クラス分け
「クラス……違かったな……」
「そうだな……」
4月それは始まりの季節、昨日から新学期が始まり新しく高校生となった大河と巧であったが、まさかの違うクラスという、始まって早々出鼻をくじかれてしまうのであった。
そんなクラス発表から一夜明け、今日も二人は一緒に登校をしていた。
「…………」
「いつまで落ち込んでるんだよ、落ち込んでてもクラスは変わらないぞ」
「…………」
「こりゃダメだ」
大河の言葉に対して巧は朝だからということもあるのかもしれないが、全く言葉を発することをしなかった。
「……朝ごはん……食べ忘れた……」
「そんなんどうでもいいわ! さっきまでの会話を忘れたのか?」
「昨日の晩御飯の話だっけ?」
「違うわ、クラスの話だよ」
「そんなんとっくに割り切って、全力で今のクラスを楽しんでるけど」
大河は心の中で『それじゃあ今日の話の切り出し方は何だったんだよ』と少し怒り気味に思っていたが、ここは電車の中、そこまで大きな声は出してはいけないと思い、言葉にするのを踏みとどまった。
「それじゃあ今日の話の切り出し方は何だったんだよ!」
踏みとどまれなかったようだ。
「それはだな、あれだよ、あれ。そう大河のためを思ってあれしたんだよ」
「あればっかで何が言いたいか全く分からないけどな」
「それで、大河のクラスはどんな感じだった?」
「話を変えたな?」
この大河の言葉に巧は昨日と同じようなとぼけた顔をして何とか乗り切るのであった。その一方で大河は先ほどまでの話に言及するのは諦めて、新たなる話題へと話を変えていった。
「どんな感じと言われてもなぁ、ホームルームの時間に軽く自己紹介はしたけど、特に目立った生徒はいなかったな」
「つまらないねぇ」
「そんなこと言うなよ、そう簡単にクラスに目立つ奴がいるわけないだろ。アニメじゃないんだから。それに、昨日はまだ初日だからクラスのことを話すも何もなぁ」
「大河は人を見ても何も感じない人外だからな、しゃーないか」
「明らかに悪口言われてるんだが」
「だって本当のことじゃないか」
「本当のこと言うなよ、せめて冗談にしてくれ」
「じょ……冗談? そんなの俺は言ったことないね」
「今まさに冗談を言ったよ」
大河のこの言葉に対して巧は言葉を返すことはなく、ただ無言で表情だけが徐々に変わっていった。
「……だんだんと口を開けていくのやめてもらえます? 何にも嬉しくないから」
「…………」
「……だんだん口を閉じるのやめてもらえます? あと、そのとぼけてるようでとぼけてない変顔をやめろ、俺の拳がお前の顔を貫くぞ」
「さてと、クラスの話だっけ」
「手のひら返しがすごいな……。クラスの話だけど、巧のクラスはどんな感じなんだ?」
「そりゃあもう、すごかったよ。全員がアニメのキャラクターみたいな感じだったね」
「具体的にはどんな感じだったんだ?」
「あっ、駅に電車着いたから行くぞ」
巧の言葉で大河は窓の外を見ると電車が駅のホームで停車するためにゆっくりと走っている状態であった。
「まだ着いてないんだけど、逃げようとしてないか?」
「まっさかー、俺のクラスが何もないわけないじゃないか。本当はたくさん話したいんだけど、駅に着いちゃったからなぁー本当に残念だ」
「…………悪口言ったこと忘れてないからな」
大河が言葉を言い終わった瞬間電車は完全に駅のホームに到着し、電車のドアが開く。
「…………」
「あっ、無言で逃げやがった」
ドアが開いた途端無言でスタスタと、電車から巧は出て行ってしまい、その巧をすぐさま大河は追うのであった。
こうして二人は学校に向かい、新学期二日目が始まるのであった。
「うちのクラスなんだけどさ、本当にアニメのキャラクターみたいなやつしかいないわ」
「本当だったんかい」




