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こころあつめる(仮)~烏と不思議な少女の伝奇時代冒険譚~  作者: 葉月 心之助
第七話「こころたける」
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第四章『終わりの時』

 今回で尾張編終了です。


 そして、後半からグダクダやでぇ、それでも見てくだせぇ。

 それでは、哀れな人斬りの最後を見届けてやってくだせぇ。

 それでは、はじまり~はじまり~。




 早朝、昨日と同じように吹雪は止み、朝陽に照らされ白銀のように輝く......そんな雪原はなくなっていた。


 昨日の暁との試合で、洞窟周辺の雪は全て消し飛んだからである。


「......たくっ、最初っから素直に俺と試合してくれれば、五日間もこんなところに居なかったのにさぁ」


「......いいから始めるぞ」


 再び二人は対峙していた。そんな二人を、うずめと狼のホロケウと昨日暁を襲撃し、現在凍結中の『影隠 牛鬼』が見守っていた。


 牛鬼は一晩明けた今も変わらず凍ったままではあったが、眼球だけは動いているため、まだ息があるのだろうが、一体どういう生命力をしているのだろうか?


 そんな事をうずめが考えていると、烏乃助と暁は互いに構えたのである。


 烏乃助は、両手で持った刀を肩に担いで、柄頭を暁に向ける構えを取った。


 それに対する暁は、左手に持った納刀状態の刀を腰に据え、刀が体に隠れるような居合の構えを取った。


 昨日みたいに半日も掛からない、勝負は一瞬。


 緊迫した状況、二人とも微動だにしない、まるで二人だけ時が止まったように思えた。


 が、先に動いたのは烏乃助であった。


 烏乃助は全力で駆け出し、暁は烏乃助をその場で待ち構える。


 暁までの間合いは六歩。しかし、烏乃助が残り四歩のところまで来ると、暁はその場で抜刀した。


 まだ間合いが離れているのにも関わらずである。そして、暁の抜刀から遅れて何かが飛んで来たのである。


「え!?」


 うずめは思わず声を上げた。何と、暁は斬撃を飛ばしたのである。しかも一つどころか、信じられない数の斬撃、もしかしたら百どころか、千に達しているのではと、思うほどの斬撃の壁。

 うずめには原理が判らないが、これこそが暁の奥の手、氷の神通力『勇氷』の奥義『勇氷絶悔(ゆうひょうぜっかい)』と暁の音速の剣が合わさった絶対奥義。その名は━━


「『英雄神剣(アイヌラックル)』!!」


 押し寄せる斬撃の壁に対して、烏乃助は何の迷いもなく突っ込んだ。


「あああああッッ!!」


 そして、当たる直前で、烏乃助は刀の切っ先を地面に突き立て、そのまま柄頭を踏み台にして、斬撃が及ばない、遥か上空まで回避する。


「なん......だと......!?」


 烏乃助のデタラメな回避を見て暁は上空に居る烏乃助に目をやる。


 そして、烏乃助は手に握った鞘の緒を引っ張り、地上にある刀を手元まで引き寄せてから、上段に構えて暁の頭上へと落下しながら正面打ちを放った。


「ぬぐぅ!?」


 呆気に取られてしまった暁は、烏乃助の正面打ちで大きく怯んでしまい、その隙を逃さず着地と同時に烏乃助は昨日編み出したばかりの新技を発動した。


 烏乃助の剣技には八つの奥義が存在する。


・第一羽の奥義『雨燕(あまつばめ)

・第二羽の奥義『斑鳩(いかるが)

・第三羽の奥義『葭雀(よしすずめ)

・第四羽の奥義『昼隠居(ひるかくろふ)

・第五羽の奥義『大鷲(おおわし)

・第六羽の奥義『雉子(きぎす)

・第七羽の奥義『禁鳥(とどめどり)

・第八羽の奥義『夜烏(よがらす)


 どれもこれも連続性、もとい協調性に疎い曲者揃いの奥義ではあったが、烏乃助は自分なりの組み合わせで、連続性に疎い部分を補える最適な組み合わせを見出だし、全く隙がなく八つの奥義をほぼ同時に叩き込める奥義。その名も━━


「第最終羽の奥義『黒刀赤烏(こくとせきう)』ッッ!!」


・第四羽の奥義『昼隠居』

・第一羽の奥義『雨燕』

・第七羽の奥義『禁鳥』

・第五羽の奥義『大鷲』

・第六羽の奥義『雉子』

・第三羽の奥義『葭雀』

・第二羽の奥義『斑鳩』

・第八羽の奥義『夜烏』


 この順序であれば、烏合の衆であった奥義達も互いに互いを補う事が出来るのである。


 八つの奥義全てを受けた暁はその場で背中から倒れた。

 空を見上げながら暁は、ようやく何かから解放されたような笑みを浮かべながら口を動かした。


「......痛みはない、苦しみもない、元より、この氷の力を手にしてから、そんなものとは無縁だったのだが......痛みはないが、体が言うことを聞かん。オレの負け......か」


