でもさ、やっぱり崖のそばに来るなら、岩に足かけて、、、こう、、、かっこいい感じのポーズを決めなければな!!!
ふふふ惚れてもいいのよ??
ヌルッ
「うおっ!?」
ジャボン!!!
すっ、滑ったやべぇ
いてぇ……なかなかの高さだなこれは上がれないかもしれない………
仕方ない、少し向こうまで泳いでいくか
それにしてもいてぇな……さっき転んだので岩場で足切っちまった……
はぁ……ついてねぇ……
まぁいくか……
結構離れたからなぁ大変だわこれは
血が出てるしサメでも出てきたりしてな(笑)
そんなくだらないことを考えながら泳いでいく
暫く泳いでいると向こうの方から黒い影のようなものが近づいてくるような気がした。
「え?嘘だよな?サメなわけないよな?」
黒い影はどんどん近づいてくる
「嘘だろ!?とりあえず逃げるぞ!!!」
全力のクロールとにかく早く岸に上がらねば!
振り返ると背びれのようなもの見えた気がした。
「うおぉぉぉぉぉぉおお!!!!」
全力で逃げる
全力だ
追いつかれるっ
「うわぁぁぁあああ!!!!!」
気休め程度に頭を手で守った
しかしいくら時間がたってもその時は訪れない。
疑問に思い薄目で状況を確認する
そこにいたのは、全力でたち泳ぎする友人の姿であった
「どっきり大成功!!!!」
「はっ???」
「ねぇ?サメかとおもった??サメかとおもっちゃった???」
ニヤニヤしながらこちらを見る友人
すべての状況を悟った俺は、友人の双玉に静かに蹴りを入れた。
そもそもはじめからこれが目的で俺を海に誘ったらしい友人。うっとうしいことこの上ない
「俺は大変な迷惑を被った、アイスでもおごるべきだろう?」
「ゴリゴリ君の梨でいいよな?」
「はぁ?ハイパーカップのチョコミントに決まってんだろうが?マジでそれ以外、ありえねぇ」
「仕方ねぇなそこの薬局で売ってるだろうから、買ってきてやるよ」
はぁ……ここまで来る交通費だけでも、ラノベ二、三冊は買えるじゃねぇか…無駄なことしたなぁ……
「おーい買ってきたぞー!」
あいつがゴリゴリ君の梨味をかじりながらこちらへと向かってくる。
まぁ、チョコミントに免じて許してやるか……
「ほらよ」
不躾に押し当てられた袋の中からチョコミントを取り出して……
チョコ……ミント………??
「おい…」
「おう、どうしたよ?」
「何だよこれ…」
「チョコミントだが?」
これが…これがチョコミントだと??巫山戯るんじゃないこれは……
「なんで!!!氷と歯ブラシとチョコと歯磨き粉が入ってんだよ!!!」




