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ワンルームの悪役令嬢  作者: こうじ
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クレアとの出会い(宗一郎視点)

クレア視点と宗一郎視点と交互に書いていく予定です。

 俺の名は藍田宗一郎、某県某市で祖母から受け継いだアパートの管理人をやっている。


 クレアと初めて出会ったのは空き室の掃除をしていた時だ。


 いきなり洋服ダンスから金髪の幼い女の子が現れたからビックリした。


 更に異世界から時々こっちに来ている、と聞いて更に驚いた。


 俺は所謂『異世界物』の小説や漫画、ゲームが好きなのでまさか実際に存在しているとは思わなかった。


 それからクレアに日本の事を少しずつだが教えていったんだが流石は貴族のお嬢様、頭が良く物覚えが凄く良かった。


 代わりといってはなんだがクレアの住んでいる世界の事も教えて貰った。


 そこで気づいたんだ。


 クレアの世界は所謂乙女ゲームの世界でもしかしたらクレアは悪役令嬢なんじゃないか、と。


 決定的だったのはクレアが向こうの学院に入学して1年後の事だ。


「私、婚約者に嫌われているみたい」


 ボソッとクレアが呟いた。


「どうしてそう思うんだ?」


「見ちゃったのよ、妹と仲良くしている所を。それに私の悪口を言っているのを……」


 そう言って悲しい顔をするクレア。


 クレアの身の上は聞いている、幼い頃に母親を亡くしその直後に再婚相手と連れ子がやってきて肩身が狭い生活をしていた事を。


 婚約だって本人の意思とは関係なく親同士で決めた事らしい。


 そんなのどう考えたって幸せになるなんて思えない。


 俺自身がかつてこっぴどい振られ方をして鬱になってしまい当時勤めていた会社を辞めた経験がある。


「そりゃひどい話だな……」


「本当に私って悪役令嬢みたいね……」


「そんな事無いぞ、クレアが優しい事は俺が知っている」


「ありがとう、ソーイチロー……、私の味方は貴方だけよ……」


「どうせだったらこっちに生活の基盤を移せば良いんじゃないか?」


「こっちに? でも私住民じゃないわよ」


「そんなのなんとかなるよ、俺の伝を使えば」


 そして、現在に至る訳だ。


 色々なルートを使ってクレアの国籍は手に入れた。


 クレアは俺の遠い親戚、と言う事になっている。


 だから、問題はない。


 クレアの人生はこれから始まる。

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