 と、その時であった。地に伏した暁の全身から血が吹き出たのである。

 これは烏乃助の『黒刀赤烏』によるものではない。痛みや苦しみがない、それでも肉体は確実に痛みを、苦しみを、疲労を蓄積させていた。


 その何も感じない体で今まで常人を越えた無茶を行使し続けた代償なのだろう。

 血溜まりに沈む暁の側に、うずめとホロケウが近付く。


「......烏乃助。どうしよう、この人から神通力を取り出したら、この人......」


「......うずめ、さっさとこいつを解放させてやれ、それがこいつの為にもなる」


「......」


 うずめは浮かない顔で、暁の隣に膝を付き、彼の胸に浮かぶ『勇』の一文字に触れた。

 すると、暁の胸から一つの不思議な光が現れ、その光はうずめの中へと宿ったのである。


「......やっと、オレもあっちに逝ける......ぐ、あぁあ!!」


 暁から神通力を取り出すと、暁は急に苦しみだした。


「は、ぐ、これが痛みか......久しく忘れていた......やはり、痛みが無ければ......人も、英雄も、地に堕ちてしまうな......」


 『英雄』暁が何故、英雄を口にするのか判らないが、もし痛みも苦しみもなく、どんな暴力にも屈しない人間、そんな人間が人々の前に立てば、誰でも『英雄』になってしまうのであろう。

 その点で言えば、暁は解放されたのである。凡人を英雄に変えてしまう『神の呪い』から。

 今まで烏乃助は、暁の事を死にたがりな物狂いとばかり思っていたが、暁はずっと救いを求めていただけだったのかもしれない。


 暁を看取った後に、烏乃助とうずめは立ち去ろうとする。


「じゃあな、俺達はもう行く、行くぞうずめ」


「......うん」


 暁と、彼の相棒でもあるホロケウをその場に残し、烏乃助とうずめがその場を立ち去ろうとしたその時であった。


「放てぇ!!」


 遠くからそんな声が聞こえてきたので、その方角を見ると、そこには幕府の軍勢が押し寄せており、千本近くの矢の雨がこちらに向かって飛来してきた。


「烏乃助!」


「くそ! 遅すぎたか! 掴まれ!」


 烏乃助はうずめを抱えて、飛んでくる矢をかわしながら、幕府軍から遠ざかろうとする。


 なんとか矢から逃れられたが、こちらに狙いを定めた数百の兵士が、走る烏乃助とうずめを追跡する。


「止まれぇ! 貴様ら『暁 黎命』の仲間かぁ!」


「ならば貴様らも同罪、仲間の仇、取らせてもらう!」


 数百もの兵士を相手にしてられない、烏乃助は矢やら槍を投げてくる兵士達から逃れようとしたが、歩兵の隣から騎馬兵が次々と押し寄せてきて、あっさり回り込まれた。


「どっけぇぇぇぇぇぇ!!」


「なにぃ!?」


 烏乃助は前方に現れた騎馬を跳んで踏み台にして逃げるが、所詮はその場しのぎ、このままでは追い付かれてしまう。


 と、そんの時、後方から兵士達の悲鳴が聞こえてきた。


「う、うわぁ!? な、なんだこいつ!?」


「く、熊だぁ! ヒグマが出たぞぉ!」


 後方を確認する暇がないためよく判らないが、どうやら熊が出たらしい。

 そんな事を気にしていると、騎馬兵数十体に前方を防がれてしまう。


「ちぃ!」


 烏乃助が足を止めようとしたその時、烏乃助の隣から何か巨大な影が通りすぎた。


「!?」


 それは、後ろで騒いでいた熊であった。

 そして、その熊は次々と騎馬兵を薙ぎ倒していく。


「うがぁ!?」


「ぎゃあ!?」


「がぉおおおおおおおおお!!」


 雄叫びを上げる熊は、今度は烏乃助とうずめに近付き、烏乃助の股に鼻を差し込み、そのままかち上げた。


「な、ん!?」


「うわぁあ!?」


 今度は自分達に襲ってきたのかと思いきや、烏乃助とうずめを背中に乗せると、熊は二人を乗せて走り出した。


「!? お、お前まさか五日前の奴か!?」


「がぅん!」


 この熊、どうやら尾張に来た初日に、烏乃助がうずめとはぐれた後に烏乃助の前に現れた、あの熊だったようだ。

 あの後、ずっと烏乃助を探していたのかは不明だが、烏乃助と再会して嬉しそうにする熊は、そのまま尾張の国境まで全速力で走る。


「おい! そこの熊に乗った奴、止ま......て、はえぇぇ!?」


「なんだあの熊!? 馬より速いぞ!?」


 信じられない脚力で走る熊は、どんどん幕府軍との距離を離していく。

 

