魔拳参上 二十
柳善の策略により、衛は義満・康治郎と闘うことに。
両者共に、洗脳術によって恐怖の感情を奪われており、衛に対して臆することなく猛攻を仕掛けて来る。
衛はこれに対し、対等に渡り合っていくのであったが───
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「ふむ・・・中々やりますね・・・。少々見くびっていたようです」
康治郎の顔面に飛び膝蹴りを叩き込む衛を見ながら、柳善はそう呟いた。
手を当てている口元には、相変わらずにやにやとした笑みが浮かんでいた。
柳善が施した洗脳術と強化術によって、義満と康治郎は、恐怖という余計な感情を捨て去り、身体能力が格段に強化されている。
正直なところ柳善は、自分達の手によって魔拳は為す術なく敗れ去ると予想していた。
しかし実際には、魔拳は彼らと対等に渡り合っていた。
否、もはや魔拳は、彼らを圧倒しつつあった。
予想以上の戦闘技術、そして身体能力であった。
「しかし───魔拳よ・・・あなたの拳は、私には決して届かない。あなたが敗れるのは、もう決まっていることなのです」
そう呟き、柳善は口の端を吊り上げた。
それと同時に、義満の右頬に、衛の後ろ回し蹴りが直撃していた。
「やれやれ・・・情けない妖怪達ですねぇ。折角私が力を与えてあげたというのに・・・」
柳善が苦笑する。
その表情に、焦りや不安といった感情はなかった。
「どれ───少しばかり、手助けをしてあげましょうか」
次は、火曜日の午前10時に投稿する予定です。




