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【第1話】普通の日常―『能力の覚醒』

スキルコンプとかいうこの世界特有のアレ

 俺は、周囲の人々が持つ特殊なスキルに対するコンプレックスを抱えながら、普通の日常を過ごしていた。「なんで俺だけ、何も無いんだろう?」と、いつも思っていた。学校ではスキルを持つ生徒たちが注目を浴び、俺はただの影に過ぎなかった。


 しかし、そんな普通の一日が、予期せぬ出来事で一変した。俺は図書室で静かに過ごしていたのだが、、、


「さっきの体育の時間で怪我してた子、貴方が治療したんでしょ」

「いいだろ治療ぐらい...」

「涼介以外にも治療できる人はいたでしょ!!」


 突然の喧嘩によって静寂は破られた。

 図書室では静かにしろと習わなかったのだろうか。まったく、うるさくて勘弁してほしい。


「怪我人を治療して何がわりぃんだよ!!」ドンッ!


 本棚が倒れる音と共に、俺は恐怖と驚きで凍りついた。何とか避けようとしたが、間に合わず、本棚と共に床へと倒れ込んだ。

 その混乱の中、俺よりも先輩と思われる人も巻き込まれ、彼女は俺をかばうように本棚の下敷きとなった。


「え!?」

「わりぃ! 大丈夫か!?」


 なにか聞こえるが、それよりも...


(何か口のなかに...!?)


 何か口内に異物の侵入を感じた。

 その瞬間、俺の意識は沈んでいった。


 意識を取り戻した時、俺は校医室のベッドの上にいた。あの人はどうしたのだろうと気になりながらも、特に不思議な感覚はなかった。それよりも横に何かいる。


「さっきはマジで悪かった! 」


 どうやら本棚を倒した男らしい。


「俺、本郷涼介(ほんごうりょうすけ)っていうんだ」


 隣のクラスの本郷涼介というらしい。涼介は短髪で、どこか頼りがいのある雰囲気を持っていた。


「まだ痛かったりしねぇか?」


 優男らしい。いや、そんなことよりもだ、


「横の人は大丈夫でしたか!?」


 大きな声を出してしまった。


「ああ大丈夫だ、もう仲直りしたよ、もうすぐ戻るってさ」


 違う、そうじゃない。


「いや、あの、俺の横にいた人です」

「いや? お前だけだったぞ」


 何かがおかしい。


「意識ない時の夢の話じゃねえのか?いや、原因は俺なんだけどよ」

「えぇ...」


 夢じゃないと思うんだがなぁ...


 ガラガラッ


「涼介~まだー?」


 ギャルだ。制服はきちんと着こなしているものの、どこかアレンジが加えられていて、個性が感じられ、スカートは少し短めで、髪は明るめの色に染められており、ポニーテールが揺れている(早口)。


「おお奈々(なな)、目ー覚ましたぞ-」


 元気ハツラツです。


「ふーん」


 興味なさそ-


「んじゃ帰ろーよー」

「それもそうだな」


 俺は一人で帰るぞ-


「おーい帰ろーぜー、えーっと、名前聞いてねえわ」

「あっ、飯野風雅(いいのふうが)です」

「じゃあ風雅はよ準備!」


 一緒に帰ることになった。

 ギャルはあとから教えてもらったが、夏川奈々(なつかわなな)というらしい。


「あそこまで怒んなくてもいいよな-、なぁ風雅」

「巻き込まんでください」

「そーよあんたが悪いんだからー」

「あ?」

「あ?」


 仲が良さそうで何よりだ。

 そんなこんなで3人で歩いていたら、油の美味しそうな香りがコンビニから漂ってきた。まったく...ナミチキが食べたくなるじゃないか。けしからん。


「コンビニよるか」

「あり」

「いいよ」


 ナイス涼介である。


 テレンッ♪テレンッ♪


 ナミチキを買うことは確定している。だがバンズを買う勇気は俺にはない。

 決断というのは力を持つものがするものだ。俺のような矮小(わいしょう)な人間がすることじゃない。コーラでも飲めばいいのだ。

 コーラを片手にレジまで歩いていたその時だった。


「強盗だ! 金を出せ!!」


 どうやら俺の日常が再開するのはまだみたいだ。

強盗さんにげてー(棒)

いかがでしたでしょうか、よろしければ、ブクマ、あと、ちょーっと下にスクロールしていいね、☆☆☆☆☆に評価をつけてくれると嬉しくて、トビます(迫真)。


《次回》【第2話】闇の力、その目覚め――『影の抗争』


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