【閑話】あるS級冒険者の話し 2
(シルバーside)
オレのナマエはシルバー。
オレのカイヌシ、いいニオイ。
あるヒ、オレのカイヌシがゲボクから、『トッテコイ』をタノまれた。
カイヌシ、『トッテコイ』がデキたら、あのオイしいサカナのホしたのくれるっていったから、ちょっとトオいトコロにカクれてたけど、オレのゲボクにオいタてさせて、ツカまえてカイヌシがマってるトコロまでモってカエった。
サイゴまでアきずに『トッテコイ』デキた。
オレ、エライ!!
戦利品を咥え、長く毛艶の良い尻尾をピンと立てて軽やかに歩く、大型の黒トラ猫(シルバー)が、彼の主人(飼い主)の元へ戻って行った。
「え〜オレ、シルバーの下僕かよ…… 」
ラックがシルバーのパートナーに選ばれた理由。
それはスキルでナミの後を追えた事とシルバーとコミュニケーションが取れるからであった。
☆注:シルバーはあくまでも猫です!
【勇者シルバー】と呼ばれていますが、コレは初めて大物を仕留めた時の報告が一人歩きをした結果です。
――――――――――――――――――――――――
(ラックside)
あぁ…皆んなこの説明じゃ、何があったか解んないよな。
解説すると、【勇者シルバー】の飼い主、ケイト・F・ボルネオール次期女侯爵(ライネルの嫁さん)の学園の後輩の留学生、ポーラルタオ王国の公爵家の嫡男ジョナサン・F・チェイテスの婚約者が【番と駆け落ち】。
その【番の男】がまた【稀人のA級冒険者】だったのが、まずかった。
【チュウニビョウ】だったその男は女盗賊団に騙され、数々の犯罪を積み重ねていったんだ。
何度か投降を呼びかけたが、聴く耳を持たず遂に国際指名手配になった。
後輩のチェイテス公爵子息をとても可愛いがっていた、ボルネオール次期女侯爵(ケイト嬢)は激怒し、【勇者シルバーのパーティー】を動かした。
それにケイト嬢の友人である、ウチのお嬢様(ターク様)も、『面白そうだから。』『賞品に興味がある。』という理由で俺も参戦する事に……
相手が稀人だという事と賞品狙いで、俺達以外にもユイナーダ王国最強と言われているライブラ伯爵まで参戦。
たった一人の稀人相手に、S級集まり過ぎじゃないだろうか?
稀人はどんなスキルを持っているかわからないから、用心するに越した事はないんだが、蓋を開けてみると何とも呆気なかった。
俺達が追いついた時にはオッハーナの冒険者ギルドのサブマス、【鉄壁のロイド】にバターケへの侵入を阻まれ、奴の率いる盗賊団は半壊。
しかもやりがいのある、戦闘スキル持ちはほぼいなかった。
そんな中でも、俺とシルバーの担当する事になったナミという女はかなり美味しいターゲットだ。
賞金も高額だし!
シルバーの飼い主のケイト嬢とお嬢様の話し合いの結果、賞金の六割りを貰える事になったのも大きい。
――――――――――――――――――――――――
(ナミside)
失敗だ!まさかあの男がバターケに居るなんて!!
このままじゃ殺される!
そう思って、何時もは皆んなに掛ける【隠密】スキルを、自分にだけ掛けて全力で逃げた。
仲間を見捨てて逃げるのは卑怯だって?
そんな事言ってる場合じゃないんだよ!!
相手はS級だよ!?
捕まったら最後、どんな目に合わされるかわからない。
とにかく見つからない様に、慎重に隠れながら山中を逃げているのに、アタシを追いかけている奴からどうあっても逃げられない。
スキルを使って隠れていても必ず見つかって、攻撃してくるんだ!
今まで自分だけにスキルを使って、逃げ切れなかった事なんてないのに、有り得ないよ!!
オッハーナ山中を逃げ回り、岩場やゴツゴツした獣道、狭い崖を通って何とか追手を巻いてようやく水場に出た。
逃げ回って喉が渇いたから、水でも飲もうとした時、突然背中に何か重いモノがのし掛かった。
起き上がろうとしたが、そいつはどうやっているのか、何故か起き上がる事が出来なくした。
暫くするとさっきの追手がやって来て、アタシの背中に乗ってる奴に話しかけた。
「おっ!流石シルバー、もう捕まえたのか♪」
シルバーって勇者シルバー!?
いったい何処に???
「【光りの剣】の頭の【隠れ身のナミ】だな?
随分手間かかせてくれたけどここまでだ!
観念しろ!!」
「ああそうだよ!アタシがナミだよ!!
S級どうなってるのよ!?今までこのスキル使って、捕まった事ないのに!」
畜生…ケンと早めに手を切っておけば、S級冒険者に追われる事もなかったのに、欲かいたばかりにこんな事になるなんて……
「あ、ちょっと待ってろよシルバー。持ち安くしてやるからな♪」
そう言ってS級冒険者の男は背中に乗っている何かを退かせ、何故か頑丈そうなロープでアタシを手早くグルグル巻きにし猿轡をした。
『えっ?何!?』
普通なら歩かせなきゃいけないから、こんな事しない……
アタシが混乱している間にいつの間にかいた(最初からいた)黒い大きな猫…えっ!?猫よね??
どう見ても中型の魔獣サイズの!!
S級冒険者の男はその猫にロープの端を渡し、とんでもない事を言い始める……
「じゃあシルバー、後は頼むな。
帰り道はわかるか?」
「ニャッ!」
「ああそうだよ。そいつが通って来た道を通って街道まで出たら、飼い主のケイト嬢のいる冒険者ギルドまで直ぐだからな♪」
えっ?今ので解る訳?
ていうかコイツが勇者シルバーなの?
どう見ても魔獣じゃない!?
というか、この男さっきとんでもない事、言わなかった?
アタシが通って来た道って……
「じゃ、また後でな!俺はもうちょっと休んでから戻るから。」
「ニャッ♪」
ちょっと…ちょっと待って!
本当にあの道通らないわよね?
男はアタシと目があうとニヤリと笑った。
ズザザザザ!!
『ギャ〜!!』
ナミは獲物を捕まえ、上機嫌な巨大な黒トラ猫に引き摺られながらバターケへと連行されて行った。
申し訳ありませんが、明日の投稿都合により遅れます。




