意外な裏側
日本に移住して1週間が経過した。
「今の所、何も問題はないわね」
私は台所で料理をしていた。
料理も宗一郎から教えてもらった。
最初の頃は包丁の使い方も分からず、何度も手を切りそうになったけどおかげで上手になった。
その恩恵は貴族学園の時に料理実習がありみんながワーキャー騒いでいる時に私だけ黙々と作った。
味付けも完璧で先生からお墨付きを頂いた。
「そういえばソーイチローってどうしてあんなに上手なのかしら? 余り自分のことは話さないのよね……」
宗一郎は自分の事を積極的に話すことはない。
多分、話したくない事もあるんだろうし、私も話していないことがある。
余りアレコレ聞くのもなんか嫌だし。
と、そんな事を考えていたら玄関が開き宗一郎がやってきた。
「クレア、今料理中だったか」
「あ、ちょっとまってガスを止めるから」
私はガスコンロを止めた。
「今ちょうど出来上がった所だから、それで何か用?」
「あぁ、入学願書を持ってきた。 これに必要な部分を書いて提出すれば入学試験を受けることができる」
「試験があるの?」
「筆記試験と面談だ。 クレアだったら問題はないと思う」
「でも、私ってこっちでは外国人になるわけでしょ、異世界人とはまた違うんじゃ」
「あぁ、それも問題ない」
「え?」
「俺も細かい事はよくわからないんだがたまに異世界から来る人達がいるらしいんだ」
「えぇっ!?」
「今回の学校もそういう人の専門らしい」
私以外にもいたのね……。