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第十四話

 そうして戦闘が終わり、それに伴い怪我人が幾人(いくにん)も運び込まれ、それらを治療しているうちに、夜が明ける…


 眠気に支配され、眼をこすり欠伸(あくび)を噛み殺しながらも考える…夜が明けなければよかったのにな、現実を見ずにすむから…

だが夜が明け赤十字を掲げた天幕に、カレンヴィラの使いの兵士が現れコロ村の村長宅へ来いと言われた以上は行かざるをえまい…


 そうしてカレンヴィラの部下の兵士達に後事を託して、ツバキとグラグを護衛に天幕を出て、南側の逆茂木が有る坂道を登り始めるのだが。

往時(おうじ)は堅牢さを示していた門は、(かんぬき)はへし折れ、片方が地面に倒れた扉に、周囲には弓矢に血の跡に複数の死体と、攻防戦の凄まじさを物語っていた…


 身動(みじろ)ぎ1つしない死体を(また)がない様に避けながら進んでいると、門を越えたところで足に何かが引っかかったので足下を見ると、カッと眼を見開いた額から矢を生やした焦げた金色のロングヘアーの女性の死体の手が俺の足に当たっていた。

「これは失礼をした」そう言いながら冥福を祈り、眼を閉じさせようと(まぶた)に手を伸ばすと…

「助けて…」とか細い声が聞こえてくるのであった。


 額から矢が生えているのに、何で即死していないのかな?

まあ鉄棒が脳を貫通しても即死せずに外科手術で助かった人もいるんだし、ありえなくはないか。

だが、正直助けたくない…

理由は2つ有る。1つ目としては単純に後遺症の類がある、実際鉄棒が貫通した男性は前頭葉を損傷したために人格が変化したハズだ。

まあ光の奇跡の強力な回復によって、脳の損傷も治せる可能性は十二分にあるが、それをふまえた上でも…


 女性に顔を寄せて無駄かもしれないが懸念事項(けねんじこう)を伝える事にした。

「君は頭を損傷している。治療が上手くいっても人格に変化が起きる可能性は低くない。

そして、人格が変化しなくても強姦輪姦の対象となるだろう。

それらを望まぬならば、慈悲の刃の奇跡は生憎(あいにく)(たまわ)って無いが、首筋を切り裂くくらいはしてやるが?」

この言葉を受けた女は…

「良いの、助けて」

まあ、そんなもんか。そもそもこの提案は俺の良心の呵責(かしゃく)の問題だしな。

「強力な回復!」

効果は覿面(てきめん)で額の矢は押し出され脳も再生したのか、障害を負うことも人格が変質することも無かった。


 そうしてコロ村に住まう女性、名前はライラ・フォン=ミゼルといいトッチ村長の姪にあたる人物を伴い村長宅を目指そうとすると…

予想はしていた事だが、民家から絹を裂くような悲鳴と泣き声と嬌声(きょうせい)が聞こえてくるのであった…

この世界ではよくある事だし、前の世界でも俺は平和な日本に居たから関わらなかっただけで、よくあったのだろう…

だが、現実に直面すると、想像以上に不快だな…

今すぐに民家に乗り込み闇ではなく光の飛礫を乱射したい気分になる…

だが残念ながら、略奪強姦を行っているクズ共は味方だ…味方なのだ…


 そしてさらに不快な出来事を目の当たりにする…

何を見たのか?まあアレだダンダが暴力とセックスを同時に楽しんでいた…あとリオンは体格が小さい、ひょっとしたら子供かもしれない女の子を相手に楽しんでいた…

これからは2人との付き合いは深くて広い溝が出来るだろうな…


 見るに耐えない、酸鼻を極める光景を尻目に村長宅へとたどり着き…

兵士に出迎えられてカレンヴィラの元へ案内されると。

「よく来たな夕凪朝日よ。この者を処刑する前に(けい)と面通しをしておきたかったのだ。

この者がトッチ・フォン=ミゼルで相違ないか?」

ボコボコに顔を腫らし、右目から涙とは違う白い液体を流している、前歯のほとんどがへし折れ1本しかない中年男性が後ろ手に縛られて椅子に座らされていた…

「面相が変わり果てて分からないですね。治療をすれば分かるとは思いますが」

「ふむ…そうだな治療しろ。村長を処刑する事により村民達の心を適度に折れるし我々に従うためのセレモニーになるだろうしな」

適度に折らずとも、とっくに折れてる気がするのだが…この世界の人間は折れないのか?