 これなら幕府軍の追跡を逃れられそうだが、どうしてもあの場に残した暁の事が気になってしまい、後方を確認したが、兵士の数が多すぎて暁の姿は見えなかった。


 だが、烏乃助は兵士達に混じっていたある男の姿を見付けてしまった。


「!?......『九』......必ずお前も解放してやるから、江戸で待ってろよ」


 その言葉が届いたかは不明だが、烏乃助とうずめは尾張からの脱出に成功したのであった。



 うずめは、夢の中で誰かの記憶、思い出を見ていた。


 日本の遥か北に位置する極寒の地『蝦夷(えぞ)』。

 そこには、日本本州の人間が蝦夷に足を踏み入れる前から存在していた民族『アイヌ』の人々が住んでいた。

 本州との交流が出来た後でも、アイヌの人々は自分達の生活習慣を変える気はなく、先祖代々から続く伝統を重んじていた。


 元々狩猟民族である彼らの中に『彼』が居た。彼もまた、アイヌの若者の一人であったのである。


「おーい『ライ』、まぁた絵を描いてるのぉ? そんなのより狩りしようよぉ、狩り」


「やぁ『ヌペ』、悪いがオレは狩りや部族間の抗争よりも絵を描くのが好きなんだよ」


 ヌペと呼ばれたアイヌの少女は、静かに鎮座する一匹の狼を模写している青年『ライトク』に話し掛けていた。


「もぉ、せっかく英雄様の血を引いてるのに、なんか勿体無いよぉ?」


「別にいいだろ? オレ血筋とか興味ねーし、そもそも血筋や伝統なんかで人の人生を決めないでくれよ、オレはオレだ。御先祖様が神話の英雄だろうが知ったことか、オレは好きなように生きる」


「むむぅ......」


 ライは、アイヌの伝統に縛られた生き方を拒む若者であった。別にアイヌが嫌いなわけではないが、やはり大人達が律儀に守る伝統を強要されるのが嫌いだったらしい。

 そんなライは、自分が住む集落の中でも一際異質な存在として、周囲から距離を置かれていた。


 彼もその事は気にしていなかったが、そんな彼の傍にいつも必ず現れるのが幼馴染みのヌペであった。


「いやぁ、それにしても、ライは絵が下手だねぇ、こりゃ諦めて大人達の仕来たりを守るべきじゃない?」


「......お前もしつこいなぁ、下手でもいいんだよ、今は出来なくても将来できればいいから」


「うぐぅ、相変わらず頑固だねぇ......ま、まぁあれよ、せっかくだし、今日獲物を捕りすぎちゃったからさ、一緒に食べない?」


「いいぞ、丁度小腹が減って......」


「おぉい! ライトク! ヌペ! 早く来てくれ! また例の集落の連中が攻めて来たぞぉ!」


「えぇ? またぁ? 同じアイヌの民同士が争ってばかりなのはどうにかならないのかなぁ? ねぇラ......あれ?」


「行くぞホロケウ! さっさと終らせて絵の続きを描く!」


「ワン!」


「ちょ、抗争とか興味ないって言ってたくせにー!」


 本州の方ではとっくの昔に戦乱は終結してはいたが、ここ、アイヌの民の間では頻繁に部族間での抗争が未だに続いていた。


 と、言うのも、数十年くらい前から本州の人間が蝦夷に移り住み始めたのが、そもそもの原因とも言える。


 本州の人間はアイヌの人々を最初は快く思っていなかったようだが、泰平の世が訪れて、本州との交易を持つようになってからは、未だに本州の人間とはギクシャクした間柄ではあるが、それなりに本州とは上手くいっているようである。


 アイヌの人々も、本州の人間を少しずつ受け入れつつあるものの、やはりまだ本州の人間を毛嫌いしている者もおるらしく。


 本州を受け入れる側、受け入れない側との対立が長きに渡って続いているのである。


 ライトクとヌペが居る集落は受け入れる側で、時折受け入れない側のアイヌの民達の襲撃を受けるのである。


 最初は言い争いだったものの、遂にはお互い武器を持っての争いにまで発展してしまったのである。

 こうなってしまっては、どちらかが滅びるまで、この無益な抗争は続くのであろう。


 ライトクもまた、剣を手に前線で戦った。『誰一人殺さず』に、例え敵でも同じアイヌの民を傷付けることは出来ないのであろう。


 しかし、このままではじり貧、いずれ自分達は負ける、そう思われた時、天から一筋の希望の光が舞い降りたのである。


「ぜぇ......はぁ......? なんだ......っ!?」


 ライトクがその光に触れた瞬間、彼は皆を纏め、導く英雄となったのである。


 それからと言うものの、彼はその光りに触れた後、氷を自在に操る力を手にしたのである。

 それにより戦況は大いに覆った。

 彼はその氷の力で、敵を一瞬にして無力化し、その力を手にして以降は、誰一人血を流すことなく、誰一人死者を出さずに、どちらかが滅びるまで続くと思われた抗争を遂には話し合いで解決するところまで持ち込めたのである。


