距離が遠過ぎる幼馴染二組目
「聞いてたし、ずっと見てたわよ!一部始終...!」
「へ?」
俺と林ユーコがポカンとしてるのをお構いなしに真島マヒロとリョーヤは言い争いをしてた。
「林さんに、あんた、ラブレター送ったのね...!!」
「だったらなんだよ。こっちはな、
酷く振られたんだよ!俺からの手紙だなんて
思わずに、林さんときたら、シンジからだと思っていい返事したんだよ!!」
「つまりな、俺は振られて、シンジはオッケーもらったようなんだ!!」
「あー、そうなんだ!つまり、リョーヤは
失恋したってことね!」
「フッ...」
「あー、そうだよ、悪いかよ...!
鼻で笑いたきゃ笑えよ...!バカ!」
「笑った訳じゃないのよ。ちょっと、
あまりにも高嶺の花に告ったからビビっただけよっ」
「折角、失恋のキズを私が慰めてあげようと
思ったのにっ、バカっ!」
真島マヒロは俺とリョーヤと同じ1組。
だけど、リョーヤとマヒロがこんな風に喋る仲なんて、思ってもみなかった。
もしかして、お前ら中々に親しい仲なのか...?
そんな事を考えてたら。
キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴ったので、俺は林ユーコに目配せして、
「じゃな...!」
と手を振ってみせた。
ユーコは右手をあげ、俺に意味ありげなウィンクをして、そそくさと4組の教室に向かって歩き出した。