表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三国志ものがたり(仮)  作者: あらん
1/4

夢の中のシンデレラ

はじめて投稿します。

こんな感じで良いのでしょうか…??

だれか一人でも楽しんでくれればうれしいです


挿絵のURLです。フレーバーテキスト書いてあります。

https://33138.mitemin.net/i466550/



●夢の中のシンデレラ



戦場は赤に染まっていた。

そこかしこに轟音、怒号が響いている。



シンデレラ風のドレスに身を包んだ女性が扇を片手に矢継ぎ早に使番を飛ばしている。

そこに巨大な体躯の男が現れた。身に着けているのは中華風の甲冑だ。

男が青龍刀を女性に突き付け、何やら言い争いをしている。



女が冷たい目で男を睨む。

「あなたには、漢津の確保を命じたはずです。なぜここにいるの?」


男が青龍刀を掴む手に力を入れる。

「もう一度問う。主君である劉備殿を囮に使う気か?」


女が静かに怒気を放つ。

「いいから私の言うことを聞きなさい、関羽」


男は表情を変えずに答えた。

「それは聞けぬ話だな。返答次第で私はお前を斬り捨てなければならぬ」



「構いませんよ、気に入らないなら私を斬ればいい。でも忘れないでね、今、この死地の先に我々の運命を繋ぐ事ができるのは私だけ」

そう強く言い放った女の目から涙がボロボロとこぼれていることに気づいた。




―――綺麗な涙だ―――




ピピピ、ピピピ、ピピピ、



スマホのアラームが鳴っている。

目を覚ますとそこにはいつもの天井があった。


男がベッドから起き上がり、シャワーへ向かう。

慣れた動作で、食事を取り、今はコーヒーを飲みながら、PCでニュースを読んでいた。

男の名は佐藤 龍之介 大手コンサルティング会社に勤務する32歳。


佐藤はさらとネイビーの3ピーススーツに着替えると、外出用の銀縁眼鏡を念入りに磨き、車のキーとスマホを持ち、部屋を出た。




最近、同じ夢をよく見るな

それにしてもあのシンデレラ、すごく綺麗だ


佐藤は車を運転しながら、今日見た夢を思い返していた。



佐藤が職場に着いたのは午前11時。

すぐに、彼のアシスタントが資料を数点持ってくる。

佐藤はその資料に目を通し、アシスタントに指示を出した。

その後、近くのビストロで数人のビジネスマンと話をしながら、ローストビーフをつつく。

午後からは、いくつかオンラインで短い商談を行い、午後3時、佐藤は職場を後にした。



佐藤は、ジムで小一時間ほど汗を流し、喫茶店のテラスでソイラテを飲みながら2つ、3つ、仕事の電話を掛けていた。

手持ち無沙汰になり、見上げた街路樹にはもう秋の色が付きはじめていた。

夕方が終わりに差し掛かると、佐藤はタクシーを拾い、麻布のラウンジへ向かった。

ラウンジで、イタリアンのアラカルトをつまみながら、向かいのビジネスマンと会話を重ねた。


それが佐藤にとっていつもの日常だった。それがいつものように過ぎていく。



午後9時、帰宅。

佐藤の帰りはいつも遠回りをしてから帰る。

この日も乗らなくていい首都高を経由して帰ってきた。

佐藤はそこからいくつか本を読み、PCを触り、午前2時に眠りについた。



そして、いつもの夢へと落ちて行く。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



この日は、目の前に彼女がいた。そうシンデレラの彼女が。

自分が彼女に話しかけている。



「君に頼みがある」


「いやよ」


「聞け」


「いや」



長い沈黙があった。


彼女が目を閉じ、自分に顔を近づけてくる。


「いたたたた」

少しふざけてキスをしようとした彼女のほっぺを自分がつねっていた。


自分が何かを語っているが聞き取れない。


彼女は少し聞いて、理解したのだと思う。

彼女は頭がいいから。

その後の自分の言葉は彼女を通り抜け、彼女はただぼんやりと自分を見ていた。


夕日が虚ろ気な彼女を包んでいた。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



次の日の夢では、目の前でシンデレラが泣いていた。



「それ以上は、言わないで」


「…私よりもあの子が大切なのね」


「もちろんだ」


「もうちょっと気使いなさいよ」


自分はもう一言も言葉を発しない。


沈黙を作りたくないのか彼女が言った



「だったら・・・今夜だけは一緒にいて」


泣き声だった。


彼女が泣きながら、自分の胸に額を当てる。




自分は、強く、強く彼女を抱きしめた。



彼女は泣きながら囁いた。



「ありがとう・・・明日あなたを殺してあげる」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



最近夢が気になり過ぎる。

あまり寝むれていないのか、この秋は大きな取引を控えているのもあり、佐藤は疲れを感じていた。

今日の大きな取引が終わったら、思い切り寝よう。

佐藤はそう決めていた。



佐藤はいつもの朝をこなし、いつもより早めに家を出た。

職場で準備を入念にして、取引先に向かう。

豪勢な会議室にて、10数名に向けて、プレゼンを行った。

かなりの時間を費やし準備をしたこの勝負は、取引先の前向きな言葉により、佐藤の勝利がほぼ決定づけられた。


その日、佐藤はこのプレゼンに関わったチームメンバーと約2年ぶりのアルコールを楽しんだ。



今夜は夢も見ず、ゆっくり寝れそうだ。

肩の荷が下り、上機嫌なまま佐藤はベッドに横たわった。



それがはじまりだった。

佐藤の日常はもう帰ってこなかった。




挿絵(By みてみん)

          孔明



適切な区切りがわかりませんでした。

1話の文章量ってどのくらいが良いのでしょう…??

勉強していきます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