それに処刑がセレモニーとは、ずいぶんと野蛮に感じるのだが?

いや、だが、この世界出身でない俺が口だしすべきではないか?そうだな、まだまだこの世界の常識を学びきったとは言えない。ならば1歩か2歩引いて観察して、今後の(かて)とすべきだろうな。


 そうして治療を行うと…

トッチ村長の潰れた右目は見事に再生して、歯は残った1本を除き健康な歯が生えてきて、ボコボコに腫れた顔は傷1つ無くなった。

この光景を見て、確信に(いた)った。

これは前の世界よりも優れた治療と言えるんじゃないか?

そうだな100年後ならともかく、今の時代では再生医療はまだ研究段階のハズだったし。

エルザと俺とライラの治療で確信しとけ?ある程度はそうだと思ってたんだけどさ、やはり目視すると違うよね。


 とまあ治療自体は上手く行ったのだが…

治療を受けたトッチ村長は後ろ手に縛られたまま何故か暴れ始める。

何で暴れ始めたんだ?と思うのも(つか)の間、答えはトッチ村長の口から出てくる。

「貴様!夕凪朝日!殺してやるぞ!よくも娘を(けが)したな!」

最初に交渉(こうしょう)のために村に入った時も、今もそんな事はしてないのだが?何やら誤解があるのかもしれんな。と考えた時に思い至る。

そういえばトッチ村長と同じ名字の女が後ろに居るなと。


 そしてそれはグラグとツバキも思い至ったのか2人もライラを見つめていた。

「はい、実はトッチ・フォン=ミゼルの娘のライラ・フォン=ミゼルです。

お父様、私は何もされていません。衣服が泥で汚れているのは額に矢を受けて昏倒(こんとう)していたからです」

納得した様子のトッチ村長を尻目に、発言を()(つぶ)す言動を何故かカレンヴィラはするのであった。

「なるほど!ライラ殿は!夕凪朝日によって汚されたのだな!つまり!ペリノア様の愛人にするわけにはいかんな!」

自らの名誉のためにも否定すべきだろうな。

「一応はっきりと言いますと、何もしていないとヴェスペラ神に誓いましょう。

そしてカレンヴィラ隊長殿、俺の戦利品になった方がマシって、ペリノア男爵はどれだけヤバイ性癖をしているんですかね?

もしもそうならエルザ殿は無事ではすまないと思うのですが?」そう質問すると。


 「朝日よ、ペリノア男爵だぞ。粗相があればスグにでも殺されるとは想像出来ないのか?

エルザは上手く立ち振る舞っただけだ」

「ペリノア男爵って女性相手でも、あんな感じなんですか?」

「そのとうりだ、愛人になれば早晩死ぬだろう。

あとな、敵であるアーガイル男爵の部下の娘がペリノア様の愛人になるのは色々とマズイ」

「まあ、そりゃあそうですね。パッと思いつくだけでも暗殺か籠絡(ろうらく)を思いつきますし」

「そうだ、故に朝日の戦利品として扱うがよい。

これで構わんなトッチよ。そもそも貴公が和平を反故にしたのだ文句を言えた立場ではなかろう。

身代金を要求する事なく処刑になるのも、それが理由なのだぞ」

そういえば、中世ヨーロッパなら貴族を捕らえた場合は身代金を要求するものだったな。


 「違う!某は命令をしていない!本当に和平を結ぼうとしていた!嘘じゃない!」

「そう言われてもな。俺は心臓をぶち抜かれて死にかけたわけだし。

敗北してから手違いだのなんだのと言われても困るんだが」

てかこちらの兵士も10人死んでるし、コロ村の住人も相当数死んでいるしな。マジで今さらだよな。

実際トッチ村長も、ぐうの音も出ないのか押し黙っていた。


 そうしてトッチ村長の処刑が始まるよー!

方法は!生贄の儀式によって()り行われるよ!

