滅掌の延慶 十五
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素晴らしい。
面白い。
堪らぬ歓喜の波が、我輩の肉体に押し寄せておる。
この魔拳という男───堪らぬ。
やはり、現代も捨てたものではないな。
このような男と、このような血のたぎる死合いが出来るのだから。
む!
ぬう・・・やるな。
次はこちらの番だ。
そら、一本拳だ。
ククク、痛かろう。
ん?
何と、今の一撃を受けて立ち上がれるか。
やはり面白い男よ、貴様は。
ここまで血のたぎる死合いは、『あの爺』以来よ。
・・・む?
・・・。
・・・・・。
・・・『あの爺』?
・・・。
そういえば・・・。
こやつの動き・・・。
あやつによく似ておる・・・。
突き方、蹴り方、防ぎ方・・・。
一挙一動、どれをとっても、あの爺とよく似ておる・・・。
まさか、こやつ・・・。
・・・。
馬鹿な。
そんなはずはない。
いやしかし、そうでなければ、これはどういうことなのだ。
そう考えれば、全て説明がつくではないか。
いや、だが・・・。
・・・。
・・・・・。
・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・む!?
・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。
今・・・。
一瞬・・・。
こやつの姿に・・・あの爺の姿が重なった・・・。
何故だ?
知っておるからだ。
何を?
こやつの武術をだ。
ではやはり?
そうだ。
そうに違いない。
こやつの武の師匠・・・そして・・・!
こやつが習得した武術は───!!
次の投稿日は未定です。
【追記】
次は、水曜日の午前10時に投稿する予定です。