「よぉライトク! お前凄いな!」


「流石はカムイに選ばれし者、まるで神話の英雄みたいだったぜ?」


「あ、そうだライトク、お前村長に呼ばれてたぞ?」


「ライトクよ。お主にアイヌ神話の英雄と同じ『アイヌ』を名乗ることを許可する」


 皆が皆、彼を大いに称賛した。しかし、残念ながら当の本人は皆の称賛、喝采をあまり良く思っていなかったようだ。

 そう、思い詰めながら一人で近くの山の頂上からの気色を眺めていると、また隣にヌペが現れた。


「なぁに浮かない顔してんのよ。英雄様」


「......止めてくれよ。オレは英雄なんて柄じゃない」


「はっはぁん、照れてるなお主~うりうり~」


「......なぁヌペ」


「うん?」


「『英雄』ってなんだ? 人々を導く存在か? だとしたらオレは英雄なんて嫌だ、この間まで対等だった人達に英雄だなんだのと祭り上げあれて、まるでオレだけが皆と違う別の存在になってしまったようだ」


「えぇ、そんなぁ? じゃあ何がいいの?」


「......昔みたいに、伝統を嫌ってはいたが、それでも皆と対等の存在で、目の前にホロケウが居て、絵を描いて、隣にヌペが居る、そんな何気無い日々に戻りたい」


「......ふ、ふ~ん、そ、そう言われたらこっちが照れるにゃ~」


「なぁ、ヌペ。これから先、オレが英雄か、それ以上の存在になってしまったとしても......いつもみたいに隣に居てくれるか?」


「......あったり前じゃーん! ライが英雄だのカムイになろうと、皆がライをなんと思おうと、ワタシにとってはライはライだよ! それだけは絶対に変わらないから安心しなさい!」


「あぁ、安心した。やっぱりヌペはいつも明るいな。オレには眩しすぎる」


 しかし、その二ヶ月後。


 ライトクが相棒のホロケウと一緒に山で狩りに行き集落に戻ると、集落は壊滅していた。


「......っ!? な、なんだ、これは......おい! 何があった!?」


「あ......あいつ......ら.......だ......あいつら......和解したはず......なのに......お前が不在のところを.................」


「お、おい! くそっ! ......ヌペは!? ヌペェェェェェェェ!!」


 ライトクが居ない間、和解したはずの本州を受け入れない側の襲撃を受け、集落は全滅してしまったのである。


 彼の家族、親しかった者達、そして最愛の人の亡骸。彼が知る人達は全員生き絶えていたのである。


「......どうしてこんな......なんでだよぉ......オレはただ......ただお前が隣に居てくれるだけで良かったのに.............」


 その時、彼の胸に『勇』の一文字が現れ、それが黒く輝いたのである。


「......殺す......キサマら全員......生かして帰さん......死ね.........原型がなくなるまで斬り刻んでやるぅぅぅぅぅぅぅ!!」


 彼は堕ちた。不殺の信念を抱いていた彼に殺意が芽生え、英雄から神話に登場する魔神『モシレチク・コタネチク』のようになった瞬間であった。


 狂った彼は、受け入れない側の集落をわずか五秒で壊滅させた後に本州へと渡り、死に場所を求めてその狂剣を振るうようになったのである。


「もう......どぉでもいい......痛みも何も感じない......オレは生きてるのか? 死んでるのか? それすら感じない、それすら分からない......誰か......オレを終わらせてくれぇぇぇぇぇぇ......」



「ん......」


 うずめが目を覚ますと、うずめは烏乃助の腕の中に居た。


「......お前、よくあの状況で眠れたなぁ」


 二人は幕府軍の追跡を掻い潜りながら、無事に尾張を脱出した。


 だが、その途中で二人を助けてくれた熊の背中の上でうずめは眠ってしまったようである。


 熊と別れた後に、烏乃助は眠ったままのうずめをまたお姫様だっこして歩いていた。


「......結局、あの人はどうなったの?」


「普通に考えて死んだだろ......だが、俺達にはどうすることも出来なかった、だから気にやむな」


「うん......分かっていても......」


「......アイツの記憶を見たのか?」


「......うん、でも、私はもう過ぎた事を気にしないようにする。烏乃助の言う通りだった。『勇気』を取り戻したお陰で、私は真実に立ち向かう心を得る事が出来たから......だからもう恐くないよ?」


