王家の皆様へのご挨拶とお土産配り
毎回遅れて申し訳ないです。
同盟国ユイナーダ王国に留学していた俺は、来学期から王立ポーラルタオ魔法学院に編入する。
と言っても卒業までの三ヶ月間の事だ。
その前に家族全員で王城へ、帰国報告の挨拶に向かう。
忘れている人も多いかもしれないが、俺の父チェイテス公爵は国王と同腹の王弟だ。
つまり俺は国王の甥である。
なので謁見の間ではなく、プライベートエリアにある応接室に案内された。
暗殺等の危険性があるので、流石にチェイテス公爵家でもマジックバックやアイテムボックス等使用は禁止されている。
お土産は、侍従やメイドに運んでもらう事になった。
「国王陛下、王妃殿下。
王家の皆様……
チェイテス公爵子息ジョナサン・F・チェイテス、並びにチェイテス公爵令嬢テレーゼ・F・チェイテスの両名、二年間のユイナーダ王国からの留学から帰還致しました。
これからは留学の経験を活かし、ポーラルタオ王国の為に尽力していく所存でございますので、どうか宜しくお願い致します。」」
臣下の礼を執りながら、テレーゼと二人でご挨拶。
他にもいろいろご挨拶させて頂いたが、そこは長くなるので今回はカットで!
それよりも大事なお土産配りだ!
王家の方達全員に行き渡るように買って来たので、かなりの量がある。
こちらではお高い物なので、もっと少ない量でも良かったかもしれないが、これからの事を考えるとここでケチる訳にはいかない。
本当は異世界で買ったから、皆んなが思っている程高くはないのに、もの凄く喜ばれ丁寧にお礼を言われてしまい、逆に恐縮してしまう。
だがそれを、顔に出す訳にはいかない。
概ねお土産は大好評だ。
国王陛下にはジャコウコーヒーとモカ。
もちろんジャコウコーヒーの作り方は秘密だ。
金蒔絵の文箱と万年筆。
コレは美術品としても美しいので、陛下もかなりお喜びになった。
王妃殿下には濃い味のケーキがお好きと伺ったので、それに合う酸味が少なく苦味が強いマンデリンとロイヤルブレンド。
そして金蒔絵の簪。
そして有名な筆の産地で作られた、化粧筆のセット。
三人居る則妃様達全員にもコーヒー豆とそれぞれ銀蒔絵の簪、化粧筆のセットが行き渡り、ご機嫌で早速メイド達に部屋に戻ったらコーヒーを入れる様に言っていた。
次にお土産を渡すのは新しく王太子になった第二王子殿下と第三王子殿下。
二人にはそれぞれ、ロイヤルブレンドと螺鈿細工の万年筆を渡した。
灯りに照らされキラキラと光る螺鈿細工に二人共、興奮している。
アレ?国王陛下はこっちの螺鈿細工の方が気になっているみたいだな。
だが残念ながらコレは今、二つしかない。
従姉妹の六人いる王女殿下達には、トンボ玉に【解毒】や【快癒】を付与した簪を色違いで用意して渡した。
「まぁ素敵♡ジョナサン様、この様に美しい髪飾りを頂けるなんて、嬉しいですわ♪」
と第一王女殿下が言うと、他の王女殿下方も笑顔でお礼を言ってくれた。
「お姉様!次の建国祭の時に、皆でこの髪飾りを付けて参加しましょうよ♪
きっと皆んな驚くわ♪」
と第六王女殿下。
他の王女殿下方も直ぐに賛成。
「でしたら、それぞれ頂いた髪飾りに合わせた色のドレスにしたらどうかしら?」
と第二王女様がすかさず提案して来た。
「「「「「賛成ですわ♪」」」」」
あゝコレは全員分の新しいドレスを作れって事ですね。
国王陛下は苦笑いしながらも嬉しそうだ。
あ!そうだそれならアレも使えるか……
「では王女殿下方…その髪飾りに合う特別な布地を公爵家のお抱え商人が扱っているので後日、その者を呼び寄せてご購入されるのはいかがでしょうか?」
特別なのところで、王女殿下方だけでなく、王妃殿下や則妃様方や母上、テレーゼも反応した。
まぁ女性はこういうの大好きだからな。
因みにその特別な布地はもちろん向こうで仕入れた和服の反物を始め、綿や絹などの自然素材の生地だ。
下手に化学繊維など持ち込むと、大事だからな。
俺が転生者だと知っているのは国王陛下と父上。
そしてタマキさんくらいだ。
もしかしたらユイナーダ王国の何人かは気づいているかもしれないが、言った事はない。
王家の皆様には他にもユイナーダ王国の特産品である魔道具などもいろいろ贈らせていただきました。
国王陛下は魔力で動く、今までよりコンパクト化した髭剃り機をいたく気に入られた。
なんでも昔から、髭が濃いのを気にしていらしたとか……
第二王子殿下とまだ少し早いが第三王子殿下にも同じ物を渡した。
王妃殿下や則妃様方、王女殿下方はヘアアイロン。
アタッチメントを変えると巻き髪だって自由自在に出来る最新機種だ。
『今までは長い髪を巻くのがたいへんだったから、コレが有ればかなり楽になる!』と大好評!
そして、最後にエリー様とキイナ様に書いてもらったサイン色紙を全員に渡すと、今までで一番喜ばれた。
お一人お一人の為にいろいろ考えて買って来て渡したのになんだかなぁ……
☆☆☆☆☆宜しくお願いします!




