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【40】決着

前回のあらすじ、王と対峙した。

 俺は一瞬の躊躇もなく、全身に力を漲らせた。


【身体強化】を解放。全身の筋繊維が膨張し、血流が一気に加速する。まるで自身の限界を超えたかのような感覚が、身体の隅々まで満ちる。


 さらに【速攻】と【俊敏】を併用。地面を蹴った瞬間、視界が一気に流れ、俺の姿は残像すら残さずロードウルフの懐へと入り込んだ。


 同時に、右腕に装着する武器を変更。以前手に入れた【破壊の拳甲】が、その手にしっかりと収まる。


 オーガの拳から作られたその拳甲は、俺のパンチに凄まじい破壊力を付与する。一般人が装着するだけでコンクリートの壁すら粉砕する威力を持ち、攻撃のたびに小規模な衝撃波を発生させ、周囲の敵を吹き飛ばすことが可能だ。ただし、使いすぎれば拳への負担が大きくなる。


 だが、そんなことを気にしている余裕はない。


「――喰らえッ!!」


 俺は渾身の力を込め、【石化の拳】をロードウルフへ全速力で叩き込んだ。


 拳甲が重い衝撃音とともに炸裂し、凄まじい力が拳から流れ込む。ロードウルフの毛皮を貫通し、その下の筋繊維や組織を無慈悲に破壊する。拳の接触部分から広がる石化の波動が、相手の動きを一瞬鈍らせた。


 だが、俺はここで止まらない。


【身体強化】のお陰で強度が高まっているのか、拳にダメージはなく、さらなる一撃を放つべく前へと踏み込んだ。


 ロードウルフが吠えようとする。しかし、その瞬間にはすでに次の拳が突き込まれていた。


「終わりだ――!!」


 破壊の拳が、ロードウルフの胸元を完全に打ち砕く。


 轟音とともに衝撃波が炸裂し、大気を震わせる。ロードウルフの巨体が吹き飛び、地面を転がる。石化の波動がさらに広がり、その四肢を覆っていく。


 ロードウルフの目から覇気が消え、身体が石と化した。


 数秒後――静寂。


 砕けた石の塊が散らばる。


 勝負は決した。


 俺は荒い息をつきながら、握った拳を見つめた。手にはまだ熱が残っている。


「……やった、か」


 疲労がどっと押し寄せるが、勝利の実感がそれをかき消していた。


『フッ、やるじゃないか』


 戦いの熱が冷める中、俺は静かに拳を開いた。


 俺は深く息をつきながら、ロードウルフの倒れた場所へと歩み寄った。戦闘の余韻がまだ身体に残る中、慎重にドロップアイテムを確認する。


 まず目に入ったのは、淡く輝く石。手に取ると、ひんやりとした感触とともに、かすかに風が渦巻くような気配を感じた。これが何なのかは分からないが、ただの石ではないことは確かだ。


 次に、地面に落ちていたのは上質な毛皮のマント。毛並みの美しさと手触りの良さからして、並の装備ではないのは明らかだった。まるで狼の王の威厳を宿しているかのようだ。


 そして最後に目を奪われたのは、ロード・ウルフの魔石だった。


「……珍しいな」


 掌に収めた魔石は、緑と白が入り混じった独特の色合いをしていた。魔石の色は通常、そのモンスターの特性を反映するとされている。だが、これほど珍しい配色のものは見たことがない。


 しばしの間、それをじっと見つめる。


 何か特別な力を秘めているのかもしれない。


 俺は魔石を丁寧に収納し、視線を上げた。戦利品は十分だ。だが、まだ気を抜くわけにはいかない。慎重に周囲を確認しつつ、帰還を決定する。


「帰ろう…」


 疲れた。

決着ゥゥーーーッ!!

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