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【16話】トール?グランデ?ベンティ?S、M、Lだろうが

ヒロインはまだ出ません。ただ、あの子が出ます。

学校が始まるまで、まだ1時間半ほどある。時間を潰すために、俺は学校の近くにあった「スタッブラクス」に初めて立ち寄ることにした。スタブはいつも混んでいて、授業前に立ち寄る生徒たちで賑わっていると聞いたことがある。


だが、店内に入ると、まず目に入ったのは、まるで暗号のように並べられたメニューの数々だった。


「えっと…何を頼めばいいんだ?」


普段、コーヒーなんて飲まない俺にとって、これほど難解な選択肢はなかった。サイズは「トール」「グランデ」「ベンティ」とか言ってるし、コーヒーの名前もなんだか聞き慣れないカタカナばかりだ。サイズはS,M,L,コーヒーなんてアイスかホットで充分だろ。


「ええと…」


レジの前で迷っていると、後ろに並んでいる人たちの視線が刺さるように感じる。焦りながらも、何とかメニューを確認しようとするが、結局何が何だか分からない。


「あの…一番人気のやつで」


「かしこまりました。カプチーノのトールサイズでよろしいでしょうか?」


「…はい、それで」


無難に選んだつもりが、実際に何を頼んだのかも分からないまま、カウンターで待つことに。注文を済ませた後は、店内の落ち着いた雰囲気に包まれながら、カフェの一角に座った。


カプチーノが運ばれてくると、俺は一口飲んでみる。…苦い。


「まぁ…朝だしな…」


とはいえ、この時間のカフェで過ごすのも悪くはない。窓から差し込む朝の光に照らされながら、少しだけ大人になった気分を味わっていた。


店内でカプチーノを楽しみながら、さっき財布を出したときに目に入ったEランクの冒険者カードを見る。翌々考えたら、この強さでEランクだと怪しまれるだろう。スマホを取り出して冒険者ランクの上げ方について調べることにした。ネットサーフィンをしながら、様々な情報に目を通す。


「冒険者ランクの昇格条件について…」


まず、Cランクに昇格するための条件が記されているページを開く。情報によると、Cランクは中級ランクであり、以下の条件を満たす必要があることがわかる。


Cランク


- 能力: 基本的な戦闘技術を習得し、モンスターに対する対応力を持つ。

- 推薦: ギルドからの推薦が必要な場合もある。

- クエスト: AMCが出すクエストの達成。


「なるほど…」


Cランクになるためには、基本的な戦闘技術とモンスターに対する対応力を持っている必要があり、さらにギルドからの推薦が必要だということが分かった。また、AMCが出すクエストも達成しなければならないらしい。


「全然詳しく載ってねぇ…」


ギルドに直接行くしかないんだろうなぁ

正直、なんとかなるだろう。


カプチーノをゆっくりと味わいながら過ごしていると、気づけば時間はすでに午前8時近くになっていた。店内には、徐々に増え始めた客たちの声が響き始め、スタブの朝の活気が感じられる。


「そろそろ行くか…」


カプチーノを飲み干し、店を出る準備を整えた俺は、席を立ち、カウンターにカップを返す。すでに午前8時を回り、店内は朝のラッシュに向けて賑わい始めていた。そんな中、俺は静かにスタブを後にしようとした。


しかし、ちょうどその時、店の入り口から明るい声が聞こえてきた。


「えっ、風雅クンじゃん!」


声の主は夏川奈々――この前の揉めてたカップルの女の方のギャルだ。彼女の隣には、同じように華やかな服装をしたギャル友達が数人一緒にいる。


「あっ、夏川さん…おはよう」


少し驚きながらも、俺は挨拶を返す。まさか、ここで彼女たちに会うとは思わなかった。朝早くからこんなところに来るなんて、正直、意外だった。


「こんな朝早くからスタブにいるなんて、風雅クン、意外とシャレてるじゃん?」


奈々が笑いながら言う。


それ褒めてる? 褒めてないなら泣いちゃうよ?


「いや、今日はちょっと早めに学校行こうと思って…」


俺は少し照れくさそうに答えた。普段の俺とは違う光景に、心なしか落ち着かない気分になる。


「そっかぁ。早起きなんだね。あたしたちはちょっと遅刻しそうだから、急がなきゃ!」


奈々はニコッと笑い、友達に「この子、隣のクラスの風雅クンだよ」と紹介していた。友達も軽く会釈をしながら、店内へ入っていく。その明るい笑顔と軽やかな雰囲気が、なんとなく朝の空気をさらに軽くしてくれるようだった。


店を出ると、ひんやりとした朝の空気が頬を撫でた。学校までは歩いて10分ほど。朝の通勤ラッシュに紛れながら、駅から流れてくる人々を避けつつ、いつもの通学路を進む。


街はまだ忙しさを感じさせる時間帯ではなく、朝日がビルの間から差し込んで、ゆっくりと新しい一日が始まろうとしている。


学校の門が見えてきたころには、通りすがりの自動車の音や、自転車に乗った学生たちの姿が徐々に増え始めていた。まだ登校している生徒は少ないが、朝早くから学校に来る生徒もちらほら見かける。


「さて、今日も頑張るか」


学校の正門をくぐり抜けると、いつもの光景が広がっていた。静かで平和な朝の時間が、少しずつ活気を帯び始めている。これから始まる一日に備えて、俺は心を引き締め、教室へと向かうことにした。

次回は学校回です。


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