【27話】第三階層、ボス
学校が終わった後、新宿ダンジョンに向かった。夕方の柔らかな光が差し込む中、街の喧騒を背にして地下へと足を踏み入れる。ダンジョンに入ると、いつもの冷たい空気が肌を撫で、緊張感が高まった。
1層目では、特に強力なモンスターは現れず、軽く【影】を操りながら適当に狩りをこなした。影のスキルを使うたびに、その効率の良さを実感する。前の持ち主はなんで強盗なんかしたのだか検討もつかない。だが、ここはただの通過点。目的はもっと深いところにある。
2層目も同様にスムーズに進み、時折現れるモンスターを【石化の拳】で一撃で仕留める。【再生】のおかげで、些細な傷はすぐに治り、体力の維持には問題はない。
そして、3層目に到達した。オーガを慎重に狩りながら前に進む。ボス部屋らしき部屋の前にはオーガが4体座っている。談笑しているようだ。
ボスエリアに足を踏み入れると、巨大なオーガが目の前に現れた。その巨体は圧倒的で、筋肉の盛り上がった4本の腕にはそれぞれ武器が握られている。オーガは咆哮しながら、ゆっくりとこちらに迫ってくる。
まず、【身体強化】を使って一気に距離を詰める。オーガが大きな拳を振り下ろしてくるのをギリギリでかわし、【石化の拳】で反撃する。しかし、オーガの耐久力は驚異的で、石化の効果がすぐには現れない。
次に【影】を使って、オーガの足元に影を絡め取る。動きを封じつつ、【短剣術】と【速攻】で連続攻撃を仕掛けるが、オーガは怯むことなく反撃してくる。上右手の斧と下左手の刀の一閃を避けたものの、重い足蹴りの一撃を腹に受け、体が吹き飛ばされた。骨が何本か逝ってしまったみたいだ。痛い。すぐに【再生】で傷と骨を治し、再び立ち上がる。
最後に、オーガとの距離をとり、喉の痛みを覚悟しながら【咆哮】を放つ。巨大な音波がオーガを直撃し、その動きが鈍くなる。この隙を逃さず、【身体強化】で一気に力を高め、再度の【石化の拳】でオーガの頭部を強打する。
ついに、オーガは崩れ落ち、勝利の証が目の前に転がる。
そこにはグローブのような物と何度も脈打ち、音を鳴らす、心臓があった。
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《次回》死の気配
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