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【閑話】兄様達がウザい件

ボトルコフィ三兄妹登場!

(スレーネside)



私の名前はスレーネ・F・ボトルコフィ。

ボトルコフィ伯爵家の長女ですわ。

趣味は読書。

特に数年前から流行(はやり)だした、BL小説なる物を愛読しておりますいわゆる腐女子ですの。 



さて、私には五歳上のブライトと二歳上のブレディーという兄二人がおります。

二人共騎士団長の父に似て体格が良いので、二人もいるとかなり暑苦しいです。



その兄二人が最近ウザいんです……



ブライト兄様は既に王立騎士団に入団し、現在騎士団の寮で暮らしているのでたまにしか家に帰って来ていませんでした。

ところがたまたま留学先から戻って来た、親友のチェイテス公爵家の令嬢テレーゼ様が我が家に遊びに来た時に、数年ぶりに彼女を見かけて一目惚れしてしまったのです。



今までは月一回帰って来れば良い方だったのに、それ以来休みの度に家に帰って来ては私にテレーゼ様の事をしつこく聞いてくるんですのよ!



「テレーゼ嬢はどんな花が好きなのだ?」


「テレーゼ嬢の趣味は?」


「テレーゼ嬢の好きな食べ物は?」


ご自分でお聞きになれば良いではないですか!

これだから恋愛初心者は!!

ですから面倒くさくなってつい……



「いちいち私に聞かずに、恋愛小説でも読んで参考になされたら良いのでは?」



と言って適当にあしらってしまいました。



そしてもう一人のブレディー兄様の方は、拗れているテレーゼ様の兄ジョナサン様との関係修復の相談。

ブライト兄様と違って、自宅から学院に通っているので余計にウザい!



「アイツと仲良くするにはどうしたら良いのだ?」


「や…やはり男は黙って剣で決着を…… 」  



毎日、毎日ウザいのよ!

ジョナサン様とは、二歳下で数回しかお会いした事が無い私にどうしろと?

なのでこっちも……



「たまには冒険小説でも読んで、ご自分で考えられたらよろしいのではないですか?」


「そうだな…そうしてみる…… 」



まさかこれが、あの様な事態を招く事になろうとは、この時は思っておりませんでしたわ。

それから暫くの間、兄様達(ウザいの)に付き纏われずに、平和な日々を過ごしていましたので、安心しておりましたのに……



今日は何故かその兄様達(ウザいの)が二人共家に居て、私に『相談がある』と言って、サロンに呼び出されたのです。



「テレーゼ嬢はよくコーヒーを飲まれていると聞いたが、甘い菓子はお好きだろうか?

となれば、手作りの菓子の一つも作れた方がより高感度が…… 」


「アイツはよく学院でもコーヒーを飲んでたいるのだが、ここは手作りの菓子でも持って行くべきなのか?」



えっ?ちょっとお待ちください。

脳筋な兄様二人の何処から《手作りの菓子》という発想が出たのですか!?



ま…まさか……



「に…兄様達、その発想は何処から?」


「スレーネがよく読んでいる()()()()だが?

勝手に借りたのは悪いと思うが、アレはなかなか参考になるなww」



とブライト兄様が書庫に隠しておいた私の本を見せてきました。



「俺はこの冒険物の小説を借りた。

良いよなぁ~()()()()()()()()!」



とこちらも以下略……



「なっ!?何故兄様達がその本を!?」


「「他に参考になる本が無かったから…… 。」」



確かに家の書庫にあるのは、ほとんど武術や戦略などに関する本ばかりで、恋愛小説などありません。

冒険小説は多少ありましたが、全て子供向けでしたわね。



自室が本でいっぱいになったので、古い本を書庫の余っているいたスペースに隠しておいたのが仇となってしまったようですわ……



「何故、お二人共そのBL小説(小説)をお選びになったの??」


「前に何の本を読んでいるのか聞いた時、この本を読みながら『恋愛小説』と言っていたではないか。

書庫でこの本を見つけたので、読んでみたのだが?」



そ…そう言えば以前、サロンであの本を読んでいた時に、本の内容を聞かれてBL小説の事を誤魔化す為に、そんな事言ったからかもしれません。



と言う事はこっちも……



「俺はお前が前に読んでた冒険小説を見つけたから。」



この時私は決心しました。

二度と家族の手に届く所に本を隠すのは辞めよう……



そして絶対にアイテムバックを買うか、アイテムBOXのスキルを手に入れようと!!



「に…兄様達はお菓子など作った事がございませんでしょう?

ですから素人の作った物を持って行くより、流行りの店で購入するか我が家の料理人に頼んだ方が宜しいですわ。

相手は公爵家の方達ですもの!」



私が顔を引きつらせながらそうアドバイスすると、兄様達は……



「「それもそうだな……

でもいったい何を渡したら良いのだ?」」


「そ…そうですわね。

テレーゼ様はレモンやジンジャーの入ったお菓子がお好きですわ。

ジョナサン様は確かカボチャがお好きだとテレーゼ様からお聞きしております。」


「「なるほど♪やはりスレーネに相談して良かったww」」


「おほほほほww

それほどでもありませんわ。

では兄様達、私急用を思い出しましたので、これで失礼致しますわね。」



そう言って私はサロンを出て書庫に向かいました。

兄様達の単純で良かったですわ!

父や母に見つかる前に、急いであの本を移動させなければ!!



でも良かったですわ。

書庫に置いてある本が全てソフトタッチ止まりの軽い物で……



とにかく、早く回収しないと嫌な予感がします。




ごめんなさいテレーゼ様!

私これ以上ウザい兄様達の相手をしていられません!

後はお任せ致しますわ!





スレーネちゃん腐女子バレ回避?ww

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