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剣と魔法の異世界で、最弱の俺は『きのこ』を極めます。~28歳フリーター、異世界で成り上がる~  作者: リーさん
フェルドナード編

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第17話 その老婆、スパルタだった

―――「さて、あんたにはまず基礎体力をつけてもらうよ」


「基礎体力?」

「あんたには体力が足りな過ぎる。そんなんじゃあランクの高い魔物に遭遇した時どう逃げるんだい」

「たしかに......そうだな」

「あんたには今日から腕立て千回、腹筋千回、森の中をアタシをそりで引っ張りながら走ってもらうよ」

「腕立て、腹筋.....千回!?」

「なんじゃい、できるだろ?若いんだから」

「....鬼すぎる。森の中は何周走ればいいんだ?」

「アタシが止めるまでだよ」

「そ......そうか」


孝典は地獄のメニューを聞いて、魂が抜けた顔をしている。


――― 一方その頃


豪華なシャンデリアに絨毯、様々な装飾がちりばめられている部屋のソファーには、黒コート姿の面々が座っていた。


「っていうかおっそくない?」

「またどっかほっつき歩いてんだろ」


化粧の濃い女と筋肉質で大柄な男が退屈そうに座っている。


ギィーー…


「ただいま戻りました〜」

「やっときたわ」


―――「....グリム、ジェイル随分と長かったな」


奥に座っているハットを被った男が二人に尋ねた。


「少しトラブってな」

「聞いてくださいよボス〜、先輩ったらスレイブの騎士団長に挑んだんですよ〜」


ハットの男がジェイルに目線を上げると、空気が重くなり、肌を刺すような鋭さが部屋を包んだ。


ゴクッ…

ジェイルが唾を飲み込む。


「不必要な接触は控えろと言ったはずだが...」

「あぁ、分かってる...だが試したくなっちまった」

「グリム、お前もペアで行動させてる意味を考えろ」

「分かりましたっす〜....」

「で、計画の方はどうだ?」

「スレイブ王国内に12箇所マーキング完了っす〜♪」

「よくやった」


グリムとジェイルがソファーにもたれた。

ジェイルが大柄な男に尋ねる。


「アイリスとダルノールはまだマスティーカか?」

「あぁ、明後日にはこっちに着くみたいだ」

「そうか」


ジェイルが胸ポケットからタバコを取り出し、ライターで火をつけた。


――― その頃


「その程度でへこたれてんじゃないよ!」


バチンッ…


「いてぇーーーー!」


孝典は腕立て伏せを始めたものの、二十八回で音を上げ、ローザに竹刀で叩かれていた。


「ローザ...千回は勘弁してくれ...」

「何を甘えたこと言ってんだい。昨日の覚悟はどこへ行った?」

「......」

「そんなんじゃあ、仲間を守るどころか自分も守れやしないよ」


孝典は自身が決心した事を曲げそうになり、自分が情けなくなった。


「ごめん、ローザ。俺頑張るよ」

「まったく、手のかかる子だよ」

「よしっ、千回なんてすぐ行ってやる!ふんっ!」


気持ちを入れ替えた孝典は、腕立て伏せを再開した。


バチンッ…


「いでぇぇーーーー!」


それから時は流れ、辺りはすっかり暗くなり始めていた。

ローザの設置した焚き火が孝典を照らしている。


「九百九十七、九百九十八、九百九十九....千ーーー!!」


仰向けで大の字になり喜んでいる孝典に、ローザは呆れて顔に手を当てていた。


「...まさか一日で腕立てだけかい......」

「はぁはぁ、ローザ〜!腹減ったー!」


疲れ果てた孝典はローザに向かい声をかけた。


「まったく手のかかる子だよ」


ローザはフッと笑いながら家に向かい歩く。


「飯作るから風呂で身体洗ってきな」

「はーーい」


―――その頃ギルドでは


扉が開き、四人の男女が入ってきていた。

ギルド職員が四人の姿を見つけると、慌てて奥の扉へ走っていった。

しばらくすると――


「お前ら帰ってきてたのか!」

「よっ、マスター」

「久しぶりねバドルさん」


バドルと朱色の髪の男、紺色の髪の女が話している。


「で、どうだった?」

「なかなか骨が折れるぜ....、まぁ拠点はちっせーけど作れたから何とかなりそうだ」

「あまり無茶はするなよ?」

「ハハハッ、それ俺らに言うのは無理ありすぎだろマスター」

「しばらくここに滞在するのか?」

「いや、明日の朝には船で発とうと思う」

「...そうか」


バドルの重い表情を見て、四人は顔を曇らせた。


「どうかしたのか?」

「....フェルドナードが動き出した」

「まーたアイツらか」

「私達も加わりましょうか?」

「いや、お前たちをこっちに割く訳にはいかない。残りのS級とA級で対処する」

「そうか、無茶すんなよ?マスター」


朱色の髪の男は笑いながら話した。

その言葉にバドルも笑いながら返す。


「あぁ」

「じゃあ俺らはこれで」


四人はギルドを出ていった。

すると―――


「...微かに魔力反応があるな」


白衣を着た眼鏡姿の男が話し出した。


「敵か?」

「いや、動きがないのを見ると設置型の爆弾かなにかだな」


眼鏡姿の男がポケットからキューブを取り出した。

すると、キューブからホログラムが投影され、スレイブ王国内の地図が浮かび上がる。

そこにはいくつもの魔力発生源が表示されていた。


「王国内の中心へ行くぞ」


四人は中央噴水広場に向かった。


「ここら辺か?」


朱色の髪の男が眼鏡姿の男に尋ねる。


「あぁ、〝ディスペル〟」


次の瞬間―――

眼鏡姿の男の周囲から魔力の水面が立ち始め、王国内を包んでいった。

そして、ホログラムを見ると魔力発生源は消えていた。


「完了だ」


眼鏡姿の男が投影機を閉じた。


「よーしっ、宿行って寝るぞ〜」


朱色の髪の男がそう言うと、四人は宿に向かい歩き始めた。



――― 一方、その頃


バサッ…

グリムが勢いよくソファから立ち上がった。

目を見開き、顔からは笑みが消えていた。


「...リンクが一斉に途絶えた...!!」



(つづく)




==================================

《ステータス》

・三田 孝典 (みた たかのり)

・レベル3

・E級冒険者

・【固有職業:きのこマスター】

・【良質級:霧吹き】

【良質級:ゴム手袋(厚手・ピンク)】

・【ウィンドウ】【マップ:レベル2】

【会話:レベル2】【ガチャシステム】

==================================

最後まで読んで頂きありがとうございました!

応援、コメント頂けると励みになります!


〝腕立て伏せ千回を達成した孝典。そしてグリムのリンクを断ち切ったあの四人組は一体...!?〟


次回お楽しみに!

(*・ω・)*_ _)ペコリ

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