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閑話 入れ替わっていた男の話し

偽カイトとゲス親の話しです。


気分を害した場合は飛ばしても大丈夫です。

俺の名前はカイト・アンバー。

ポーラルタオ王国の王弟の興したチェイテス公爵家に仕える騎士ガルフ・アンバーの息子だ。




というのは嘘で本当は、その甥だ。




俺が5歳の頃、家に俺と同じ名前の従弟が来た。

そいつはお袋の妹の息子だった。

今まで、領主邸で暮らしていたが親の仕事の都合で、俺の家に預けられる事になったんだ。




アイツは村の人間達と違って、小綺麗な服を着て何の苦労も知らずにキラキラしていた。

気に入らない。




どうやらお袋もそれは同じだったようだ。

田舎村の村長の親父と違って、叔母の結婚相手は領主様の護衛騎士様だからな。




領主邸に奉公に行ったのが縁で、結婚したらしい。

元々、領主邸に奉公に出る話しはお袋に来た話しだったらしいが、人の下で働くのが嫌で、叔母に押しつけたそうだ。




叔母やアイツを知ってる領主邸の奴らが、王都に行って直ぐ、お袋はアイツの名前を勝手に変えた。




「お前の名前は今日からジョンだよ!

家に置いてやるんだから、しっかり仕事するんだよ!」

そう言ってお袋はアイツにどんどん仕事を押し付けた。




そして俺が5歳の【最初の祝福】の日、親父とお袋はとんでもない事を言い出した。




「今年【最初の祝福】を受けずに再来年、ジョンの代わりに王都で受けるんだよ。」




『そんな事して大丈夫なのか?』という俺の質問にお袋は……




「大丈夫さ。昔、聞いた事があるんだよ!

【最初の祝福】の日に病気で行けなかった子供が翌年受けたけど何の問題もなかったんだって。

そもそも、今は5歳で受ける事になってるけど、アタシの爺さん若いの頃には何時受けても良かったらしいよ。」




そうなのか!




「あぁそりゃ、子供の人数が少なかったから、【最初の祝福】の証明で1人に付き銀貨1枚貰えたからだろう。

態々5歳になるまで待つ必要がないからな。

何しろ子供は弱い、いつ死ぬかわからないんだ。

生まれて直ぐに受けさせた方がいいに決まってる!」




そんな良い制度があったのか⁈

なのに何で無くなったんだ?




「子供の人数が増えたのもあるが、ここの前の領主が領民に嘘をついて、【国から貰える金を1人大銅貨1枚】だと言って残りを全部懐に入れてたのが、バレちまったからさ。

その後捕まって領主一家は処刑された。

因みに俺の親父はその前の領主の庶子で未成年だったから、見逃されたんだ。

その後、このアンバー家に婿入りした。

幸いそれを知ってる他の奴らは、もう皆んな墓の下さ。」




え⁈じゃあ世が世なら、俺は貴族じゃないか!

(そんな事は無い…… )




「だからな…お前がジョンと入れ替わって、王都に居るお嬢様を嫁にして、今の公爵家を乗っ取るんだよ!

お前は他の子供と違って賢いから、俺達の言ってる事が解るだろう。」




こうして、俺はアイツと入れ替わって王都に行き、あの男が俺に強く言えないのを良い事に、偶に家から金を持ち出して実家に送ったり、生意気なアイツの弟妹を虐めて過ごしていた。




もちろん、表では領主の子供の言う事を聞いてたさ。

ただ、お嬢様は一向に俺に落ちなかった。




かなりのブラコンだったからだ。




その内、身体を壊していた叔母が亡くなった。

それからだ、どんどん雲行きが怪しくなって来たのは

……




まず、生意気な弟エドニーが【王立学院】に主席合格した。

俺は不合格で領主の息子ランディーの従者として何とか学院に入り込めたのに……




学院生の女に声を掛けても、ただの従者の俺は相手にして貰えず、何度も悔しい思いをした。




その間にも公爵の息子ランディーは、第二王子の側近候補として期待されその内、俺を差し置いて弟のエドニーを連れて歩く様になったんだ。




クソッ!!何故、エドニー何かを連れているんだ?!

従者は俺のはずなのに!!




そして、ついに【祝福】が与えられる日が来た。




見てろよ!凄い『称号』と『ギフト』を貰って俺は貴族になるんだ!






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