登場人物(全面的ネタバレ注意)
◇伊達家
伊達政宗……伊達家十七代目当主。勇猛果敢でありながら智謀に満ちた傑物であり、東北に覇を唱える。
謎の亡霊武者との出会いを経て東北の領主となり、最終的に奥州統一連合の事実上の長として豊臣秀吉と対等に和平を結んだ。
蝦夷地の開拓を考えているらしい。
蘆名政道……政宗の弟。人取橋の戦い後蘆名を継ぎ、誠実さと実直さと兄弟愛を武器に戦う。戦後は兄に東陸奥を譲る代わりに下野を加増され、政宗が蝦夷開拓に興味を持ち出したため伊達家内でも存在感を高める流れになるらしい!?
伊達輝宗……政宗の父。二本松義継により命を落としかけるが救われる。政宗の影でおとなしくしているようだったが秘かに二人目の霊武者の存在を掴み、小田原の戦いでは自ら相模まで赴くなどかなり行動的だった。
片倉小十郎(景綱)……政宗の家臣。政宗に手を焼かされるところは変わらない。
早めに亡霊武者が見えていた。最後まで政宗と行動を共にしている。
片倉小十郎(重長)……景綱の息子。第一話の時二歳であった。そのためか早い段階から亡霊武者が見えており、仲良くもしていた。八郎からの最期の言葉をもらっていたらしい。
鬼庭良直……伊達家の宿老。こちらも人取橋で命を落としかけるが救われる。その後はさすがに隠居した。
鬼庭綱元……良直の息子。人取橋の後蘆名家の筆頭家老となる。
義姫……政宗の母。気性が激しく出羽の鬼姫と言われる。だが本作ではむしろ振り回される役どころ。
愛姫……政宗の妻。出番はそれほどない。
◇奥州統一連合
最上義光……義姫の母で伊達政宗・政道兄弟の伯父。最上家をまとめ、奥州統一連合として伊達と同盟を組んだ。戦場にはあまり出ないが巧みな策を講じ最上家をうまく生き残らせた。
大浦為信……南部に反抗する勢力の一角を担っていた。南部氏が崩壊すると動き出し奥州統一連合の一員となる。童神を懐かせた事もあり小勢力ながらうまく立ち回り、戦後は伊達と関係を深め蝦夷地開拓を志す立場となったらしい。
上杉景勝……上杉謙信の甥。元々豊臣川の人物であり奥州統一連合にも抵抗していたが、やがて同盟に加わる事となる。
直江兼続……上杉景勝の寵臣。秀吉に高く評価されていたが、景勝の決断により板挟みのような状態となる。
戸沢盛安……角館の城主。安東家を滅ぼし諸侯連合に付く。
真田昌幸……真田家の当主。冷静沈着な性格。上田城の戦勝後も決して無理はしていなかったが奥州統一連合の到来により信繫と信之を分ける事を決意。自身は奥州統一連合へと付く。戦後は北信を治める事となった。
真田信之……真田昌幸の長男。小田原にて北条軍と戦う。
真田信繁……真田昌幸の次男。上田城の戦いの後秀吉に仕え、小田原にて兄弟反目しそうになるも和睦。石田家の跡目のような地位になった。
唐沢玄播……真田忍び。風魔小太郎の話を知り涙した。
里見義康……里見家の当主。関東で北条と戦うが戦に敗れ、その流れのまま奥州統一連合に参入。戦後、上総安房の二か国を守ったが下総は佐竹と半分半分となった。
◇佐竹家
佐竹義重……佐竹家の当主。人取橋の戦いにて事実上の大将となるが「童神」により軍は壊乱し彼自身も討ち死にした。
佐竹義宣……義重の長男。人取橋から逃げ切り佐竹家の当主となるが余力はなく、北条を必死にしのぐも奥州統一連合に服属。なんとか生き延びた。
