ここ……もしかして、乙女ゲームの世界!?
本日、1月11日23時~『悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される』のアニメがスタートということで、記念に書いてみました。
アニメ放送日に少しずつ更新できたらと思っております。
「ここをこうして……っと。わああ、すごい。百均のワイヤーを入れただけで、こんな綺麗に作れちゃうなんて! はあぁぁ~、一面アクア様で最高!!」
鼻歌を口ずさみながら、あかりは鞄にキャラクター缶バッジを敷き詰めていく。いわゆる痛バというやつだ。
鞄の外側がビニール加工されていて、そこに缶バッジを並べることで推しをアピールするという手法。
「いつまでも眺めてられちゃう~!」
アクアスティードの同じ絵柄の缶バッジを順番に並べていって、自分はアクアスティードが大好きだということをアピールするのだ。
「……って、あれ?」
次の缶バッジを付けようと手を伸ばしたが、もうなかった。
あかり計算上ではアクアスティードの缶バッジが何個か残る予定だった。あまりはどこにつけようかな? なんて考えていたのだけれど、缶バッチを敷き詰めてみると、二つほど足りなかった。
「ガガーン!! なんで!? どうして!? すごく頑張って集めたのに……! …………あ、そうか。ワイヤーに沿って綺麗に並べたから、私がざっくり計算してたよりも並べられる缶バッチの数が増えちゃったんだ!」
悲しいけれど、ある意味嬉しい誤算ではある。
「ああ~~ん、一生懸命集めたのに~~~~! どうしよう、買いに行く? でも、ランダムだからすぐゲットできるかな……バイト代も残り少ないし…………」
とはいえ、買いに行かなければ永遠にこの鞄が完成することはない。
トレードしてもらえたらよかったかもしれないけれど、あいにくとすでにトレード済みで、手元に缶バッジはあまりない。
「もう少しバイト増やして、家の手伝いでお小遣いをもらおうっと」
痛バ作りに夢中になっているのは、桃瀬あかり。
腰まで伸ばしたロングストレートの黒髪に、ぱっちりした黒い瞳。一六歳の女子高生で、誕生日は七月七日。趣味は乙女ゲーム。好きなものはリボンで、ゲームのキャラクターと恋愛することを夢見ている。
「アクア様が足りない分は……お気に入りのハルトナイツ様の缶バッチがあるから、それを付けておこうっと!」
ということで、ひとまず出来上がった痛バを持って、あかりは我らが聖地池袋へと向かった。
ガタンゴトン、ガタンゴトン……と電車に揺られ、変わる外の景色を見て考えることは缶バッジをいくつ買えばいいかということだ。
値段は一つ税込五五〇円。二つ買っただけであっという間に一〇〇〇円超をえてしまうのだ。しかもお目当てのアクアスティードが出るとは限らない。
……ランダムって怖い。
高校生のあかりがバイトをしても、一時間で稼げる時給はせいぜい缶バッチ二つと少し分。
とてもではないが財力が足りない。
「でもでも、アクア様は絶対お迎えしたいっ!!」
どうにか三つぐらい購入して、誰か交換してくれないかな……と考えたところで、電車は池袋に到着した。
「よし、神引きをしてみせる!!」
あかりが気合を入れて電車から降りると、なぜか駅のホームの硬いコンクリートではなく――かさりと足音がした。
「え?」
思わず目をぱちくりしてしまったのも、仕方がないだろう。
なにせ、眼前には森が広がっていたのだから。
「なに、ここ。森の中……?」
今まで耳に届いていたのは都会の喧騒だというのに、全く違う場所に来てしまっていた。
木々の合間からさす暖かな日の光と、頬を撫でる風。鳥や虫の鳴き声と、一面に見える森の緑。
あかりが思わず後ずさると、背中が大きな木にぶつかった。
「……ホログラムじゃなくて、本物の木だ……」
木の幹に触れると、どっしりとした感触があった。
さらに言えば、大きく息を吸い込むと体中に森の匂いが充満する。とてもではないがニセモノだとは思えなかった。
しかし、あかりはすぐにピンときた。
「もしかして……これって、乙女ゲームによくある異世界召喚ってやつじゃない!?」
あかりの目は、一瞬で不安の色を消して輝いた。
【隣国アニメ情報】
TOKYO MX:1月11日より
毎週 日 曜 23:00~
KBS京都:1月12日より
毎週 月 曜 23:00~
サンテレビ:1月12日より
毎週 月 曜 23:30~
BS日テレ:1月12日より
毎週 月 曜 23:30~
AT-X:1月13日より
毎週 火 曜 21:30~