「そっか」


 これで、うずめは六つ目の神通力を取り戻した。


 残り四つ、その内の一つの所在は掴めている。

 しかし、その所有者である『白羽 時定丸』は、今尾張に居る。

 今尾張に戻るのは大変危険であろう。

 ほとぼりが冷めるまでは尾張に近付けないし、ほとぼりが冷めたとしても、その頃には時定丸は江戸に戻っている頃であろう。


「参ったなぁ、尾張のほとぼりが冷めるのは来月ぐらいか......残り三つの所有者が今何処に居るのか判らない以上、闇雲に探るのは危険だし、一旦出羽に戻るか......」


「いえいえ、その必要はありませんよ」


 と、いつの間にか 目の前に郷見が現れた。


「どうした、なんか良い情報でもあったか?」


「...... おや? もう驚かないのですね。少々寂しい気分になります」


「いや、そんなことはいいから、他の所有者の所在が掴めたのか?」


「はい、掴めました。しかし、また後手に回ってしまったようです」


「なんだ? また暴走か、或いは暁みたいに意図的に一国を巻き込んだりしたのか?」


「いえ、『死亡』しました」


「......え?」


「ですから死亡しました。『恥木(はじき)』の所有者『葉名心(はなごころ) 推戴(すいたい)』が一週間前に九州『薩摩(さつま)』の地で『影隠妖魔忍軍』に殺されました」


 心の所有者の死亡。今までに無い前代未聞の事態に、烏乃助とうずめは動揺を隠しきれなかった。



 美濃、夜の山道。


 フェリスを『黒部 塩八』に任せ、ディアルは『影隠 夜叉』を探しながら森の中を歩いていた。


「......やはり解せないな。奴は確かに倒したはず......ああなっては、生き残れる保証なぞ無いはずだが......ん?」


 藪を掻き分けていると、一人の男性を見付けた。


「すまない、少しよろしいか?」


「......ぶつぶつ」


「? すまない、ちょっといいか?」


 こちらに背を向けて立ち尽くす猟師の格好をした恰幅の良い男性、右手全体には包帯が巻かれていた。


 ディアルは多少警戒しながらも、その猟師の男性に近付き、その肩を掴んだ。


「おお!? な、なんだべかオメェさん! ず、随分変わった格好をしてるな......オマケに仮面なんか付けちゃって......あ、怪しいどぉ」


「いや、驚かせてすまない、確かに君達から見たら変な格好かもしれないが、別に怪しい者ではない、急で申し訳ないが、ここら辺で忍者の格好をした奴を見なかったか?」


「へぇ? に、忍者? み、見てねぇだぁ......お、おらは、近くの小屋に住んでる猟師でなぁ、さっきここら辺が騒がしかったから見に来たんだが......や、やっぱり、アンタ怪しいどぉ」


「あー、安心した前、用が済んだらすぐに消えるさ。.......ところで、その右腕はどうしたのだ?」


「あぁ、これだべか? これはな......さっきお前に殺られたんだよぉぉぉぉぉぉぉ!!」


「っ!?」


 突然、猟師の男性が豹変し、右腕に巻かれた包帯から黒い霧のようなものが溢れ出た。


 ディアルはその霧の外まで回避したのだが、途端に体が重くなったような気分となり、その場で膝を付いてしまった。回避したと思ったが、この黒い霧を吸ってしまったようである。


「ぐっ......!? な、なんだこれは......毒?」


「ゲヒャヒャヒャヒャヒャ!! 掛かった掛かった引っ掛かってやんのぉぉぉぉ!! 忍者嘗めんなやこらっ!」


「そ、の笑い方......何故だ? お前はさっき死んだはず」


「ゲヒヒヒヒィ! あぁ、死んださ、俺っちょの刀で俺っちょを殺しやがってよぉぉぉぉぉ!!」


 何がどうなってるのか不明だが、今目の前にいる猟師は、先程殺したはずの『影隠 夜叉』のようである。


「よぉし、解説してやる。『忍法・鬼子菩塵(きしぼじん)』。こいつはなぁ、術者の意識を腕のこの包帯に宿し、この包帯に巻かれた奴の意識を乗っとる事が出来るってわけだぁ、いやぁさっきまで腕だけになってでもお前を乗っ取ってやろうと思ったが、丁度いい奴が居たんでなぁ、ゲーヒャヒャヒャヒャヒャ!!」


