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パーティー【サイエンス】 2

遅れてすみません!

なるほど…やっぱりあの魔道列車には稀人の技術が使われていたのか。



「ユイナーダ王国にいらしたなら、アレにお乗りになった事は?」



とアキト氏から質問された。



「修学旅行で乗りましたよ。

馬車よりずっと早く、大人数を運べるなんて素晴らしいですね。」



たぶん向こうの鈍行列車の最高時速(時速130km)ぐらいのスピードは出てる。

ターク先輩のお兄さんの話しじゃ残念ながら、今のところ技術的に、これ以上のスピードは出せないそうだ。



それでも地上を走る乗り物では最速。

こっちの世界の人から見たら、夢の乗り物!



線路の両側には簡易結界が張られ、線路内への立ち入りが出来なくなっている。

結界を張っておかないと野生動物だけでは無く魔物の襲撃や線路に使われている鉄を目当てに現れる泥棒と、線路を引くだけで一苦労だったそうだったそうだ。



鉄道の事で暫く盛り上がっていたが、本題に入ろうと思ったら、向こうから話しを振って来た。



「で…そろそろ我々を呼び止めた理由を、教えてもらえますか?」



流石はS級冒険者だな。

切り替えが早い。



「実は…元の世界に帰る手立てがある場所で見つかりましてね。

調べたところ、こちらに転移した時と同じ姿で逆行転移が可能だという事もわかりました。

もちろん逆行した分こちらで得た記憶も無くなり、スキルも無くなってステータスも下がりますけど、どうします?」


「「「「「…………。」」」」」



あ…皆んな固まった。

まぁそりゃそうだよな。

普通のラノベなら『姿は元に戻るけど、記憶やスキル…ステータスは持ち越し。』だからな。



ところがヤータ様達、けっこうそういうのに厳しくて『自分の所でやられて嫌な事を、他の神様の所でやりたくない。』とか言っている。



その割に俺があっちに行った時は、かなり甘かったけど、アレは俺が向こうで死んでたし、一時的なものだったから許可が降りたらしい。



もちろんちゃんと制限はあった。



「返事はすぐじゃなくて構わない。

どうせ戻る時間は同じだから。

それからコレは強制ではないので、帰るか帰らないかは貴方方の自由ですので……

それと全員一緒じゃなくても構いませんよ。」


「し…暫く考えさせてくれ。」



【サイエンス】のメンバー達は真っ青な顔で黙り込んでしまった。

そりゃ帰れるとわかったら、悩むよな。



10年もこっちに居たら、いろいろしがらみが出来るし。

もうこっちで、生活の基盤を作っている人もいる。



ホリイ氏は王都に奥さんと子供二人がいるし、タカヤマ氏とフジミヤ氏は最近結婚したばかり。

ナカジマ氏は独身だが、一財産持っている。

もちろん元の世界には持っていけない。



当然だが家族は一緒に行けないし、戻れば二度と会えなくなる。

帰還専用の魔法陣だからな。



運良くまたこっちに来れたとしても、前回と同じ所に来れるとは限らない。

何しろ向こうからこちらに転移する場合、時間と場所を指定する事が出来ないんだ。



完全に一方通行だし、向こうに着いたらこっちの事は忘れてしまう。



「直ぐに結論を出すのは難しいでしょうから、決まったら此方に連絡をお願いします。」



そう言って俺はリーダーのアキト氏に、個人的な連絡先を書いた名刺を渡す。

名刺…コレも稀人の伝えた文化だ。



「私達は明日の朝にはここを立ちます。

それまでは領主館に居ますので…… 」


「ちょい待ち!そんな便利なもんがあるんなら、そっちのタマキさんはなんで帰らへんの?」



タマキさんとそのまま出て行こうとしたら、そう言ってホリイ氏に呼び止められた。

そりゃ疑問に思うよな。

『実は危険な方法じゃないか?』と疑われている。



それに対してタマキさんはあっさりと答えた。



「ああ…私は彼方の世界では、いわゆる【社畜】という奴でしたし、家族もいないので此方で暮らす事にしました。

多少不便はあっても、彼方にいるよりずっとマシですからね。」


「うわぁ~思い切りラノベ展開じゃないですか!」



とナカジマ氏。

何か話しが盛り上がりそうなので、一緒にいてボロが出てもマズいから、タマキさんを置いて、領主館へ向かう事にした。


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