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学園のマドンナ(幼馴染に真実を告げる
「実はさ、その手紙さ、俺からなんだ。
その、シンジじゃなくて、俺が書いて...」
「そうなんだ...」
林ユーコは手紙に目線を落とし。
ふうとため息のような吐息を漏らしてみせた。
それが、残念がってるのか、どうなのか
真相は不明だが。
「よくよく見れば。
シンジくんの字じゃないわね。
シンジくんにしては、字が綺麗過ぎるわ」
「あ、あのさ、で、俺への返事は...?」
「俺への返事?」
「手紙だけど、その、シンジに渡して貰ったわけだけど、俺の気持ち、伝わったかな...?」
「うーん...」
「本当はさ。
面と向かって渡して欲しかったかな。
それか、直接告ってほしかったかな...」
「...ごめん」
「私、てっきり手紙はシンジくんからだと思って。
返事しちゃったじゃん」
「ごめん...」
「謝るのは私の方。
ごめんなさい...」
リョーヤは。林ユーコのその言葉に対して。
何も言わずに。
逃げるように教室へと戻って行った。