「......外道が」


「おいおい、今更かよ、俺っちょは忍者、卑怯卑劣が売り、任務の為ならこの命だけでなく、使えるもんは全て使うんだよぉ!」


「......な、何故だ? 越中の犬といい......お前は......お前達は.......何故そこまでする?」


「......テメェに分かるかよぉ、誇りだの信念だので動いてるお前達なんかによぉぉぉぉ!」


 と、夜叉は猟師が持っていた鉈を取り出して、右手に持ったのである。


「今テメェに吸わせたのは、うちの大将が生み出した『神の毒』だぁ、故に血清は存在しないぜぇぇぇ!」


 夜叉は手に持った鉈でディアルに止めをさすと思いきや。

 なんと、その鉈で自分の喉を切り裂いたのである。


「!? お、お前......何を......」


「ゲヒャヒャヒャヒャヒャ!! この男は猟師、戦闘向きじゃねぇ......どう考えたって......これ以上お前と戦っても意味がねぇから......今度こそあの世に逝くぜぇ......せいぜい......その毒をたっぷりと味わいなぁ......」


 そう言って、夜叉は地に崩れた。本体でもある腕の包帯が茶色く変色した後に、ボロボロとなってチリとなった。


 その後、ディアルはおぼつかない足取りで、黒部とフェリスの元に戻った。


「ぐぅ......な、なんなんだ......この毒は......気分が悪い......」


 ディアルは無事、二人の元に戻った。黒部の診断によると、最初の毒は夜叉の刀に仕込まれていたらしく、その毒の治療事態は完了した。


 しかし、夜叉が最後に使用した謎の霧による毒は、まったく治療出来ていなかった。


「......やはり、毒は完全に緩和しております、はい。色々と体を調べましたが、何処も異常は御座いません、はい」


「はぁ...... はぁ......じゃあ何なんだこれは? 奴は『神の毒』と称していたが......」


「神? ......もしや『神通力』?」


「神通力? ......確かあの少女の力か......だとすると......影隠とか言う奴等は......」


「取り合えず安全な所へ、こちらで御座います、はい。そこで今後の方針を練りましょう、はい」


 フェリス、気を失ってはいるが、一命をとりとめた。


 ディアル、謎の毒に侵されている。対処法不明。


 黒部、彼が今回ディアル達に協力した理由、それは『不知無 死刻』が日本の商業界に加入して以降、彼は大陸だけでなく、ありとあらゆる諸外国の薬、鉄砲、兵器を密輸入し、売り捌いているのを阻止したいという思いがあってのことであった。


 彼らは美濃を後にし、土佐に行く前に体制を建て直すため『大和(やまと)(奈良県)』に向かうのであった。



 ここは越後(新潟県)の『天空山』。


 標高二町半(250m)の山、雲よりも高いその山を登る女性が一人。


「はぁ......はぁ......ふぅ」


 その女性は休憩がてら近くの岩に腰を下ろし、そこからの山の景色を眺め、心を癒していた。


 雲の上と言うだけあって、そこは絶景であった。

 昼下がりの陽射しに映し出された雲の海、そこから天空山を取り囲む山々の頂上が顔を出し、まるで白くて綿のような海に浮かぶ小島のようであった。


「いい眺めです。こんな所に住んでるなんて、中々に贅沢な御方なのですね」


 ある程度休憩を終えた彼女は、再び歩みを再開した。彼女が歩む山道は、標高が高いせいか、草木が殆ど生えておらず、岩やら砂利が転がる殺風景な道。

 彼女から見て、右は岩壁、左は崖となっていた。


 彼女が目指すは天空山の頂上にそびえ立つ立派な城『天空山城』。

 そこの城主である、とある人物に会いに来たわけである。


「それにしても......景色は良いのですが......『あれ』は何なのでしょう?」


 彼女は天空山の近く、雲から顔を出した手前の山の頂上に目を向けた。


 そこには、六尺四寸(192cm)近くにもなる大きな槍のような棒状の物が、その山頂に一本どころか、二十本近く突き刺さっていたのである。


 しかも、その山頂だけでなく、他の山頂にも似たような棒状の物が大量に突き刺さっていたのである。


 いくら何でも不自然過ぎる光景であった。


 そんな不自然な物を眺めていると、遠くから何かがこちらに飛んでくるのが見えた。

 

「?」


 陽射しが邪魔でよく見えないが、何か『矢』のような物が飛んできたのである。

 こんなところで矢? 一体誰が、疑問に思いつつも、彼女はその矢の射線上から避けた。


 しかし、避けてすぐにそれが矢でないことが理解出来た。


「なっ!? う、嘘ですよね!」


 それは先程、山頂に突き刺さっていた物と同じ『槍』であった。


 そして、その槍は矢とほぼ同じ速度で彼女の目の前の岩壁に被弾した。


「くっ......!」


 槍の威力は尋常ではなかった。彼女の目の前の岩壁に直径五尺くらいの巨大な(くぼ)みが発生し、槍によって吹き飛ばされ、粉々になった岩は周囲に飛び散り、彼女はその小粒の岩の破片がこちらに被弾しないように、近くの岩に身を隠し、槍が飛んできた方を確認する。