佐竹義広……義重の次男。白川家当主「白川義広」として人取橋の戦いに出たが、霊武者に殺された。
和田昭為……佐竹家の重臣。義宣を支えた。
◇北条家
北条氏政……北条家当主。北の情勢の変化に戸惑いながらも動きが鈍かったが、ある時より急に活動的になり戦でも鬼神のような働きをする。
実はある時から源義経の霊に支配されていたが、本人も半ば了解していた。義経の死と共に自らも死んだ。
北条氏直……北条家の跡目。氏政から見てもやや器量の足りない存在。
氏政とほぼ同じ時期に八郎の霊が乗り移り鬼神のようになり、豊臣家・奥州統一連合と戦い、散った。
風魔小太郎……北条の忍び頭。甲州へと侵入した際に服部半蔵と戦うが、その際に霊武者(義経)に襲われ一時意識不明状態となり、そのまま小田原へと帰還。氏政に義経の霊を移してしまった事を後悔し、最後は服部半蔵との戦いの末散った。
北条氏邦……氏政の弟。佐竹家の攻略に当たるが、奥州統一連合の干渉と佐竹の奮闘により失敗。小田原に散った。
北条氏照……氏政の弟。
氏政の変節を見抜いておりこのままでは全滅だと城内の将兵をかき集めようとするが叶わず、最終的に氏政に嘆願するも叶わず死んだ。
松田憲秀……北条家の重臣。
氏政のやや後に武蔵坊弁慶の霊が宿り、身体能力を超えた暴れぶりを見せる。弁慶と同じく立ち往生した。
大道寺政繫……北条家の重臣。
こっちは常陸坊海尊の霊が宿ったが力はあまり強くなく、普通に討ち死にした。
◇徳川(松平)家
徳川家康……三河の大名。上田城攻略の際に大敗しその後も謎の武者に襲われ、そしてその武者の狙いが「源氏」である事を知り「松平」に改名。全てが終わった後「徳川」へと復姓し、三河・遠江・駿河・甲斐・伊豆及び南信五か国半の大名として全うする事となった。
大久保忠世……家康の重臣。上田城攻略戦の大将。だがその戦で大敗、その後甲州を任せられるも井伊直政にいい所を持って行かれるなどあまり活躍できていない。
大久保忠佐……忠世の弟。やはりあまり活躍できていない。
大久保彦左衛門忠教……大久保兄弟の末弟。良くも悪くも霊武者の衝撃で性格が変わっており、猪突猛進ぶりはなくなった。
鳥居元忠……家康の部下で一本気な性格。上田城の後はあまり出番なし。
榊原康政……売り出し中の徳川の武将であったが、上田城にて霊武者の刃にかかって討ち死にした。
本多正信……家康の腹心。霊武者が「源義経」であると最初に断定した人物。
服部半蔵正成……家康の忍び頭。甲州に潜入した際に風魔小太郎と戦い、ある種の奇妙な友情を抱く。小田原にて小太郎を事実上介錯した。
本多忠勝……家康の寵臣。長丸を霊武者から守り抜き、北条軍との死闘も演じた。
井伊直政……家康が寵愛している武将。
◇豊臣家
豊臣秀吉……関白となった元農民。頼朝と義経の悲劇を知りその真実を受け止め奥州統一連合と共に戦う。戦後、奥州統一連合の存在を認め歴史を紡ぐ事を決意する。
石田三成……秀吉の配下の能吏。だが人の心や存在を証明できないそれに疎く、霊武者も話半分に対応していたがその存在に肥大化に感情を乱され、小田原攻略の際に鶴ヶ丘八幡宮に陣を張ってしまい霊武者たちにより惨殺された。
福島正則、加藤清正……秀吉の親族で武闘派。霊武者の攻撃にも真摯に対応していた。
黒田官兵衛……九州征伐の後豊前を与えられたが、小田原攻略のために九州から呼ばれる。九州で謎の武者の攻撃を強引にしのぎ切った経験持ち。最終的に秀吉により武蔵・相模に移された。
