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新しいクラスメイト

今日から新学期。

そして、王立ポーラルタオ魔法学院での新しい学校生活が始まる。



テレーゼは元々この学院に通学していたし、幼い頃からの友人・知人も居るから問題ない。



問題は俺の方だ……



ずっと平民として育って来た俺は、高位貴族としての礼儀作法を、約一年掛けて公爵家の執事に習い、高等部の二年から学院に編入する予定が、編入試験で『学院創設以来、誰も解いた者がいない!』と言う超難問をあっさり解いてしまった為に、王家の肝入りでユイナーダ王国の学園に急遽留学する事に……



その所為で現在俺は学院内に知人が数人いる程度。

態々編入するクラスを王太子のレイリアル殿下のクラスにしてくれたのはかなり助かる。



レイリアル殿下の隣りで俺を睨み付けている側近候補で授業中の護衛を務めるブレディーには困りものだが……



勘弁してくれよ!ランディーと俺が入れ替えられてたのは俺の所為じゃない!

それでランディーとお前の妹の婚約が、白紙になったのは仕方ないだろ!



えっ?この前と言ってる事が違う?



実はあの後、帰国前に俺の悩みをケイト先輩に相談したら、『貴方の所為じゃない事で、卑屈になる必要はない。

もっと自信を持たないとダメ。

高位貴族は、舐められたらおしまい!』と言われたんだ!



確かにケイト先輩の言う通りだ!

将来チェイテス公爵家を継ぎ、いずれはこのポーラルタオ王国の国王となるレイリアル殿下を側近として支えていかなければならない。



それなのに、卑屈になっていては将来誰も付いて来なくなる!



やはり、ケイト先輩に相談して正解だった!

ありがとうございます!!



さて、では新しいクラスメイトに挨拶しなければ……



「チェイテス公爵家のジョナサン・F・チェイテスだ。

先月、ユイナーダ王国の国立ユイナーダ学園を卒業したが、ユイナーダ王国の学園とは始業時期が違う為、ポーラルタオ魔法学院に卒業まで通う事になった。



ユイナーダ学園では【稀人研究会】の部長をしていた。

趣味は【稀人や、転生者研究】と【読書】、武術も嗜んでいる。


たった三カ月と短い期間だが宜しく頼む。」



…… 。


…… 。



アレ?この挨拶じゃダメなのか?

一応、専属執事には確認したんだが……



パチパチパチパチ



レイリアル殿下が拍手をし始めると、皆んな笑顔で拍手をしてくれた。

ある一部を除いて……



あゝレイリアル殿下の反応待ちだったのか、良かった。



「ジョナサン、二年間の留学ご苦労だったな。

その内皆にあちらの学園の話を教えてくれ。

我々は君を歓迎する。」



レイリアル殿下が代表して俺を歓迎してくれた。

優しい……



それに比べてブレディー…君の態度はどうなんだ?

主人であるレイリアル殿下が認めているのに、その態度はダメだろう……



俺が挨拶した後、態々皆んなが自己紹介をしてくれた。

だがやはり一部の者達は不満気だ。



レイリアル殿下が認めているんだから、いい加減にして欲しい。



自己紹介してくれた者の中にはやはり、稀人や転生者に興味のある者も何人かいた。

この学院にも稀人や転生者の研究をしている部活があって、明日の放課後見学に行く約束もした。



やはり趣味は大事だな。



と思っていたら、ブレディーがイヤな事を小声で呟やいたのを俺は聴き逃さなかった。



「フンッ!何が稀人や転生者の研究だ。

その稀人に婚約者を奪われた癖に!」



ムカッ❗️



ブレディー…お前ここでそれを言うか!!

せっかく和やかな雰囲気だったのに!



コイツとはそのうち、決着を付けなければいけないな……

卒業後、レイリアル殿下の側近として仕えるに当たって、このままだと支障が出る。



今日はもう授業がないから、この後は生徒会で他の側近候補達に会う後になっている。



一応、全員分のお土産は用意して来たが、配ったらブレディーは『物で釣る気か!』とか言って来そうだな。





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