表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/110

【閑話】ある冒険者の話し 3

後半グロ注意。

俺はロイド、34歳独身。

皆んなには内緒だが、実は転生者で、二つ名を《鉄壁のロイド》と呼ばれるB級冒険者だ。

今、俺の故郷オッハーナ騎士爵領の領都(漁村)であるバターケは危機に晒されている。



元A級冒険者で稀人(異世界人)のケン・ワタヌキ(綿貫)という勘違い野郎率いる盗賊団に狙われているんだ。



このケンの勘違いが酷い。

見た目が悪人だったという理由だけで、あちこちの商会や領主を襲って金目の物を奪ったり、犯罪者を逃して正義の味方気取り。



そもそも、ケンの【番同士だから何をしても良い】という考え方が間違っていたのが原因だ。



チェイテス公爵家嫡男の婚約者だった元伯爵令嬢メリーナ(平民落ち)と番だとわかった時点で、駆け落ちなどせずに話し合い、示談金を払っていればこんな事にはなっていなかっただろう。



おそらくケンのA級冒険者の稼ぎなら、数年で示談金も払い終えたハズだ。



別の世界の知識を鵜呑みにし、公爵家の温情も無視して逃亡を続け、挙げ句に見た目が可愛いい盗賊に騙されて悪事の片棒を担ぎ、ついには【大盗賊団の首領】になってしまった。



本人はラノベの主人公気取りで、ハーレムのつもりなのが阿保過ぎて呆れる。

そんなご都合主義な話し、ある訳ないだろ!



転生者の俺だってモテないのに!



とそんな事をしている場合じゃなかった。

明日の朝までに出来るだけ魔晶石に魔力を貯めておかないと……



あゝでも、もう限界かなぁ……

コレ以上魔力を抜くと明日の朝までに全回復しない。

するとそこに、このオッハーナ騎士爵領の領主(組長)で幼馴染みのヤっさんこと、ヤックルト・F・オッハーナが近づいて来た。



「ロイド…オマエに渡したい物があるんじゃけど。」


「俺に渡したい物?」


「ワシん()の家宝の、《魔晶石の指輪》じゃけどのぉ。この(たび)はオマエが持っとった方がええじゃろう思うてな。」


「家宝の魔晶石の指輪って、いつもヤっさんが填めてるそれか?」



それはヤっさんがいつも填めている、趣味の悪い如何にもなゴツい指輪。



「皆んなして、出来るだけ魔力を集めたんじゃけど、そがぁに溜まらんかった。」



ヤっさんが渡してくれた、魔晶石の指輪にはそれでもけっこうな量の魔力が溜まっていた。



「皆んな、ありがとうのぉ!」


「いんねのう…ワシらじゃ、コレが精一杯じゃけんのぉ。」


「ワシらが使うよりロイドが使った方が、助かる確率が高いんじゃけぇ、気にせんとって。」


「明日まで休みゃあ魔力は回復するけぇ。」


「皆んな…ほんまにありがとう。

明日に備えて早めにメシを食うて(やす)もうや。」


「「「「そうじゃのぉ〜。」」」」




(深夜)


深夜、俺のスキル【地図アプリ】に敵の位置が表示された。

意外と早かったな…盗賊団の斥候2人か。

この距離なら俺の弓で仕留められるな。



――――――――――――――――――――――――


(盗賊side)



2キロ先の暗い夜道を、盗賊団の斥候ベッティとマルカは走っていた。



「ねぇマルカ?今度の襲撃場所って、最近有名なあの七色真珠の産地なんでしょ?」


「あゝそうだけど…何?欲しいの?」


「だって綺麗じゃん♪この前の領主のおっさんが持ってたネックレス、アレ欲しかったなぁ〜。」


「仕方ないだろ。ケンの奴が先に見つけちまったんだから。」


「それにしても、アイツ馬鹿だよねー♪

あんな簡単にナミのハニトラに引っかかって、ハーレムのつもり……。」


「?ベッティ???」



ドサッ!



突然、何処かから矢が飛んで来て、アタイの相棒の頭と胸に刺さり、気づいた時にはベッティは死んでいた。

真っ暗な夜道で隠れる所も無い……

いったい何処から?



「嘘だろ?何で?さっきまで話してたのに!」



ベッティとアタイは盗賊団に入ったのも、同じくらいで歳が近かったのもあってすぐ仲良くなった。

足が早かったアタイ達の役目は斥候。



ずっと2人で一緒にいられると思っていたのに……

こんな呆気なく殺されるなんて。

と…とにかくお頭に、知らせなきゃっ!!


グサッ!!



「あ…。」



翌朝…二人の女盗賊の遺体は、いつまでたっても帰還しないのを心配して探しに来た、仲間に発見された。

しかし、その仲間も何処からか飛んで来た矢や槍で、無残に殺され、盗賊団がこの事実に気づくのが遅れてしまった。



こうして、盗賊団は1人…また1人、少しずつ倒されていったのだった。






















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