表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/110

2

あれから半年……



去年、三年生だったケイト先輩達が卒業し、俺も後1年で卒業して本国に帰る予定だ。



俺を嫌っている()のテレーゼも何故かこの学園に編入して来た。

『【特進科】を優秀な成績で卒業して、自分が公爵家を継いで、()()()()()()()()を婿養子にする。』

つもりらしい……



無理だと思うが、まぁ頑張ってくれ。



実は今、俺は【稀人伝説研究部】の部長をやっているんだ。

『稀人の事に一番詳しいから。』という理由で……



詳しいと言われても、稀人の殆どが何故か日本人なんだよなぁ。

まぁ、偶に外国人もいたみたいだけど、残っている文献によると彼等の殆どは、()()で詐欺師だった。



そんでもって、後11カ月で卒業ってところでユイナーダ王国の王城から呼び出しを受けた。



何でも《数十年振りに稀人が5人が現れて()()された。》という事で【()()()()()()()()()】の俺に、《本物か偽物かの判断とユイナーダ王国への不法侵入、住民への暴行等、犯罪を犯した理由を聞き出すアドバイスをして欲しい。》というのだ。



俺、ただの留学生なんですけど……



王様からの呼び出しを無視する訳にもいかず、俺はいくつかの資料を持って、ユイナーダ王国の王城へ向かう事にした。



普段、第四騎士団が取り調べをしているというマジックミラーのある部屋で、まず様子を見させてもらう事になった。



見て直ぐに解った。



アレ、前世の俺の従姉妹だ。

良かった、直接会わなくて。



もし直接会ってたら、俺は何をするか解らないだろう。

彼女との間に、何があったかはこの際、置いといて。



出来ればこのまま、会わずに帰りたい。



従姉妹は騎士団のイケメン騎士2人の質問に、頬を赤くしながら答えている。

1人は某乙女ゲームの攻略対象だった。

そりゃイケメンだわ。

もう1人は、確か彼の後輩でヒロインにいろいろアドバイスしてくれる役で従姉妹の押し。

コイツも眼鏡のイケメンだ。

『何で彼が攻略対象じゃないのよ!』

とか言ってたな。



彼等が従姉妹から聞き出したところ、どうやらどっかの馬鹿が、異世界召喚をしたらしい。



テンプレの【勇者召喚】か?

しかし、この世界で【魔王】とか【邪神】とか聞いた事がないんだが?



もしかして、【あかん奴の召喚】とかそういうのかな?

因みに従姉妹は()()(()())()だそうだ。



どうやらこのユイナーダ王国や俺の国がある大陸とは、別の大陸にある国が世界制覇を企らんだらしい。



その国はかつて、ユイナーダ王国の始祖【ユイナダ トオル】を召喚した国だったようだ。



確か歴史書に『その国で散々()()()()て此方の大陸に逃げて来た。』という様な記述があったな。



自分の()()()()()()()()彼等の質問に、本人達だと気づかずにペラペラと答える従姉妹……

チョロいなwww



『彼女達は個別に管理して何と言われても、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

と指示して次の人物の尋問を続ける。



次に呼ばれたのは、()()()()()彼曰く、

『自分達が倒したのは()()()()()()()()だ!

襲われていた犬獣人の幼女を助けてあげただけなのに、不当逮捕だ!!』

と言っていたが、実際には、

『牧場で羊の世話をしていた犬獣人のミラちゃん(6歳)の目の前で家畜の羊を1匹残らず殺し、駆けつけて来た彼女の家族(シェットランドシープドッグ似の犬獣人、見た目コボルト)に重傷を負わせた』。

この世界や国の刑法が、どうなっているか知らないが、元の世界に照らし合わせると、器物損壊と強盗傷害事件だ。



更にタチが悪い事に()()と称してミラちゃん(6歳)をあちこち連れ回している。

()()だな。

彼女にしてみれば、『突然現れて家畜を殺され、家族を傷つけられて無理矢理連れ去られた。』のだ、余程怖かったのだろう。



可哀想に彼女は怯えて、保護された教会の部屋でずっと震えているそうだ。



これだから()()()()()ってのは  嫌いなんだよ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