【23話】黒髪の女の子
また呼び出し!?今度こそ告白?
翌日、颯人からまたスマホにメッセージが届いた。
〈屋上に来い。ちょっと会わせたい人がいる〉
とのこと。誰だろうかと思いつつ、俺は屋上へと足を運んだ。
ドアを開けると、颯人が黒髪の女の子と一緒に立っていた。彼女は肩にかかるほどの黒髪で、毛先が内巻きに揺れている。見覚えがあった。昨日、助けたあの子だ。
「風雅、紹介するわ。こいつ、黒崎凛や。昨日助けてくれたことに礼を言いたい言うてるで」
颯人がそう言うと、黒崎は少し恥ずかしそうに俺の前に出てきた。
「黒崎凛です。昨日は本当にありがとうございました」
彼女は深々と頭を下げ、静かに感謝の言葉を口にした。その姿を見て、俺はなんだか気まずくなってしまった。
「いや、そんな…礼なんていらないよ」
俺がそう言うと、彼女は軽く笑って頭を上げた。その顔には、事件の日の苦しさは感じられない。どこか落ち着いた、穏やかな表情だ。
「風雅くんって言うんだよね?良ければこれからも仲良くしてくれると嬉しいな」
彼女はそう言いながら、少しだけ照れたように笑った。その笑顔を見て、俺は少し戸惑いながらも頷いた。あ、自己紹介してなかった。
彼女はそう言いながら、少しだけ照れたように笑った。その笑顔を見て、俺は少し戸惑いながらも頷いた。
「もちろん、仲良くしよう」
軽い返事をしたが、何か彼女の柔らかな雰囲気に安心感を覚えた。颯人がその場を仕切るように、腕を組んでにやりと笑う。
「じゃあ、俺はこの辺で退散するわ。二人で話しとけよ」
そう言って、颯人は軽やかに屋上を後にした。ふざけんな。
少し気まずい沈黙が流れる中、風が二人の間を吹き抜ける。黒崎はフェンスの方に視線を移し、しばらく沈黙していたが、やがて振り返って俺に微笑みかけた。
「本当に助けてくれてありがとう、風雅くん。昨日は…正直、怖かった」
「そりゃ、あの状況なら当然でしょ。誰だって怖いよ」
俺は彼女の言葉に頷きながら、少しでも彼女の気持ちが軽くなればと思い、そう返した。
「…これからは普通に学校生活を送れるといいな」
彼女の言葉に、俺もそうだなと心の中で同意した。普通の生活、それが彼女の望みなんだろう。
「そうだな。もし何かあったら、いつでも言ってくれ」
俺は軽く笑いながら、そう付け加えた。カッコつけ過ぎだろうか。彼女は微笑み返し、ありがとう、と小さく呟いた。
可愛い、別にそういうのじゃないけど、連絡先ほしいな。いや、いきなりはキモいか?いや、仮にも助けているわけだし、連絡先ぐらいもらってもバチは当たらないんじゃないだろうか。
「あの…えっと…」
「ん?」
{
言えねえ!言えねえ!よーし【身体強化】開放!【身体強化】開放!【身体強化】開放!
うおおおおおおおおおおおおおおおお。あ、だめだ意味ねえ。あれ、俺、【気合】のスキルとかないのか!グリム!ぴったりのスキルとかないのか!
『スキルに頼んなよ、【自爆】でもしてろ』
あのスライムから取ったクソスキルじゃないか。そんなもん使ったら二人とも肉片だわ。
『普通に聞けばいいだろ』
たしかし。
}(この間0.4秒)
「れ、連絡先交換しよ!!」
やばいでかい声でた。
「うぉぁ、うん、私も言おうと思ってた」
しゃあああああああ。びっくりしたよねすまん。
しばらくして昼のチャイムが鳴り響き、俺たちはFineを交換したあと、屋上を後にして、それぞれの教室に戻った。
授業中、ウサギのスタンプが送られてきた。かわいい。
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《次回》新宿ダンジョン第三階層突入
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