ボーイッシュな幼馴染
やがて一時間目が終わり、二時間目の移動教室の時間になり。具体的に書くと音楽室に向かう時。俺の目の前を。
リョーヤが仲良さげに真島マヒロと
並んで歩いていたから。
え。と思った。
少しして。
2人して手を繋ぎ出したから、
ええ。と思った。
やがて。時は過ぎて。
益々おかしなことが起きた。
いつも一緒に帰宅してたリョーヤは俺に、
「今日は部活がない日で、俺はマヒロと一緒に帰るから」
と耳打ちし。そそくさと俺の前からいなくなった。
そうなると、
俺は一人で帰ればいっか。と
思ったが、校門のとこで思わぬ通せんぼを食うことになった。
「シンジくん。今日私が一瞬に帰ってあげてもいいけど!?」
「え」
「リョーヤくんはマヒロちゃんと帰ったじゃんね!ほら、二人仲良く手を繋いでるし!前方、見てよ...!」
「ああ...」
確かに。リョーヤは林ユーコのことが好きだった筈だが。何故か今は、リョーヤより背の高いマヒロにべったりだ。
「私ね、リョーヤくんにお昼休みに、あやまられたのよ...」
「謝られた?」
「うん。詳しいことは歩きながら、てか、シンジくんの家に向かいながら説明してあげるわね...」
「リョーヤくんはね、本当は、私のこと
好きじゃないのよ...」
「え」
「本命は幼馴染のマヒロちゃんなの。リョーヤくん的には相思相愛だって気付いてたみたいなんだけど、決定打がほしかったみたいでね」
「1組の教室でわざと、マヒロちゃんに聞こえるように
シンジくんに対して私にラブレター渡してくれって
頼んだり、彼女が廊下に出てきたこと、確認した上で、そのラブレター、実は俺からなんだ!
ってマヒロちゃんの前で私に対して言ってみせたんだって...」
「えええ...そーなのぉ...」