◇東北諸侯
南部信直……南部家の二十六代目の当主。童神により殺される。
阿南姫……伊達政宗の伯母だが、二階堂家の実質的当主。人取橋の戦いにより諸侯が壊滅する中唯一生き延びていたが、奥州統一連合の成立と共に降伏した。
岩城常隆……岩城家の当主。人取橋の戦いにて自害した。
白川義親……蘆名家の武将。佐竹義広を跡目に迎えていたが親子して人取橋の戦いにて討ち死に。
金上盛備……蘆名家の重臣。蘆名の執権と呼ばれる存在であったが亀王丸を担ぎ出して挑んだ人取橋の戦いにて強引な用兵を繰り返し敗死、金上家が蘆名家内での信用を失い蘆名政道の台頭を許すきっかけを与えてしまった。
◇過去の人物
源義経……源義朝の九男。兄頼朝のために戦い平家を滅ぼすも、過大な影響力を持ちすぎたために頼朝に疎まれ対立してしまう。その後東北に逃げ込むが藤原泰衡の裏切りにより、衣川にて死亡。
およそ四〇〇年の時を経て蘇り、自身を殺した源氏の血を襲うべく、今の天下人を見定めるべく動き出す。その過程で現状を知り、その上で北条氏政に憑依。武士としての最期の戦いと勇名を残すべく戦う。氏政の肉体の死と共に成仏した。
八郎……義経の息子。
静御前から生まれたのちすぐ殺されたが、やはり四〇〇年の時を経て蘇り、父親の力を受けたかのようにとんでもない存在となり「童神」とあがめられるようになった。父を同じく源氏の血を持つ存在を襲うが、父親より無差別的で南部一族を滅ぼしたのも彼の仕業。
それでも伊達政宗や大浦為信との出会いや母父との再会により徐々におとなしくなり、小田原城にて父親と再会。北条氏直に憑依し、最後まで戦い抜いて成仏した。
名前は再会後義経自ら自分より佳いと言う事で命名。
静御前……義経の側室。
作中では死後馬に転生していた。
佐竹義重の愛馬となっていたが人取橋の戦で息子の存在を認め息子の愛馬となる。
馬となっても息子への愛情は変わらず、終盤肉体のない息子を連れて小田原城へと赴き、小田原城内で戦う夫の愛馬として二人の死を見届けた。
郷御前……義経の正室。
衣川で死んだ後南部家の侍女に転生していたが義理の息子の到来を感じ童神となっていた八郎に仕える。一応大浦家の侍女となっていたが大浦家にはなつかなかったようであり、伊達家に引き取られ小田原攻めの際に小田原城へと送られた。
戦後は衣川の社を守っている。
武蔵坊弁慶……義経の忠臣。
義経の復活を感じ現世に蘇り、松田憲秀の体を手に入れて最後まで戦い抜いた。
常陸坊海尊……義経の忠臣。
こちらも現世に蘇り大道寺政繫の体を手に入れたが、天寿を全うしたためかあまり強くなかった。
源頼朝……鎌倉幕府を作り上げた初代征夷大将軍。だが自分を除く兄弟を皆殺しにするなど非道な行為も多かった。
初めての武士の天下人としてあがめる存在も多かったが、義経の怨念によりその功績を徹底的に破壊される事となり「権勢欲にとり憑かれた男」と呼ばれるようになってしまった。
安達清経……八郎を水に放り込んで殺した頼朝の家来。当然頼朝の名前を汚されたように彼の名前も汚される事となった、と言うか空前絶後の極悪人となった。
梶原景時……源頼朝の側近。首謀者の頼朝、実行犯の清経と並んで直の命令役として悪人の烙印を押された。
北条政子……頼朝の正室。作中では頼朝の暴走を憂いながらも止めきれなかった存在となっている。




