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『氷川のお宮の沼と赤プレスマンの浮き』

作者: 成城速記部
掲載日:2026/07/14

 武蔵国の氷川のお宮の近くには、沼があって、鯉やらナマズやらがよく釣れました。ある男が、赤プレスマンを浮きのかわりに使ったこの日は、とんでもなくたくさん釣れました。たくさん釣れたので、時間を忘れてしまい、気がつくと、もう日が暮れようとしていました。男は、急いで帰ろうとしましたが、雨が降ったわけでもないのに、あたりは一面水浸しで、行けども行けども、お宮にたどり着きません。そんなぬかるみの中に、天ぷら屋さんが立っています。何をしているのだろうと思って会釈をすると、天ぷら屋さんは無言で近寄ってきて、男のびくを引ったくると、すごい速さで逃げていきました。

 しばらくすると、夕暮れ前の明るさが戻ってきて、男があたりを見回すと、実は田んぼの中を歩いていたのでした。



教訓:赤プレスマンは、金属部品である先端が重いからひっくり返らないし、水面によく映えるので、浮きには最適である。もともとの使い道は筆記用具であるが。

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