執行人(しっこうにん)は!当然の事ながら、俺である…どうせならパワーアップするために志願したのだが…

人々の耳目を集める中での生贄の儀式はあまりやりたくないな…

すみません辞退していいすか?衆目の面前で殺人はあまりしたくないんすけど…駄目すかそうすか…


 仕方ないので猿ぐつわを噛まされたため「むーむー」うるさいトッチ村長(いけにえ)の心臓に、ヴェスペラ神の聖印が刻まれたナイフを振り下ろして絶命させるのであった。

感慨(かんがい)は正直無いな、前に殺した中年女奴隷の時はかなり迷ったし悩んだんだが。

まあ今回はトッチ村長の自業自得なところがあるし仕方ないよな。


 やがてヴェスペラ神の念話が聞こえてくる。

『よくぞ2体目の生贄を我に捧げたな夕凪朝日よ。

素晴らしい働きに我は満足だ。生贄ポイント100に同族ポイント100で合せて200ポイントを与えよう。

あるいは願いを叶えよう、何なりと申すがよい』

願いか、いくらでも思いつくが今はまだパワーアップの時間だろうな。

1番の願いのヴェスペラを抱きたいは叶えてくれんだろうしな。

となると必要そうなのは、労働力の確保のためにレベル5の闇の奇跡のゾンビの作成にレベル6のアンデッドの作成と、レベル6の光の奇跡の死者蘇生にレベル3の奇跡を全部で16+32+32+64=144を使うと…


 レベル7の闇の奇跡に若さを奪うという奇跡がある事が分かった…

使用せずに貯めていたポイントが8ポイント有るからギリギリ手に入る…

ううむ悩むなあ…個人的には能力やスキルを奪う類の能力は好みではないんだが…若くなりたい切実に…十代二十代の肉体を取り戻したい…だが嫌いな能力だ…実際レベル6の闇の奇跡にある能力を奪うは食指も動かんしな。

だが欲しい…と体感時間で1時間ほど悩み抜いていると。

『我が信徒、夕凪朝日よ1つ知識を与えてやろう。

レベル10の光の奇跡に若化の祈りという奇跡がある。

どうしてもと言うなら、そちらを選べ。

ていうか100ポイントで若くしてやるぞ』

では100ポイントを貯めるか、生贄を捧げます。

生贄は良いのか?という文句が聞こえてくる気がするが、単純に好みの問題だしなあ。

それに多分生贄を捧げる時も、それはそれで悩むだろうし、中年女性奴隷の時はともかく、トッチ村長のような時に罪悪感がわくとは思えん。


 残りの64ポイントは、使用回数を50回増やして14ポイントは身体能力にまわそう。


 覚えた奇跡も多くなってきたし、身体能力に使用回数もあるから総括(そうかつ)してみるか。

覚えた光の奇跡は…

レベル1は供物に回復に浄化に軽い毒消しに平静に加護に退魔に精神力を与えるに魔法抵抗強化に神の助言

レベル2は視力の回復に聴力の回復に聖なる武器に光の飛礫に敵意の察知に覚醒に高揚に解除に聖なる鎧に祝福

レベル3は毒消しに聖なる光に強力な回復に聖なる壁に持久の回復に生命の強化に断固たる祈りに光の奇跡の強化に光の一撃に平和への祈り

レベル4は病気の治癒に麻痺の治癒に安眠の祈りに聖別を受けた軽食

レベル5は聖印を刻むに視力増大

レベル6は死者蘇生

闇の奇跡は…

レベル1は生贄に闇の飛礫に狂気に撹乱に弱い呪言に精神力を奪うに魔法抵抗弱化に闇の奇跡の強化に(かす)り傷を与えるに神の助言

レベル2はインプの召喚に視力を奪うに聴力を奪うに闇の武器に混乱に解除に闇の鎧に闇の一撃に弱い闇の肌に高揚

レベル3は狂戦士化に毒手化に闇の壁に持久の呪いに生命の呪いに治療の妨害に強力な闇の飛礫に弱い衝動に闇の回復に祝福

レベル4は舌の呪いに恐怖の呪い

レベル5は飛翔の祈りにゾンビの作成

レベル6はアンデッドの作成

そして使用回数は150回で身体能力は164%か。


 さてと確保されている家のベッドで安眠の祈りを使い睡眠を取るとしょうか。

完徹後だから、グッスリと眠れるだろう。

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