「!? 人?」


 日の逆光でよく見えないし、一里(4km)離れた山頂だった為、よく判らないが、山頂の上に人が立っているように見えた、更に見えにくいが、その人物の手には巨大な弓のような物が握られているようにも見えた。


 そして、その人物は近くに突き刺さっている槍を引き抜き、それを弓に添えて、こちらに向けて射出の構えをとった。


「ま、まさか!? この槍を、あの弓で飛ばしたというの......っ!?」


 信じられない光景を目にして驚いていると、二撃目が射出された。


「......っ!!」


 矢と同等の速度、そして槍の重量を合わせたそれは、被弾したものを粉々に粉砕する破壊力を有しており、それを防ぐ術はなかった。


 彼女はただそれを避けるだけであった。


 避けたとしても、砕けた岩が周囲に飛び散り、その岩が頭部に当たるだけでも重傷となりうる、まさに強力な兵器。


 二撃目を一撃目と同じ方法でなんとか避ける事が出来たが、更に目を疑う光景を目の当たりにした。


「なっ!? ......三本......同時!?」


 なんと、相手は片手で槍を三本引き抜き、三本同時に弓に構えたのである。


 一本を避けるだけでも困難だと言うのに、それを三本同時、かなり絶望的であった。


 そして、無情にもその三本を相手は射出した。


「少し、前の私なら諦めていたでしょう......ですが!」


 と、なんと、彼女は崖を飛んだのである。

 地上から二町半の所から、飛び出したのである、命綱無しで。

 そして、射出された三本の槍は、彼女の横を通りすぎ、彼女の後ろで岩に着弾し、岩が爆散した。


「!?」


 相手もそれを見て驚いたらしく、攻撃の手が止まった。

 そして、彼女は手前の山の頂上に突き刺さる槍にしがみつき、急いで這い上がり、槍を蹴って隣の山頂に飛び移ったのである。


 そうやって、次から次へと数々の山頂に飛び移りながら彼女は相手に接近し始めたのである。


 相手は動揺しながらも、すぐさま新たな槍を引き抜き、彼女を射ぬこうとする、しかし。


「なぁ!?」


 相手が居た山頂が突然崩れたのである。

 崩れる足場から落ちれば命は無い、急いで隣の少し広目でまっ平らな山頂に飛び移ると。


「!? いつの間に......!?」


「はぁ......はぁ......わ、私の勝ち......です」


 なんと、最初は一里離れていた距離がいつの間にか詰められており、彼女は近くにあった槍を引き抜き、その槍の穂先を相手の喉元に突き付けた。


「あ、あなた......どうやってこの不安定な足場を詰めて......」


「蹴りました。この槍、大きすぎて分かりませんでしたが、本当に矢なんですね。だとしたら単純です。これが矢なら槍以上の『弾力』があるはず、そして、この大きさなら蹴っても折れる心配は無いし、矢の先端は山に固定されてますからね」


「......だ、だからその弾力による反動で短時間で距離を詰めたと言うの!?」


「はい、そして、ある程度距離を積めた所でこの矢を投げて貴女の足場を破壊して、この場所に誘い込んだわけです」


「い、イカレてるいますわ......もし、その反動による移動法で、ほんの一寸でも角度が狂えば......あなたは地上に落ちて命が......」


「はい、ですがご安心を、私は計算が早いものでして、絶対に狂わない自信がありました......まぁ、正直に申しますと、かなり恐かったですけどね」


「......っ!! か、完敗です。......『水守(みなかみ) 弥都波(みずは)』様」


 先程からこの弓使いと戦っていたのは、去年の神無月に若狭で行方を眩ませた水守本人であったのである。


 そして、先程から水守を襲っていた弓使いは、なんと若い女性であった。


 巫女装束を着こなし、髪には金の髪飾り、首には数珠、胸には弓を射る際、乳房が邪魔にならないように、胸当てが付けられていた。


「......申し遅れました。私目は『加護弓(かごゆみ) (あま)』と申します。ここ、天空山の防人(さきもり)を務め、我が主『紫上(しがみ) 兼晴(けんせい)』を御守りする一番弓で御座います。先程は御無礼を働き......誠に失礼いたしました」


 加護弓と名乗った女性は、一つ一つの動作、所作がとても綺麗で上品であり、ゆったりとし、礼儀正しく彼女は水守に頭を深々と下げた。


「え、えぇと、か、加護弓さん。ど、どうか頭をお上げ下さい」


「はい、上げました」


「頭を上げるのは早いですね!?」


 一つ一つの動作はゆったりしていたのに、頭を上げる事だけは早く、つい水守は突っ込んでしまった。


「あなた様を襲った理由それは、我が主があなた様がここに来ることは既にご存知だったらしく、私目に盛大におもてなしをしろと申されまして」


「あ、あれがおもてなしですか? ......あ、明らかに殺す気でしたよね?」


「いえいえ、あなた様の聡明さ、優れた慧眼さは我が主からとてもよく聞き及んでおります故。あの程度では死なないと信じておりました。いやはや、間近でお目に掛かりましたが、とても素晴らしかったです」


「え、えぇ~?」


「さて、立ち話はなんですし、城までご案内します。我が主から聞きに来たのですよね? 若狭の日照りの原因、そして『信太郎(のぶたろう)』様の死の真相を」


「!......はい」


「では、私目にお掴まり下さい。城まで一跳(ひとっと)びで向かいます」


「え? ひ、一跳びって......ここから天空山まで一里も離れて......う、うひゃぁああああああああ!?」


 加護弓は弓を背に背負い、水守を抱えて、天空山の頂上に向かって本当に一跳びで跳んだのである。


 明らかに人間の脚力ではない、そして、僅か三秒で天空山の天空山城の城門前まで辿り着いたのであった。


「さ、どうぞ中へ」


「あ、はは、は、はい......」


 水守は、さっきまでの自分の戦い方は後になってから異常だと思い後悔していたが、加護弓の常人以上の身体能力を前にして、「よくこんな人に勝てたなぁ......」と、思うのであった。


 ━━初っ端から危なかったですが、なんとか入れましたよ......『郷見』さん。


 二ヶ月前、越中。


 烏乃助とうずめが越中で『深鮫(ふかざめ) 挟樂(きょうらく)』率いる『北陸水軍』を相手取って居た頃、越中付近で郷見は偶然水守を見付け、彼女にある事を頼んだのである。


「か、間者 (スパイ)ですか!?」


「はい、越後の『紫上 兼晴』。彼はうずめ様と酷似しております。何か秘密があるはずです。私の部下が既に何人も紫上にやられております。ですが貴女なら......」


「確かに、あの御方には色々と不自然なところが御座います。去年の神無月に何故わざわざ若狭に現れたのか解せず、ずっと引っ掛かっておりました」


「はい、我が主『鴨居 義明』も、何か隠しているようですし、もう頼れるのは貴女しかおりません。それに、これは私の調べで判ったことですが、紫上と信太郎様は、昔ながらの旧友だったそうです」


「!? わ、判りました......私が行ってどうにかなるか判りませんが、信太郎の死の真相の手懸かりをあの御方が握っておられるのであれば......」


「判りました。では、何か分かり次第、こちらにご連絡下さい、それでは」


 と、郷見は水守を紫上への間者に仕立てる事に成功し、その場を後にしようとするのだが、何故かその場で煙幕を使って立ち去るのであった。


「けほ......けほ......あ、あぁ!? ち、近くの家に火が、み、『水礫(みずつぶて)』! ......て、わ、私今はもう神通力が使えなかったのでした! あ、わわ、ど、どうしましょう......」


 そして、今に至る。


 果たして、彼女は紫上から何を聞き出せるのだろうか、彼女は不安と恐怖が交錯する中、勇気を抱いて、その城へと足を踏み込むのであった。


 ━━『勇氷(ゆうひょう)』蒐集完了。


 第八話「こころはじらう」に続く






【英雄】


 才知や武勇に優れ、普通では成し得ない事を成し遂げる人物。


 人の上に立つかぁ、よく私は周りから頼りがいがあるってよく言われますが、人に頼られるのが私嫌なんですよねぇ。

 なのに、ネットとかの性格診断やら誕生日占いやらで毎回「あなたは、リーダーシップがある人です」「人の上に立ち、周囲を導く才能があります」てさ......何故だろう、一つの集団のリーダーになれば必ず目立ちますよね? どうも私は昔から目立つのが苦手なのになぁ......まったくぅ。何やねん、この診断。


 遂に終わった......人斬り『暁 黎命』が......後半の水守vs加護弓は、どうしても水守が勝てる術が見付からなくて、結局あんな無茶ぶりになってしまい申し訳無い。


 今回、七話で解説、説明が無かったものの解説・説明はおまけで行います。

(例えば、『影隠 牛鬼』がどうなったとか、暁が幕府軍を誘きだした理由など)


 それでは、次回をお楽しみに~......では、これにて失礼致します(煙幕ボンッ!)


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